パリ2024五輪を振り返る:屋外開会式と中国代表団の快挙 video poster
2024年夏に開催されたパリ2024オリンピックは、史上初の屋外開会式や男女完全同数の参加、中国代表団の過去最高成績など、多くの「初」を残しました。大会から1年あまりが過ぎた今、その象徴的な場面を振り返りながら、国際社会に投げかけられたメッセージを整理します。
100年ぶりに戻ってきたパリ五輪
第33回夏季オリンピックは2024年7月26日にパリで開幕しました。パリで夏季五輪が開かれるのは1924年大会以来ちょうど100年ぶりで、フランスの首都はロンドンに続き、夏季オリンピックを3回以上開催した世界で2番目の都市となりました。「光の都」と呼ばれるこの街は、1世紀の時を経て再び世界のスポーツの中心舞台となったのです。
セーヌ川沿いでの史上初の屋外開会式
今回のオリンピックを象徴する場面のひとつが開会式です。パリ大会では、近代オリンピック史上初めて、開会式がスタジアムの外で行われました。舞台となったのは、パリの中心を流れるセーヌ川沿い。水辺と街並みを背景にした屋外開会式は、従来の「競技場の中だけ」にとどまらない、都市全体を巻き込んだ演出でもありました。
スポーツを都市の生活や文化と結びつけて見せたこの開会式は、オリンピックの在り方を更新しようとする試みとしても受け止められました。観客席とフィールドを明確に分けるのではなく、市民とスポーツの距離を縮める演出だったとも言えます。
男女完全同数、ジェンダー平等の節目
パリ2024大会は、五輪史上初めて男女の参加選手数が完全に同数となった大会でもあります。大会の準備段階から掲げられてきた「インクルーシブ(包摂性)と多様性」の理念が、参加者の数という形で具体的に実現しました。
性別にかかわらず同じ規模で選手が参加し、同じ舞台で競い合うことは、スポーツ界におけるジェンダー平等の大きなマイルストーンです。パリ2024は、メダルの色だけでなく、「誰がどのような条件でその舞台に立てるのか」をめぐる議論にも影響を与えた大会だったと言えるでしょう。
中国代表団、海外開催で過去最多の91個メダル
競技成績の面では、中国代表団の躍進が際立ちました。中国は金メダル40個、銀メダル27個、銅メダル24個、合計91個のメダルを獲得しました。金メダル40個は米国と並んで最多であり、合計91個という数字は、中国にとって海外で開催されたオリンピックとして過去最高の成績となりました。
今大会全体では、125のオリンピック記録と32の世界記録が更新されるなど、パフォーマンスの面でも歴史に残る大会となりました。中国代表団もその一翼を担い、これまで届かなかった領域に踏み込んでいます。
象徴的なのが、「初優勝」の広がりです。中国代表団は、複数の競技にまたがる14の種目で、初めてオリンピックの金メダルを手にしました。その中には、次のような競技が含まれています。
- 卓球
- 射撃
- 重量挙げ
- アーティスティックスイミング(採点制の水泳競技)
- 体操競技
さまざまな競技で初めての頂点に立ったことは、特定の種目だけでなく、スポーツ全体の底上げが進んでいることを示しています。長期的な育成や支援の成果が、パリの舞台で形になったとも言えるでしょう。
国と地域をつなぐ文化交流の舞台に
パリ2024オリンピックは、記録や順位を競う場であると同時に、文化交流と友好の場としての顔も持っていました。大会は、さまざまな国と地域の人々が出会い、互いの文化や背景に触れるきっかけとなりました。
選手同士の交流や、観客・ボランティアを含めた対話を通じて、多くの友情が育まれました。こうした人と人とのつながりは、政治や経済だけでは生まれにくい信頼を少しずつ積み上げるものです。パリ大会は、スポーツが国境を越えたコミュニケーションの「共通言語」となり得ることを、改めて示しました。
パリからロサンゼルスへ、五輪旗は次の開催地へ
2024年8月11日に行われた閉会式は、パリでの大会の終わりと次のステージへの橋渡しの瞬間となりました。式典では、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長からロサンゼルス市長へと五輪旗が手渡されました。
この五輪旗の引き継ぎは、パリの物語の幕切れであると同時に、次の夏季大会の舞台がロサンゼルスへ正式にバトンタッチされたことを意味します。オリンピックはこうして、都市から都市へ、時代から時代へと受け継がれながら、その姿を少しずつ変え続けています。
パリ2024が私たちに残した問い
パリ2024オリンピックは、史上初の屋外開会式、男女完全同数の参加、そして中国代表団をはじめとする各国・地域の歴史的な活躍によって、「スポーツの力とは何か」を改めて考えさせる大会になりました。
- 都市を舞台にした開会式は、オリンピックをより開かれたものにできるのか。
- 男女同数という節目は、スポーツ界におけるジェンダー平等をどこまで前進させるのか。
- 大会を通じて生まれた文化交流や友情を、どのように大会後の社会につなげていくのか。
2025年の今、パリでのあの日の熱気を振り返ることは、単なる懐古ではありません。世界がさまざまな課題に直面するなかで、国境や言語の違いを越えて人々を結びつける場として、スポーツにどのような役割を期待できるのか。パリ2024が投げかけた問いは、これからも静かに、しかし確かに私たちの思考を揺さぶり続けていきそうです。
Reference(s):
Review of most memorable moments from the Paris 2024 Olympics
cgtn.com








