ジャド・トランプが接戦制し2度目のUK選手権優勝 バリー・ホーキンスを10-8で下す
スヌーカーのワールド・スヌーカー・ツアー(World Snooker Tour)UK選手権決勝がイングランド北部ヨークで行われ、ジャド・トランプ(イングランド)がバリー・ホーキンス(同じくイングランド)を10-8で下し、同大会2度目のタイトルを獲得しました。
ランキング大会優勝は通算30回目。この記録を上回るのはジョン・ヒギンズ、スティーブン・ヘンドリー、ロニー・オサリバンの3人だけで、スヌーカー界の国際ニュースとしても大きな節目となる一戦でした。
何度も流れが変わったフレームの攻防
決勝は長丁場となるフォーマットで行われ、トランプは第1セッションを5-3とリードして折り返します。再開後も62点と32点のブレークでリードを3フレーム差に広げ、主導権を握ったかに見えました。
しかし、ここからホーキンスが意地を見せます。2フレームを連取してスコアを6-5とし、一気にプレッシャーをトランプ側にかけました。
勝負の分かれ目となった第12フレームの133点
流れが揺れる中で、トランプが大きな一打を見せたのが第12フレームでした。丁寧なポジショニングから次々とボールを沈め、133点のビッグブレークを完成させます。このフレームを含め、その後の4フレーム中3つを奪い、スコアを9-6と一気に突き放しました。
安定したブレークビルディング(連続得点)とミスの少なさが、この時間帯のトランプの強さを象徴していました。
ホーキンスの猛追と第18フレームのドラマ
それでもホーキンスは諦めません。75点、82点という2つの高得点ブレークで連取し、9-8まで追い上げます。観客席の雰囲気も一気に緊迫し、最終フレームまでもつれ込む展開が現実味を帯びてきました。
第18フレームでも、ホーキンスは一時優勢に立ちましたが、左ミドルポケットへの赤球をわずかに外してしまいます。このミスでテーブルの流れは再びトランプ側へ。ホーキンスはスヌーカー(相手から狙い球が直接見えないように隠す守備的ショット)を仕掛けて4点のファウルを引き出すなど粘りを見せ、逆転への望みをつなぎました。
しかし、必要だった2回目のスヌーカーは奪えません。最後はトランプがロングレンジの茶球を沈め、10-8で勝負を決めました。重圧のかかる場面での一撃が、2度目のUK選手権制覇と通算30回目のランキングタイトルをもたらした形です。
歴代でも限られた選手だけが到達した30勝
今回の優勝で、トランプのランキング大会タイトル数は30となりました。この数字を上回るのはジョン・ヒギンズ、スティーブン・ヘンドリー、ロニー・オサリバンの3選手のみです。
トランプが初めてUK選手権を制したのは2011年。当時から攻撃的で華やかなプレースタイルが注目されてきましたが、今大会のようにプレッシャーのかかる場面で試合運びの巧みさを見せる場面も増え、キャリアの成熟を感じさせます。
両者のコメントが語るプレッシャーの重さ
試合後、トランプは終盤の心理状態について次のように振り返りました。
「本当に際どくて、9-9になるかもしれないと思っていた。大きなプレッシャーを感じていたし、チャンスが来たら絶対にものにしなければならなかった。彼はすごく良いプレーをしていたからね。だから自分のリズムを落として、一球一球をしっかり確認した。あのブレークには華やかさはなかったけれど、とにかくボールをポケットに沈めるしかなかった。スヌーカーを2回もらってほぼ安全だと思っていたのに、気づけばまたプレッシャーが戻ってきていた。最後に茶球を入れられたときは、本当にほっとした。」
一方、準優勝のホーキンスも、悔しさと手応えの両方をにじませました。
「決勝まで来られただけでも素晴らしい一週間だったと言えるけれど、やはりファイナルに立てば勝ちたくなる。全体としてとてもいい試合だったと思う。今夜は流れをつかみ損ねた場面があって、本当は追いつけていたはずだと感じている。終盤でようやく自分のプレーを取り戻せたし、手応えもあった。」
静かな競技に詰まった「決断」のドラマ
スヌーカーはテレビや動画で見ると静かな競技に映りますが、一球ごとにリスクとリターンを計算しながら判断を迫られる、非常に頭脳的なスポーツです。今回のUK選手権決勝でも、ホーキンスがミドルへの赤球を狙った一打や、トランプが最後に選んだロングの茶球など、わずかな選択の違いが勝敗を分けました。
プレッシャーの中で自分をコントロールし、最善だと信じる選択をし続けるという点では、ビジネスや日常生活の意思決定にも通じる部分があります。スヌーカーの国際ニュースをきっかけに、そうした静かなドラマにも目を向けてみると、観戦が一段と面白くなるかもしれません。
Reference(s):
Judd Trump edges Barry Hawkins to secure his second UK Crown
cgtn.com








