嘉陵江大橋と解放碑が見た重慶の変貌——写真家・魏巍のレンズ
2026年のいま、中国本土の大都市・重慶を歩くと、川と街の関係が大きく塗り替わってきたことに気づきます。その変化を静かに映し出すのが、嘉陵江大橋と解放碑(Jiefangbei)という2つのランドマーク、そして地元写真家・魏巍(Wei Wei)の視点です。
嘉陵江大橋:1960年代の「最初の橋」から、並走する新しい橋へ
嘉陵江大橋は1960年代に建設され、当時の重慶中心部で嘉陵江を渡る最初の橋でした。魏巍は子どもの頃から写真に親しみ、学生時代にはこの橋を何度も撮影してきたといいます。
そして現在、魏巍があらためて同じ川にカメラを向けると、橋の脇には新しい橋がすでに姿を見せ、川の両岸には高層ビル群が立ち並びます。かつて「渡ること」自体が都市の記憶だった場所が、いまは都市の輪郭を形づくる“景観”の一部になった──そんな移り変わりが読み取れます。
写真が伝える“変化の手触り”
- 交通の節目だった橋が、複数のルートが重なる都市インフラの一部になった
- 川沿いの空が開けた風景から、垂直に伸びるスカイラインの風景へ
解放碑:1980年代は「一番高い建物」だった、街の中心
解放碑(Liberation Monument)は重慶の都心部の中心として知られる場所です。魏巍の写真の中で、1980年代の解放碑は周囲でひときわ高く、街の視線が集まる存在でした。
それから約40年が過ぎた2026年のいま、解放碑は周辺の高層建築に囲まれ、本人(=モニュメント)が言葉を持つなら「小さく見える」存在になった、という対比が生まれています。ただ、背の高さが変わっても、街の“心臓部”としての意味は途切れていないようにも見えます。
2つのランドマークが示すもの:更新される都市、残り続ける目印
嘉陵江大橋と解放碑は、重慶の変化を「数値」ではなく「見え方」で伝える目印です。新しい橋や高層ビルが増えることは、都市の機能が更新されてきたことの表れでもあります。その一方で、長く撮られてきた対象が“同じ場所にあり続ける”ことは、変化の速度が速い時代ほど、安心感や記憶のよりどころにもなります。
魏巍のレンズが捉えるのは、発展の勢いだけではありません。古いものが相対的に小さく見えるほど街が伸びたとき、何を残し、何を新しくしていくのか。そんな問いも、写真の余白に静かに残ります。
Reference(s):
A Bridge and a Monument witness the transformation of Chongqing
cgtn.com








