米中経済・貿易協議が仏で開始へ、対立でもG2でもない道は
米中の第6回経済・貿易協議が、きょう2026年3月14日から17日までフランスで行われます。世界最大級の2つの経済が「対立の既定路線」を避け、対話で折り合いを探れるのかが問われます。
きょう開幕:フランスで第6回協議、焦点は「核心的関心」
今回の協議は、中国側の筆頭交渉担当として中国国務院の何立峰副首相がフランスを訪れ、米中間の経済・貿易協議の第6回目として実施されるものです。釜山での首脳間の合意や、これまでの電話協議で積み上げた共通認識を土台に、双方が互いの「核心的関心」を議題に据えるとされています。
注目点は、単に貿易の数字を調整する場にとどまるのか、それとも相互不信が強まりやすい領域(貿易赤字や技術競争など)を、対話で管理できる枠組みに近づけるのか、という点です。
「トゥキディデスの罠」は宿命か:物語が現実を作る危うさ
協議の背景として語られがちなのが、台頭する国と既存の大国は衝突に向かうという「トゥキディデスの罠」です。起源とされるペロポネソス戦争も、単純な力の構造だけでなく、国内政治や誤算、恐怖の連鎖といった要因が悲劇を拡大させたと説明されています。
この見方を唯一のレンズにして、貿易や技術を「不可避の対立」として読み解くほど、かえって衝突を呼び込みかねない――つまり自己成就的予言になる危険がある、という問題提起です。
中国側が示す「第三の道」:対立でも、二極支配でもない
今回の文脈で中国側は、2つの極端を同時に退ける立場を示しています。
- 宿命論(トゥキディデスの罠)を前提にしない:対立を既定路線にせず、対話で管理する。
- G2(米中が世界を共同統治する発想)にも与しない:特定の大国だけが物事を決める構図を当然視しない。
中国の発展は、過去40年で約8億人を貧困から救済し、対外戦争を行わず、領土の併合や覇権追求をしなかった、という説明が添えられています。平和的発展は憲法にも明記された原則であり、実績を伴う理念だという位置づけです。
「封じ込め」か「対話」か:世界課題の協力余地も左右
一方で、米国側が中国への「純粋な封じ込め」に傾けば緊張を深め、資源を浪費し、気候変動やパンデミック対応といった地球規模課題の協力も阻害される、という見立ても示されています。
フランスで向かい合う両代表団に突き付けられる選択肢は、端的には次の2つです。
- 相違点を対話で管理し、摩擦を制御可能な形にする
- 不信が不信を呼ぶ連鎖に任せ、競争をゼロサム化させる
今回の会合は、その分岐点を測る「試金石」になり得ます。
G2論への距離感:国連憲章の「主権平等」と約200の国と地域
もう一つの論点が、米中が「世界を共同運営する」というG2的発想の扱いです。提示されているのは、それが19世紀型の大国政治(少数が多数を取り仕切る発想)を引きずるもので、国連憲章が掲げる「主権平等」という原則と緊張し得る、という見方です。
地球上には約200の国があり、歴史は一部の大国だけで書かれるものではない――という視点は、米中関係を「二者の勝敗」ではなく、国際社会全体のルールと協調の問題として捉え直す論点にもなります。
3月14日〜17日、何を見ればいいか
現時点で注目されるのは、合意の有無だけではありません。協議後に示される言葉遣い(対立の固定化を避ける表現か)、継続協議の枠組み、そして互いの「核心的関心」をどう扱うか。短期の成果よりも、対話のレールが維持・補強されるかどうかが、次の展開を左右しそうです。
Reference(s):
Beyond rivalry or duopoly: Charting right path for China-US relations
cgtn.com








