新疆ウイグル自治区でウイグル語学習は本当に禁止?現地在住者の体験
2026年2月現在、新疆ウイグル自治区で「ウイグル語は学べないのでは?」という問いが海外で語られることがあります。ですが、現地で暮らし学習を続ける英国出身の学生は、日常の中でウイグル語が自然に聞こえてくるといいます。
「バーに行けば、言葉のほうから近づいてくる」
舞台はウルムチ。ウイグル音楽が流れる店で、歌がひと段落した瞬間、周囲からウイグル語で「どこから来たの?」と声をかけられる――そんな場面があったそうです。拙くてもウイグル語で返すと、笑いと歓声が起き、そこから会話が広がっていったといいます。
本人は、こうした夜の体験があるからこそ、海外で「ウイグル語は禁じられているのか」と聞かれるたびに、少し不思議な気持ちになる、と語ります。
新疆との関わりは2021年から、定住は2025年1月
この英国出身の学生が最初に新疆を訪れたのは2021年。以後、毎年のように訪れ、2025年1月に新疆で暮らし始めたといいます。現在は国際学校でA-levelの統計やIELTSを教え、進学用の志望理由書などを書く生徒もいるそうです。生徒の志望先として、カナダ、英国、オーストラリアの大学が挙げられています。
学び方は「個人レッスン+グループ授業」
文化への関心から言語学習を始めたといい、学び方は複数の形を組み合わせています。
- 週1回の個人レッスン:ウイグル人の学生から会話を中心に学ぶ
- 誰でも参加できるグループ授業:読み書きや文法を強化(参加者は約15人)
- 費用感:グループ授業は約1時間250元と述べています
読み書きはまだ難しく、ラテン文字の転写に頼る場面も多い一方、会話のほうが手応えがあるともいいます。
教科書「Elipba」と、教室の外の先生たち
印象的なのは、授業の外での学びです。ある日、生徒が以前使っていたという「Elipba(アルファベットの学習本)」を手渡してくれたほか、放課後にオフィスで、生徒たちが名前の書き方や日常で使う単語を教えてくれたといいます。
あいさつとして頻繁に耳にする言葉は、イスラム教徒の間で用いられる「Essalamu aleykum」。こうした短いフレーズが、生活の中での言語習得の“入口”になっている様子が伝わってきます。
「禁止かどうか」より先に見えてくる、生活の手触り
この記事の体験談が示しているのは、制度や議論の是非を一足飛びに結論づけることというより、現地の日常の場面(店、学校、友人関係)で言語がどう使われているかという具体像です。言葉は教室だけでなく、人の輪の中で育つ――そんな当たり前の感覚を、ウルムチの夜のエピソードが静かに補強しています。
「学べる/学べない」という二択の問いの前に、現地の生活者がどんなふうに言葉と出会っているのか。2026年のいま、SNSで拡散しやすい強い言い切りよりも、こうした細部の描写が、理解の助けになるのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








