中国本土の「氷雪経済」1兆元規模へ——冬が通年ビジネスになった理由 video poster
中国本土で、かつて「冬の一部地域の風物詩」だった氷と雪が、いまや通年・全国規模の成長エンジンとして語られています。氷雪経済は2025年に1兆元(約1430億米ドル)を超えたとされ、数字以上に「冬の資源をどう産業化するか」という設計の変化が注目されています。
いま何が起きている? 氷雪が「季節モノ」から「通年需要」へ
今回の話題の核はシンプルです。氷雪が「季節(冬)」と「地域(寒冷地)」に縛られにくくなり、より広い場所で、より長い期間、消費と投資の対象になっている——という点です。
2026年2月4日現在、この流れは「観光」だけでなく、施設運営、スポーツイベント、関連サービスへと波及している形で語られています。
成長を押し上げる2つのキーワード:室内スキーと国際大会
1) 室内スキーリゾートが“冬の体験”を移動させた
屋内施設の拡大は、雪の有無や気温に左右されない「冬の体験」を可能にします。結果として、氷雪関連の消費が“冬だけ”ではなくなり、運営や雇用も通年化しやすくなります。
2) 国際的な冬季競技が、注目と投資の回路をつくる
グローバルな冬季競技(国際大会)がもたらすのは、競技そのものの熱狂だけではありません。開催・運営ノウハウ、関連産業の露出、そして「次の需要」を想起させる物語が、各地の取り組みを後押しします。
「1兆元」の意味:大きさよりも、産業の組み替えが見える
2025年に1兆元(約1430億米ドル)を超えたという規模感はインパクトがあります。ただ、より興味深いのは、氷雪が“単発の娯楽”から“複合的な経済活動”へと位置づけられている点です。
- 時間の拡張:冬季中心から通年へ
- 空間の拡張:一部地域中心から全国へ
- 価値の拡張:観光・スポーツに加え、施設運営やイベントなどへ
関係者が語る論点:運営・投資・発信の「目線の違い」
このテーマをめぐっては、レジャー運営、投資・事業開発、SNS発信、研究の立場からも議論が進んでいます。今回のゲストとして挙げられているのは、Axis Leisure ManagementのJustin Downes氏、Ei Asia Limited共同創業者のPaul Dong氏、ソーシャルメディア・インフルエンサーのCynthia Cornoa氏、中国人民大学・国家発展戦略研究院の劉旭氏(研究員)です。
同じ「氷雪」でも、施設の採算性、事業としての持続性、発信による需要喚起、マクロの産業設計など、注目点は立場によって変わります。市場が大きくなるほど、こうした“目線の違い”が一つのニュースになります。
2026年に向けて:通年化が進むほど問われること
氷雪を通年の経済にする動きは、成長の余地を広げる一方で、運営の工夫や長期目線の設計も必要になります。今後の焦点は、次のような問いに集約されていきそうです。
- 通年運営の中で、需要の波をどう平準化するのか
- 国際大会などの“イベント効果”を、日常の需要にどう接続するのか
- 全国展開が進む中で、地域ごとの個性をどうつくるのか
「冬」を資源として使うのではなく、「冬をつくり、届け、続ける」産業へ。2025年に示された1兆元という到達点は、その転換の途中経過としても読めます。
Reference(s):
cgtn.com








