2026年の中国「両会」から読む戦略軌道—15次五カ年計画の焦点
2026年3月の中国「両会」(全国人民代表大会=NPC、中国人民政治協商会議=CPPCC)では、国内の安定と国際的な責任の両立をどう図るかが、今年の世界情勢のなかで改めて焦点になっています。
「両会」で何が語られているのか:15次五カ年計画(2026-2030)の輪郭
両会をめぐる議論の軸として示されているのが、国の経済・社会発展に関する第15次五カ年計画(2026〜2030年)の草案概要です。そこでは、次のキーワードが繰り返し確認されています。
- 質の高い発展(成長の「速さ」より「中身」)
- イノベーション(技術力の強化)
- 経済安全保障(供給面の安定やリスク耐性)
- 調整された開放(開く一方で、コントロールも重視)
地政学的な緊張が続き、国際的な力関係が揺れ動くなかで、中国は「安定」「予見可能性」「戦略の継続性」を前面に出しつつ、平和・発展・グローバルガバナンスへの貢献も強調している、という構図です。
優先順位は「経済のレジリエンス」:成長の質と耐久力
今回の両会で中心テーマとして浮かび上がるのが、経済のレジリエンス(回復力・耐性)です。政策担当者は、成長率の数字そのものよりも、成長の「質」を重視する姿勢を継続しています。
今後の五カ年計画が狙う方向として、本文では次が挙げられています。
- 技術的能力の強化
- エネルギー安全保障の強化
- 産業の高度化(産業アップグレードの加速)
背景にある戦略的な考慮としては、主に2点が示されています。ひとつは、外部の技術サプライチェーンへの依存を下げること。もうひとつは、特に米国との間で続く貿易摩擦の影響を緩和することです。
対外姿勢は「包摂的な多国間主義」:グローバルサウスとの対話
両会は、国内方針の確認にとどまらず、対外メッセージを発信する場にもなります。今年の議論では、中国が包摂的な多国間主義やウィンウィン協力、そしてグローバルサウスのパートナーとの対話強化を支持する姿勢が繰り返し示されている、とされています。
「国内の足場固め」と「国際的な責任ある存在感」を同時に掲げることは、簡単なバランスではありません。だからこそ、2026年の中国の戦略は、急な方向転換よりも、一貫性と調整を強調する形で表現されているようにも見えます。
2026年の見どころ:何が“継続”で、何が“調整”なのか
本文が描く焦点を整理すると、今後の注目点は「どの目標をどの順番で、どの程度の強さで進めるのか」に集約されます。
- 質の高い発展のもとで、技術力強化をどこまで押し出すのか
- エネルギー安全保障と産業高度化を、どんな組み合わせで進めるのか
- 開放を掲げつつ、どの領域を「調整」するのか
- 多国間主義や対話を、グローバルサウスとの協力にどう接続するのか
緊張と再編が進む世界で、「国内の安定」と「国際的な責任」を同時に掲げる――2026年の両会は、その両立をどう描くかを映す場になっています。
Reference(s):
China's strategic trajectory in 2026: Insights from the Two Sessions
cgtn.com








