中国の少数民族伝統体育大会で脚光 高さ12メートルのブランコ競技とは video poster
中国で今週金曜日に開幕する「第12回全国少数民族伝統体育運動会」で、伝統のブランコ競技がひときわ注目を集めています。高さ12メートルのブランコを使うこの競技は、中国の朝鮮族の文化をルーツに持つ女性限定の種目です。
中国の少数民族伝統体育大会、会場は海南省三亜
今週金曜日、中国海南省三亜市で「第12回全国少数民族伝統体育運動会」が開幕します。南国の島・海南には、中国56の民族を代表する約1万人の選手が集まり、17競技・139種目に加えて3つの公開競技が実施されます。
1953年に初めて開催されたこの大会は、中国でも最も歴史のある全国規模の総合スポーツ大会の一つとされています。すでに一部の馬術競技は、中国北西部の新疆ウイグル自治区で先行開催されており、中国各地で文化とスポーツの祭典が広がっています。
主役のひとつは高さ12メートルのブランコ
今回、特に注目されているのがブランコ競技です。色鮮やかなブランコの支柱は高さ12メートルに達し、その横には鐘が並んだ専用の架台が設置されています。この鐘の架台は、競技の高さを測るための装置であると同時に、観客にとっても迫力ある見どころになっています。
女性限定、2階級制の競技ルール
ブランコ競技に出場できるのは女性選手のみで、体重55キロ未満と55キロ以上の2階級に分かれます。選手たちは高さ1.3メートルの発射台(スタート台)からブランコに乗り、そこからそれぞれの種目に挑みます。
高さを競う「高度競技」
一つ目の種目は、どれだけ少ない回数のこぎで高くまで到達できるかを競う「高さ」の競技です。より少ない回数でより高く上がるほど高得点となり、ブランコを操る技術と身体コントロールが試されます。
鐘を鳴らす回数で競う「鐘鳴らし競技」
もう一つの種目は、10分間という制限時間内に、何回鐘に触れて鳴らすことができるかを競う「鐘鳴らし」の競技です。選手は高さだけでなく、一定のリズムと持久力を維持しながら、繰り返し鐘に到達する必要があります。
朝鮮族の暮らしから生まれた無形文化財
このブランコ競技のルーツは、中国東北部に暮らす朝鮮族の伝統にあります。ブランコは国家級の無形文化遺産にも認定されており、もともとは女性のための生活文化として受け継がれてきました。
吉林代表チームのコーチ、楊玉丹(ヤン・ユーダン)さんは、その背景について次のようなエピソードを紹介しています。かつて、外の世界に憧れを抱いていた貴族の女性たちが、自宅の庭にブランコを設置し、高くこぐことで塀の外の景色をのぞき見ようとしたという説があります。やがてこの習慣が広まり、農作業の合間の余暇に、女性たちが心身をリフレッシュするための遊びとして定着していった、とされています。
今回の大会で行われるブランコ競技は、こうした生活文化がスポーツとして洗練されてきた姿でもあります。伝統を守りながら、競技性と観客性を両立させている点が特徴です。
「文化」と「スポーツ」が交わる場としての大会
全国少数民族伝統体育運動会は、単に記録を競う大会ではなく、多様な民族文化を共有する場としての性格も強いといえます。今回のブランコ競技のように、もともとは生活の中の遊びや習慣だったものが、ルールを整えたスポーツとして紹介されることで、その文化的背景にあらためて光が当たります。
また、女性だけが参加する種目が脚光を浴びることは、スポーツを通じた女性の活躍の場づくりという観点からも注目できます。伝統文化と現代スポーツが交差する場として、この大会をどう読み解くかは、アジアの動きを知りたい日本の読者にとっても興味深い視点となるでしょう。
海南の会場で、選手たちが12メートルのブランコをこぎながら空へと舞い上がる姿は、スポーツの迫力とともに、中国の多様な文化の一端を映し出すことになりそうです。
Reference(s):
Ancient swinging gains spotlight at China's National Traditional Games
cgtn.com








