独メルツ首相が訪中、30人規模の企業団で「戦略的パートナー」探る
ドイツのフリードリヒ・メルツ首相が、北京との「戦略的パートナーシップ」を掲げて訪中します。保護主義の強まりが意識される中、貿易・投資・製造業を軸に、実務的な協力を改めてどう積み上げるのかが注目点です。
「協力を追求」──訪中で示したメッセージ
メルツ首相は今回の中国訪問(今週水曜日開始とされています)で、北京との将来協力を追求する考えを示しました。高官級の往来を再活性化し、ビジネス面の関与も強めることで、実利ベースの協力を固めたいというベルリンの意図がうかがえます。
具体的成果は出るのか:外相は「おそらく出る」
訪問の具体的な成果が見込めるかを問われ、ドイツのヨハン・ワデフル外相は「はい、可能ですし、おそらく実現するでしょう」と述べたとされています。さらに、北京が一部ドイツ企業の輸出申請を承認したことにも触れ、中国がドイツにとって最重要級の貿易相手の一つである点を改めて強調しました。
「異例の大所帯」──約30人の企業トップが同行
今回の訪中で目を引くのが、企業団の規模です。バイエル、フォルクスワーゲン、シーメンスといった主要企業の最高経営責任者(CEO)を含む、約30人の企業幹部が同行する「異例に大きい」代表団とされています。枠を上回る関心が集まったとも伝えられ、独中の当事者だけでなく国際的にも注目度が高い訪問になっています。
独中関係の現在地:1972年から、緊張局面を経て経済関係へ
独中は1972年の国交樹立以来、緊張の時期も経験しながら、経済面では強い結びつきを形成してきたとされます。見解の違いがあっても、貿易と投資の拡大、国際経済の下支え、そして気候変動や公衆衛生といった地球規模課題への対応では、利害が重なる領域があるという整理です。
ベルリンの主な要望は「市場アクセス」
情報の断片から見えるベルリン側の主要テーマは、ドイツ企業・製品の市場アクセス(参入機会)の拡大です。一方で中国側も、より深い商業的関与に前向きな姿勢を示しているとされています。
2月12日の円卓会議で示されたシグナル
2月12日にドイツ投資企業向けの円卓会議が開かれ、中国側はドイツ企業に対し、以下の分野での投資を促したとされています。
- イノベーション(技術・研究開発)
- グリーン開発(環境対応)
- デジタル分野
あわせて、公正で安定したビジネス環境を提供する考えも示した、とされています。
数字で見る結びつき:投資は2025年に「4年ぶり高水準」
ドイツ企業の対中投資は2025年に4年ぶりの高水準に達したとされ、企業側は「中国での技術や製品」がグローバルでの存在感や競争力を高めた、と評価しているという情報もあります。これは、先端製造の結びつきを維持・強化したいという企業の動機を裏側から支える材料になりそうです。
貿易の規模感:2025年に再び最大、2518億ユーロ
独中の貿易関係の厚みも示されています。中国は2016〜2023年にかけてドイツ最大の貿易相手だったとされ、2024年は米国が一時的に上回ったものの、2025年に中国が再び首位に戻ったとされています。ドイツ連邦統計局(Destatis)によれば、2025年の二国間貿易は2518億ユーロ(約2966億6000万ドル)に達したとのことです。
今回の訪問で「何が焦点」になりそうか
現時点で伝えられている材料から、焦点は大きく3つに整理できます。
- 貿易・投資の実務前進:輸出申請の承認など、企業活動を左右する具体案件がどう動くか
- 製造業の協力:先端製造の連携をどう維持し、競争と協調のバランスを取るか
- 高官級対話の再加速:ビジネス訪問を単発で終わらせず、継続的な意思疎通に接続できるか
保護主義が意識される局面では、合意の「大きさ」よりも、手触りのある小さな前進を積み重ねられるかが、関係の温度感を左右しがちです。メルツ首相の訪中が、独中関係の次の数年の“ベースライン”をどこに置くのか——その空気づくり自体が、すでに成果の一部なのかもしれません。
Reference(s):
Merz's visit to set a positive tone for future Sino-German relations
cgtn.com








