三亜でマーメイド競技会 夢の人魚が国際スポーツになる video poster
中国・海南省のリゾート都市・三亜で、童話の世界のような「マーメイド」が本物の競技スポーツになりました。2024年にアトランティス三亜で開かれた China Mermaid Open Grand Final と初開催のアジアカップは、国際ニュースとしても注目される海洋スポーツと文化交流の新しいかたちです。
夢で見た人魚が、プールで躍動する
子どもの頃に見たアニメ「リトル・マーメイド」の影響で、人魚にあこがれた経験はありませんか。月明かりの海で尾びれを光らせながら泳ぐ人魚は、これまで物語や夢の中の存在でした。
その幻想が、三亜では現実のパフォーマンスとして目の前に現れます。観客は、透明な水の中を自在に舞う「人魚」たちのダンスを、競技として楽しむことができるのです。
三亜で開かれた国際大会 China Mermaid Open
このマーメイド競技は、2024年に海南省のリゾート施設・アトランティス三亜で開催された 2024 China Mermaid Open Grand Final と、初めてのアジアカップでクライマックスを迎えました。
大会には、中国本土、韓国、シンガポール、マレーシア、タイなど、アジアを中心とする各国・地域から70人以上のアスリートが参加しました。水中で尾びれをつけて演技する姿は、芸術性と競技性を兼ね備えた新しい「水のスポーツ」として注目を集めました。
マーメイド競技とはどんなスポーツか
選手たちはカラフルな尾びれを身につけ、息を止めながら水中で回転したり、ポーズを決めたりしながら、音楽に合わせて演技します。一般的には、次のようなポイントが重視されます。
- 泳ぎの技術や安定した息止めなどの水中スキル
- 動きの美しさや表現力といったアート性
- チームでのシンクロ(同調性)や構成の工夫
フィギュアスケートやアーティスティックスイミングの「海バージョン」とも言えるスタイルで、観客は競技としての緊張感と、ショーとしての華やかさの両方を楽しめます。
海洋文化とダイビング普及への新しい入り口
この大会の狙いは、単に見て楽しいショーを提供するだけではありません。中国水上運動管理部の部長である劉青氏は、CGTNのインタビューで、マーメイド競技が持つ広い意味を語っています。
劉氏は「こうした大会を通じて、より多くの人にダイビングに親しんでもらい、海洋文化と水上スポーツの発展を促したい」と話します。そのうえで、次のような役割を挙げています。
- 海に触れるきっかけを増やし、ダイビング人口を広げる
- 子どもや若い世代に、海や海洋生物への興味を持ってもらう
- 海に関する知識や環境保護の重要性を伝える教育的な役割
- 海洋分野の人材育成につなげ、中国の海洋強国ビジョンを支える
つまりマーメイド競技は、スポーツでありながら、海を学び、海を好きになるための入り口としても期待されているのです。
アジアをつなぐソフトな国際交流の場に
今回のアジアカップには、アジア各地から選手が集まりました。言語や文化の違いを超えて、水と表現を共通言語に交流が生まれる点も、この大会の大きな特徴です。
競技を通じて、選手同士が練習方法や演技のアイデアを共有したり、観客が他の国や地域の選手を応援したりすることで、自然なかたちで文化交流が進みます。スポーツとエンターテインメントを組み合わせたソフトな国際交流は、今後の国際イベントの一つのモデルになっていきそうです。
「次に会える人魚」はどこから生まれるか
三亜での大会は、マーメイド競技が本格的なスポーツとして成立しうることを示しました。リゾート地や水族館など、水に親しむ場所を持つ都市にとっても、新しい観光コンテンツになりうる分野です。
日本を含むアジアの国々でも、水中パフォーマンスや海洋教育への関心が高まるなかで、マーメイドをテーマにしたイベントや教室がさらに増えていく可能性があります。競技としてのレベルアップと同時に、海を大切にする意識をどう育てていくかも、これからの大きなテーマになりそうです。
夜、ふと目を閉じたときに思い浮かべる人魚の姿は、もはや絵本や映画の中だけの存在ではありません。三亜のプールで躍動するマーメイドたちのダンスオフは、私たちの海の未来や、アジアのつながりを静かに映し出しているのかもしれません。
Reference(s):
Sanya hosts magical mermaid dance-off as enchantment comes to life
cgtn.com








