ダボス会議2026、「対話の精神」で逆風のグローバリズムは立て直せるか
グローバリズムへの逆風が強まる中、ダボス会議(世界経済フォーラム/WEF)の2026年年次総会は「対話」を掲げて、分断と対立の時代に協調の糸口を示せるのか——。参加規模が過去最大級とされる今回、注目は“場の熱量”だけでなく、現実の国際政治・経済の揺れをどこまで受け止められるかに集まっています。
参加者は約3,000人、政府首脳級は65人という「過去最大」
提供された情報によると、2026年のダボス会議は約3,000人の参加者と65人の政府指導者を迎え、人数・影響力の両面で最大規模になる見通しです。WEF暫定共同議長とされるブラックロックCEOのラリー・フィンク氏が、参加の「顔ぶれ」を強く意識した運営を進めてきた、という文脈も示されています。
最大の不確実性として浮上する「トランプ政権」
暗雲として強調されているのが、トランプ政権の存在です。昨年は米大統領ドナルド・トランプ氏がオンラインで演説し、雇用・投資・AI・株式などの成長期待に言及する一方で、関税や原油価格、さらにはカナダを「51番目の州」にするという趣旨の発言もあったとされています。
今年は対面での参加が確保されたとされる一方、新年に入ってからさらに強い国際的な摩擦を生む動きが起きている、という見立ても書かれています。具体例として、イランへの脅しやグリーンランドをめぐる要求が挙げられました。
WEF「グローバル・リスク報告書2026」が示す危機感
WEFは現状認識として、2026年版のグローバル・リスク報告書で「地経済的対立(geoeconomic confrontation)」を最も深刻な脅威として位置づけたとされています。単なる地政学上の緊張にとどまらず、経済・貿易・投資・技術などの領域が対立の前線になることで、多国間主義(マルチの協調枠組み)が弱体化するという問題意識が中心です。
報告書が挙げた主なリスク(要旨)
- 経済不安定:消費者インフレの可能性、資産価格バブルの膨張
- 技術リスク:規制が追いつかない技術の広がり
- 社会の分断:格差拡大による社会の結束低下
- 環境リスク:汚染・生物多様性の損失・気候温暖化(ただし短期の優先度は地政学リスクより低下)
テーマは「対話の精神」——それでも“空気”だけでは変わらない
今回のテーマは「対話の精神」。争いが起きやすい環境でも協力できるのか、という問いが最上段に置かれ、続いて新たな成長源、より良い労働力づくり、イノベーションの実装、繁栄と地球環境の制約の両立が論点として並びます。
ただ、対話が掲げられたからといって、対立の構造が自動的に薄まるわけではありません。現実の政策判断は国内政治や安全保障、エネルギー、市場の期待に引きずられやすく、ダボスの議論がどこまで具体的な行動の連鎖につながるのかは、なお見通しが立ちにくい局面です。
「グローバリズムは戻るのか」ではなく、「どう更新されるのか」
今回の材料が示すのは、グローバリズムが一枚岩の“復活”を目指すというより、地経済・技術・格差・環境といった複数の危機を同時に抱えたまま、協調の設計図を更新できるかという問いです。対話は入口にすぎず、各国・各企業・各組織が「何を譲り、何を守るのか」を言語化し、ルールや制度に落とし込めるかが、ダボス後の本番になりそうです。
Reference(s):
As globalism faces rising challenge, will Davos reverse the situation?
cgtn.com







