TikTokで#BecomingChinese拡散、Z世代が試す「中国式ウェルネス」
2026年2月現在、TikTokで広がるハッシュタグ「#BecomingChinese」をきっかけに、Z世代を中心とした若者が“中国らしい”と感じる健康習慣を日常に取り入れる動きが注目されています。短い動画の流行が、食やセルフケア、そして中国文化への関心の向け方まで変えつつあります。
バズ動画が映した「生活の中の中国」
話題の投稿の一つは、「明日あなたは中国っぽくなる」という趣旨のメッセージで視聴者を引き込み、いわゆる中国風のウェルネス習慣を紹介しました。コメント欄には「真似してみた」「意外と続く」といった反応も見られ、好奇心から始まる“試してみる文化”が可視化されています。
動画で広がった具体例
- 甘い炭酸飲料の代わりに、ハーブティーを選ぶ
- 骨付きスープや栄養のあるお粥(コンジー)を日々の食事に足す
- 春節(旧正月)の時期が近づくと、縁起を担いで赤い服を身に着ける
- 冷えを避ける意識から、室内でスリッパを履く
こうした「小さな習慣」の断片が、再生数や“いいね”を積み重ねながら国境を越えて共有され、漢方由来の発想や食習慣が“手軽に試せるライフスタイル”として消費・再解釈されていきます。
背景にあるのは、ポップカルチャーとデジタル交流
中国文化への関心の高まりは、ウェルネス動画だけが作ったものではありません。ここ数年、中国発のポップカルチャーが世界的に存在感を増し、入口が増えてきました。
- アニメ映画の大作Ne Zha 2が興行記録を更新
- Labubuのコレクティブルドールがファッショントレンド化
- Black Myth: Wukongが複数のゲーム賞を獲得
- 中国のSNS「小紅書(Xiaohongshu)」が国際的な文化交流の場として使われる
作品やプラットフォームが増えるほど、“中国を知る導線”も増えます。そこで出会うのが、歴史・神話の物語だけでなく、日々の食卓や体調管理といった生活感のあるコンテンツです。
「ソフトパワー」の数字と、渡航のしやすさ
こうした文化的な吸引力は、国際的な指標にも表れています。Brand Financeの「Global Soft Power Index 2025」では、中国が世界2位に位置づけられたとされています。
また、昨年(2025年)11月時点で、ビザ免除措置の対象が48の国・地域に広がったという情報もあります。実際に訪れる人が増えれば、ニュースやイメージだけでは捉えきれない“肌触りのある理解”が進みやすい一方、渡航できない層にとっては小紅書などの投稿が「いまの暮らし」を覗く窓になっていきます。
流行の先にある問い:健康法は「誰のもの」になるのか
#BecomingChineseのようなトレンドは、文化交流のスピードを上げます。ただ同時に、短尺動画の文脈では、背景が省略されやすいという特徴もあります。
- 体質や生活環境の違いを超えて、健康習慣はどこまで一般化できるのか
- “中国っぽさ”は、誰がどんな要素を切り取って作っているのか
- アルゴリズムが強調するイメージと、現実の多様さをどう両立して受け止めるか
いま起きているのは、「中国文化が広がった」という単純な話というより、SNSが作る“体験の輸入”が、食・美容・健康といった身近な領域から静かに浸透している現象だと言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








