ロバーツがBMXフリースタイル5連覇 中国勢は2〜6位独占の快進撃
アラブ首長国連邦アブダビで行われたBMXフリースタイルのアーバンサイクリング世界選手権で、アメリカのハンナ・ロバーツが女子種目を制し、前人未到の5連覇を達成しました。一方で中国勢が2位から6位を独占し、この競技での存在感を改めて示しました。
パリ五輪8位からの鮮やかな巻き返し
ロバーツは、2024年パリ夏季五輪の女子BMXフリースタイルで8位に終わり、本人にとっては悔しい結果となっていました。しかし今季の世界選手権では、そのイメージを一気に塗り替える演技を披露しました。
決勝1本目で記録した95.70点は、その後どの選手も届かない圧倒的なスコアでした。さらに2本目でも94.58点をマークし、このスコアだけでも優勝に十分という完璧な内容。東京五輪の銀メダリストであるロバーツは、BMXフリースタイルが世界選手権に採用された2017年以降、7大会中6度の世界タイトルを手にしたことになります。
中国勢が2位から6位を占める快進撃
女子決勝では、中国がランキング上位をほぼ独占しました。特に印象的だったのが、銀メダルの孫思蓓(スン・スベイ)と銅メダルの范暁彤(ファン・シャオトン)です。
孫は1本目で94.06点をマークし、ロバーツに迫るハイスコアを出しましたが、2本目の序盤で転倒し、得点を伸ばすことはできませんでした。それでも、世界選手権の大舞台で90点台を叩き出したことは、中国勢のレベルの高さを象徴する結果と言えます。
最終的に、中国は女子決勝で2位から6位までの5つの順位を固め、層の厚さをアピールしました。アジア発のBMXフリースタイル強豪国としてのポジションを、さらに確かなものにしつつあります。
点数が示す「別次元」のトップ争い
今回の結果をスコアだけで見ても、ロバーツと中国勢が一段抜けた争いをしていたことが分かります。
- ロバーツ(アメリカ):1本目95.70点、2本目94.58点
- 孫思蓓(中国):1本目94.06点、2本目は転倒でスコア更新ならず
- 范暁彤(中国):安定したライディングで銅メダル
ロバーツの2本のランはいずれも94点台以上で、他の選手のベストスコアを上回りました。一方で、中国勢も90点台に迫る演技を連発しており、女子BMXフリースタイルが急速にハイレベル化していることがうかがえます。
不在のパリ五輪女王・鄧雅文とベネガス
今回の世界選手権には、パリ五輪の金メダリストである鄧雅文(デン・ヤーウェン)と、銀メダリストのペリス・ベネガスは出場しませんでした。シーズン最終戦となる大会で、両者の不在は大きなトピックの一つでした。
その一方で、ロバーツはタイトル奪還に成功し、中国勢は表彰台と上位を固めました。パリ五輪の結果と今回の世界選手権の結果を並べて見ると、女子BMXフリースタイルの勢力図は固定されたものではなく、シーズンごとに顔ぶれや順位が入れ替わるダイナミックな状況にあることが分かります。
これからの女子BMXフリースタイルを見る視点
今回のアブダビ大会から、いくつかのポイントが見えてきます。
- ロバーツは依然として「世界選手権の女王」として頂点に君臨している
- 中国勢は複数の選手が上位を争える段階に入り、層の厚さで存在感を増している
- 五輪と世界選手権でメダルの顔ぶれが入れ替わることで、競技全体のレベルと緊張感が高まっている
女子BMXフリースタイルは、技の難度だけでなく、メンタルの強さや安定感も勝敗を左右する競技です。1本目で高得点を出しても、2本目のわずかなミスで流れが変わることもあります。今回のロバーツのように、五輪で悔しい経験をした後に、世界選手権で圧勝するストーリーも、この競技の魅力の一つと言えるでしょう。
日本ではまだ、BMXフリースタイルの国際大会が大きく報じられる機会は多くありません。しかし、アジア勢の台頭やスター選手たちのドラマが積み重なることで、今後、世界的な注目度がさらに高まっていく可能性があります。次のシーズン、そして次の五輪サイクルに向けて、女子BMXフリースタイルの動きに注目していきたいところです。
Reference(s):
Roberts dominates BMX Freestyle as China shines at World Championships
cgtn.com








