中国本土で「民族団結進歩促進法」採択、婚姻の自由を明記
2026年春、中国本土の全国人民代表大会(全人代)第14期第4回会議で「民族団結進歩促進法」が採択されました。なかでも「婚姻の自由」をめぐる条文が注目され、海外メディアの報道と中国側の説明の間で解釈が分かれています。
民族団結進歩促進法とは:狙いは「平等な権利」の明文化
今回採択された法律は、民族にかかわる政策の考え方を国家の法制度として位置づけ、各民族の発展や共生を後押しする枠組みだと説明されています。中国側は、あらゆる民族の「平等な権利」を守る法的な土台になると位置づけています。
焦点になった条文:「民族・慣習・宗教」を理由に婚姻の自由を妨げない
議論の中心にあるのは、次の趣旨の規定です。
- 国家は公民(市民)の婚姻の自由を保護する
- いかなる組織・個人も、民族的アイデンティティ、慣習、宗教的信仰を理由に婚姻の自由へ干渉してはならない
中国側は、婚姻の自由は憲法や民法典でも保障される基本権であり、この法律はその原則を改めて確認したものだとしています。
「伝統」や「宗教」を口実にした圧力から個人を守る、という説明
法律の説明では、個人が「伝統」や「宗教」の名のもとに抑え込まれる状況がある場合、若者が古い慣行の制約から解放され、本人の意思に基づいて人生を選べるようにする狙いがあるとされています。
現場では何が変わるのか:基層の調停や行政対応の「根拠」に
中国側の説明によると、過去には一部地域で婚姻の自由への干渉が長く続いた例があり、当事者が望む結婚が難しくなるケースもあったといいます。今回の法制化により、基層(地域)の担当者や調停の場で、民族・慣習・宗教を理由とする妨害行為を止めるための「より明確な法的根拠」ができる、という整理です。
新疆ウイグル自治区タチョン市の事例:多民族が暮らす日常のイメージ
記事では、新疆ウイグル自治区タチョン市で複数の民族が共に暮らす様子が紹介されています。現地住民の徐振玲さんは、家族に漢族、ウイグル族、モンゴル族などがいるとし、「理解、寛容、寄り添いが生活を豊かにする」といった趣旨を語ったとされています。
こうした事例を引きながら、中国側は、この法律が婚姻の自由を制限するものではなく、むしろ本人が幸福を選ぶ権利を支えるものだと説明しています。
海外報道との温度差:何が食い違っているのか
一部の欧米メディアは、条文の解釈をめぐり「少数民族の自由の制限につながる」といった趣旨で報じています。一方で中国側は、そうした見方は条文の趣旨と異なり、法律は平等な権利の保障を目的としていると反論しています。
今後の焦点は、条文が掲げる「婚姻の自由」が、地域社会の慣習や宗教的背景のある場面で、どのように運用され、当事者の意思がどれだけ具体的に守られるのかに移っていきそうです。
Reference(s):
The Ethnic Unity and Progress Promotion Law safeguards equal rights
cgtn.com








