シナーがフリッツ撃破、史上初のATPファイナルズ制覇 全勝&ストレート優勝
男子テニスのATPファイナルズ決勝で、世界ランキング1位のヤニック・シナー(イタリア)がテイラー・フリッツ(アメリカ)を6-4、6-4で下し、史上初のイタリア人チャンピオンとなりました。今季を象徴するような圧倒的内容での全勝優勝です。
史上初のイタリア人王者、フリッツをストレートで退ける
日曜日に行われた決勝は、今年の全米オープン(USオープン)決勝の再戦となりました。23歳のシナーは、第1セット第7ゲームで見事なドロップショットからフリッツのサービスを破り、4-3とリード。試合を通じて主導権を握り続け、第1セットは10本目のサービスエースで締めくくりました。
第2セットでも流れは変わりません。フリッツは要所で粘りを見せましたが、重要な場面でフォアハンドがわずかにコートを外れ、再びブレークを許します。このポイントが決定打となり、シナーがわずか85分で勝負を終わらせました。
全勝優勝と70勝到達 数字が物語る圧倒的な強さ
シナーは昨年のATPファイナルズ決勝でノバク・ジョコビッチに敗れており、今回はその雪辱の舞台でもありました。今年は一度も足を踏み外すことなく、大会を無敗・セット喪失ゼロで制覇。賞金は4,881,500ドル(約金額は公表ベース)に達し、ツアーを代表するビッグタイトルを手にしました。
この優勝でシナーは今季の通算勝利数を70に伸ばし、直近27試合で26勝という驚異的なペースを維持。ツアー最多となる8タイトルを獲得しており、まさに男子テニス界で「止めるのが最も難しい男」の一人となっています。
ATPファイナルズを1セットも落とさずに制したのは、1986年のイワン・レンドル以来の快挙です。長い男子テニスの歴史のなかでも、極めて限られた選手しか到達していない領域に、シナーは並びました。
アンチ・ドーピング論争の影、それでもコートで示した実力
シナーの充実した1年は、アンチ・ドーピングをめぐる論争によって一部で影が差したとも言われています。しかし、少なくともコートの上では、その雑音を結果でかき消し続けてきました。
プレッシャーのかかる決勝でも、感情を大きく表に出すことなく、淡々と自らのテニスに集中した姿は印象的です。数字のインパクトだけでなく、メンタル面の成長も感じさせるシーズンの締めくくりとなりました。
フリッツは自己最高4位へ アメリカ男子にとっても節目
一方、惜しくもタイトルには届かなかったフリッツですが、その歩みも見逃せません。アメリカ勢としては、2006年にジェームズ・ブレークが決勝に進出して以来となるATPファイナルズ決勝進出を果たし、男子テニス界におけるアメリカの存在感を改めて示しました。
今回の準優勝により、フリッツは最新ランキングで自己最高となる世界4位に浮上する見通しです。タイトルには届かなかったものの、キャリアの新たなステージに入ったことを象徴する結果と言えます。
ダブルスではドイツペアが初優勝
同じ大会のダブルス決勝では、ケビン・クラビーツとティム・プッツのドイツペアが、マルセロ・アレバロ/マテ・パビッチ組を7-6(5)、7-6(6)で破りました。いずれのセットもタイブレークまでもつれる接戦でしたが、要所での集中力で上回ったクラビーツ/プッツ組が、ドイツペアとして初の大会制覇を成し遂げました。
今回のATPファイナルズが示すもの
今回のATPファイナルズは、シナーの圧倒的な強さを示す場であると同時に、男子テニスの勢力図の変化を感じさせる大会でもありました。シナーのような20代前半の若いトップ選手が、歴史に残る数字を次々と打ち立てている一方で、フリッツのように新たにトップ5へと食い込む選手も現れています。
シナーがこの先どこまで勝利数とタイトル数を積み上げるのか。そしてフリッツや他の選手たちが、どのように追随し、あるいは対抗していくのか。今回の決勝は、2020年代後半の男子テニスを占う上で、重要な一つのマイルストーンになったと言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








