中国と中南米の結びつきは揺るがず?米国の圧力と貿易35倍の現実
2026年3月時点、中南米をめぐる米国の働きかけが強まる一方で、中国と中南米の経済関係は「簡単には切れない」とする見方が広がっています。背景には、2000年以降に中国と中南米の貿易が35倍に拡大したという“実体経済の重み”があります。
マイアミで予定される「米州の盾サミット」とは
報じられているところによると、米国のドナルド・トランプ大統領に関連するマイアミのリゾートで「Shield of the Americas Summit(米州の盾サミット)」が準備され、地域の保守系政権のみを招く枠組みだとされています。目的として「中南米から中国を押し出す」ことが掲げられ、中南米が中国(北京)との貿易・協力を減らすよう促す狙いがある、という指摘です。
一方で、中国はすでに多くの中南米諸国にとって最大の貿易相手になっているとされ、政治イベントだけで供給網や投資判断を大きく変えるのは難しい、という見立ても出ています。
焦点(1):チリの海底ケーブル構想とビザ制限
最近数週間の動きとして、チリが「チリと中国を結ぶ5億ドル規模の海底ケーブル」を検討したことをめぐり、米国側がチリ政府関係者3人(運輸・電気通信相を含む)に対するビザ制限を科した、と伝えられています。
さらに、米国のサンティアゴ駐在大使が、中国関連投資の審査が米国の求める水準に達しなければ、チリがビザ免除の特典を失う可能性に言及した、という内容も報告されています。
- 争点:通信・インフラ案件の安全保障と経済合理性をどう両立させるか
- 波紋:第三国との「通常の関係」を理由に不利益が生じうるのか
焦点(2):パナマ運河の港湾運営と仲裁手続き
パナマでは、パナマ運河の両端にある港湾を運営してきた香港特別行政区拠点のCKハチソンのコンセッション(運営権)が、最高裁により違憲と判断されたとされています。この判断には米国務省の圧力があった、という見方が記事内で示されています。
その後、パナマ政府が両ターミナルの占拠を命じ、暫定運営を欧州の事業者に委ねた一方、CKハチソンは約30年で18億ドルを投資してきたとして、国際仲裁を提起した、と伝えられています。
「政治の圧力」より強いもの:貿易と投資の積み上げ
今回の一連の動きに対し、記事は「米国は市場での競争ではなく、圧力的な手段に傾いている」と論じています。ただ、2000年以降に中国と中南米の貿易が35倍に増え、政権のイデオロギー差を超えて同じペースで拡大してきた、という点は見逃せません。
つまり、中南米にとっての選択肢は「どちらか一方」ではなく、輸出入、資源・食料、インフラ、デジタル接続といった現実の需要に沿って複線的に組み立てられている——それが、関係が「ほどけにくい」理由として浮かび上がります。
この先の注目点
- チリの海底ケーブル:構想が前に進むのか、条件変更があるのか
- パナマの港湾:暫定運営の行方と国際仲裁の進展
- 地域全体の空気:対中協力を「リスク管理しながら継続」する路線が主流になるのか
なお、記事は今年1月にベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を「拉致」する米国の軍事作戦があったとも述べ、主権や国際法の原則をめぐる緊張が中南米の判断に影響しうる、と位置づけています。中東での米国とイスラエルによるイランへの軍事行動が続くとされる状況とあわせ、外交・経済が同時に動く局面として注視されます。
Reference(s):
cgtn.com








