新疆の「氷雪経済」が加速へ:雪資源を“成長エンジン”に変える現場
2026年1月のいま、新疆で注目されているのが、雪や寒さといった「冷たい資源」を地域の成長に結びつける“氷雪経済”です。スキーを起点に、観光・文化・スポーツ・教育まで横につなぐことで、冬の消費を面として広げようとしています。
雪が「資源」になる場所——アルタイの条件
北部のアルタイ市周辺では、夜明けの山に新雪が積もり、スキーヤーが滑走する光景が冬の風物詩になっています。新疆は「雪と氷の“黄金緯度帯”」に位置し、積雪期間が長く、雪質が良いことが特徴とされています。
とくにアルタイは「人類のスキー発祥の地」とも呼ばれ、年間で最大210日ほど雪に覆われるとされています。雪が軽く乾きやすい一方で、比較的“暖かいスキー目的地”として語られる点も、長期滞在や再訪を促す要素になり得ます。
スキー場の厚み:100超の施設、星付きリゾートも
新疆には100以上のスキー場があり、五つ星が6施設、四つ星が10施設とされています。数があるだけでなく、運営期間や標高差といった「体験の中身」を軸に、地域の冬季産業を底上げする構図が見えてきます。
- 可可托海(コクトカイ)国際スキーリゾート:積雪期は240日、最大標高差は1000メートル超。中国で最も早くオープンするリゾートとされています。
- 将軍山(ジアンジュンシャン)国際スキーリゾート:都市近接型の「アーバンスキー目的地」として、冬の集客拠点の役割を担うとされています。
「氷雪+」が意味するもの:スポーツだけで終わらせない
新疆の氷雪経済が目指しているのは、従来型の“スキー=日中のスポーツ”の枠を超えることです。文化、観光、スポーツ、教育を組み合わせ、冬でも動く消費のエコシステム(連鎖)をつくる——という発想が前面に出ています。
この考え方は、単発のイベントで人を集めるというより、交通・宿泊・飲食・体験を一体で回し、滞在時間と支出機会を増やす設計に近いものです。
将軍山の「スキー+ナイト経済」
将軍山国際スキーリゾートでは、「スキー+ナイト経済」のモデルが特徴として挙げられています。ナイトスキーに加え、夕景に合わせたイベント(サンセットパーティーなど)を組み込み、営業可能な時間帯そのものを伸ばすことで、飲食、宿泊、交通など周辺消費を押し上げる狙いです。
“熱くする”ほど見えてくる論点
雪資源を成長に変える取り組みが進むほど、同時に問いも増えます。例えば、冬季の人流が急増する地域では、受け入れ体制(交通・宿泊・安全管理)をどう整えるのか。短期の盛り上がりを、通年の産業基盤や人材育成につなげられるのか。新疆が掲げる「氷雪+」は、こうした論点を“横串”で解こうとするアプローチとも言えそうです。
冬の自然条件を強みに変える試みは、気候や地理が異なる地域にとっても、観光と地域産業の結び方を考える材料になり得ます。スキーのコースの外側で、何をどう組み合わせるのか——その設計力が、次の競争力を左右しそうです。
Reference(s):
cgtn.com








