NHLで中国本土出身初の契約選手 ケビン・Heが切り開く新しい道
NHLで新しい歴史が生まれました。中国本土出身のフォワード、ケビン・He選手がウィニペグ・ジェッツと3年間のエントリーレベル契約を結び、中国本土で生まれた選手として初めてNHLチームと正式に契約したと伝えられています。
ケビン・Heとは? 中国本土生まれ初のNHL契約選手
ケビン・He選手は、中国の首都・北京で生まれた18歳のフォワードです。2024年のNHLドラフトで、ウィニペグ・ジェッツから4巡目で指名されました。この指名は、中国本土で生まれた選手として史上最高位の指名でした。
その後、ジェッツと3年契約となるエントリーレベル契約を結び、中国本土出身選手として初めてNHLチームとの契約に到達しました。単なるドラフト指名にとどまらず、実際の契約までたどり着いた点に、このニュースの大きな意味があります。
北京生まれ、モントリオールで育ったグローバルなキャリア
He選手は幼少期を北京で過ごしましたが、6歳のときに家族とともにカナダのモントリオールへ移住しました。モントリオールで初めて本格的なチームスポーツとしてのアイスホッケーを経験し、そこで競技生活が本格的に始まります。
北米で育ったことで、NHLを頂点とするホッケー文化を間近に感じながら、技術とフィジカルを磨いてきたと言えます。中国本土にルーツを持ちながら、北米で育ったというバックグラウンドは、グローバルなスポーツキャリアの一つのモデルとも言えるでしょう。
OHLナイアガラ・アイスドッグスでの実績
契約が報じられた時点で、He選手は北米のジュニアリーグであるオンタリオ・ホッケー・リーグ(OHL)のナイアガラ・アイスドッグスで3シーズン目を戦っていました。
今季のここまでの成績は29試合で23ゴール、20アシストの合計43ポイントと、チームの攻撃をけん引する数字を残しています。さらに10月にはチームキャプテンに指名され、プレーだけでなくリーダーシップの面でも信頼を勝ち取っていることが分かります。
若くして主力かつキャプテンを任されるという事実は、NHLチームが将来性を高く評価する大きな材料となります。ウィニペグ・ジェッツがエントリーレベル契約に踏み切った背景には、こうした実績と成長曲線があったと考えられます。
先駆者ソン・アンドンから、次のステージへ
中国本土出身選手のNHLへの道を語るうえで、ソン・アンドン選手の存在も欠かせません。ソン選手は2015年のNHLドラフトで、ニューヨーク・アイランダーズから6巡目指名を受け、中国本土で生まれた選手として初めてドラフト指名された先駆者です。
ただし、ソン選手はエントリーレベル契約には至りませんでした。そのため、ドラフト指名から実際のNHLチームとの契約にまで進んだHe選手は、先駆者が切り開いた道をさらに一歩前進させた存在と言えます。
ドラフト指名と契約は似ているようでいて、意味合いが異なります。指名は「将来の権利を確保する段階」であり、契約は「プロとしての具体的なスタートラインに立つ段階」です。今回の契約は、そのスタートラインに中国本土出身選手が初めて立ったという象徴的な出来事です。
アジアのアイスホッケーにとっての意味
He選手のNHL契約は、中国本土にとどまらず、アジア全体のアイスホッケーにとっても大きな出来事です。中国本土出身の選手がNHLと正式契約を結んだという事実は、若い世代にとって「自分もできるかもしれない」という具体的なイメージにつながります。
また、アジア出身選手の存在感が高まることで、NHLを含む北米スポーツ界における多様性もさらに広がっていきます。グローバル化が進むスポーツ界では、こうした背景を持つ選手の台頭が、リーグの新たな魅力につながる側面もあります。
日本のホッケーファンや、これから競技を始めようとしている子どもたちにとっても、He選手の歩みは「アジア発のチャレンジ」の一つのモデルになるかもしれません。
これから注目したいポイント
今後、注目したいポイントを整理すると、次のようになります。
- NHLでのトレーニングキャンプや下部組織で、どのポジションと役割を任されるか
- OHLでの成績やキャプテンとしての経験が、プロでどう生かされるか
- 中国本土やアジアでのアイスホッケー普及に、どのような影響を与えていくか
He選手のキャリアはまだ始まったばかりです。中国本土出身初のNHL契約選手として、どのように自らの道を切り開いていくのか。国際ニュースとしての視点だけでなく、アジア発のスポーツストーリーとして、これからも追いかけていきたい存在です。
Reference(s):
Kevin He becomes first player born in China to sign with NHL team
cgtn.com








