EFLカップ準決勝第1戦、トッテナムがリバプールを撃破
イングランド・リーグカップ(EFLカップ)準決勝第1戦で、トッテナム・ホットスパーが保持者リバプールを1-0で下しました。決勝弾を決めたのは、18歳のルーカス・ベルグヴァル。トッテナム加入後初ゴールが、ビッグクラブを相手にした劇的な一撃となりました。
18歳ベルグヴァルの一撃で保持者リバプールを撃破
試合終盤までスコアレスが続いた一戦を動かしたのは、若きスウェーデン人MFベルグヴァルでした。86分、リバプール守護神アリソンの守るゴールを突き破るような鋭いシュートを決め、トッテナムに先制点をもたらしました。
このゴールは、負傷者が相次ぐトッテナムにとってまさに「ご褒美」のような一撃でした。その少し前には、リバプールのドミニク・ソランケのゴールが取り消されており、流れがどちらに転ぶか読めない時間帯でしたが、最後に笑ったのはホームのトッテナムでした。
ベルグヴァルは、リーグカップでのトッテナム最年少得点者として知られるガレス・ベイル以来の若さで得点を記録し、その評価の高さをあらためて証明しました。
負傷者続出のトッテナムにとって大きな1勝
トッテナムはここまでの公式戦14試合でわずか3勝と苦しみ、アンジェ・ポステコグルー監督のチームは負傷者にも悩まされてきました。この試合でも、ロドリゴ・ベンタンクールが序盤に倒れ込んで担架で運び出されるアクシデントが発生し、嫌なムードが漂いました。
さらに、新加入のGKアントニン・キンスキがこの試合でデビューを果たすなど、守備陣も手探りの構成。それでも、チーム全体で集中した守備を見せ、強力なリバプール攻撃陣をシャットアウトしました。
ポステコグルー監督はシーズン当初、「自分はどのクラブでも2年目にタイトルを取ってきた」と語っていましたが、最近の結果不振でその言葉にプレッシャーがかかっていました。今回の勝利は、その重圧を一時的に和らげる意味でも非常に大きいと言えます。
リバプールの24試合無敗がストップ
一方のリバプールは、公式戦24試合無敗という勢いを誇り、昨シーズンにはチェルシーを破って大会史上最多となる10度目の優勝を果たしていました。しかしこの日は、その強さを出し切れませんでした。
ボール支配では優位に立ちながらも、決定機を生かし切れず、全体としてはどこか精彩を欠く内容。クリスマス前のプレミアリーグではトッテナム相手に6-3の大勝を収めていましたが、そのときの迫力ある攻撃は影を潜めました。
判定をめぐる議論も
試合後、注目を集めたのはベルグヴァルのゴールだけではありません。彼はすでにイエローカードを受けていたなかで、リバプールのコスタス・ツィミカスへのファウルを犯しましたが、主審は2枚目のイエローを出しませんでした。その直後にベルグヴァルが決勝ゴールを決めたことで、この判定をめぐって議論が広がりました。
リバプール主将のフィルヒル・ファン・ダイクは、試合後のコメントで「退場になっていてもおかしくなかった」と不満を示し、このシーンが試合の分岐点になったとの見方を示しています。ただし、90分を通して結果を手繰り寄せたのはトッテナムであり、判定も含めてカップ戦の流れの難しさを象徴する試合となりました。
それでもリバプールは「逆転可能」と自信
アルネ・スロット監督が率いるリバプールにとって、これは今季わずか2度目の黒星に過ぎません。内容面に課題は残ったものの、2戦合計スコアで争う準決勝での敗戦が1点差であることを考えれば、まだ十分に巻き返しの余地はあります。
第2戦は来月、リバプールの本拠地アンフィールドで行われる予定です。アンフィールドは、数々の逆転劇を生んできた難攻不落のスタジアムとして知られています。ホームでの後半戦を控えるリバプール側には、「このビハインドはひっくり返せる」という自信もあるでしょう。
トッテナムにとっては、1-0という細いリードを守り切るのか、さらに追加点を狙って攻撃的に出るのか、戦い方の選択が問われます。負傷者が多い中で、どこまで同じ強度を2戦目でも維持できるかが焦点となりそうです。
もう一つの準決勝ではニューカッスルが先勝
同じ準決勝のもう一カードでは、ニューカッスル・ユナイテッドがアーセナルのホームに乗り込み、第1戦を2-0で制しました。こちらの対戦でも、アウェー側が先勝する結果となっており、EFLカップ準決勝は両カードとも「番狂わせ気味」の展開になっています。
トッテナム対リバプール、アーセナル対ニューカッスルという4クラブが争う今季のリーグカップは、プレミアリーグの上位争いとも密接に絡む顔ぶれです。その中で、若手の台頭やベテランのリーダーシップ、そして判定をめぐるドラマなど、多層的なストーリーが生まれています。
カップ戦が見せる「一発勝負」の怖さと面白さ
今回のトッテナム対リバプールのように、カップ戦では1点や一つの判定が試合全体、さらにはシーズンの流れすら左右することがあります。リーグ戦では安定した強さを見せるチームでも、短期決戦では思わぬつまずきを見せることがあるからです。
18歳の若手が歴史あるビッグクラブを相手に決勝点を挙げ、保持者が連続無敗を止められる──。こうした「物語性」は、国際サッカーのニュースとしても十分に追う価値があります。第2戦アンフィールドでの再戦では、どのようなドラマが待っているのか。短いスキマ時間でも追いかけたくなるカードと言えそうです。
日本からサッカーを観る私たちにとっても、EFLカップは若手のブレイクや戦術の変化をいち早く知る「実験場」のような大会でもあります。ベルグヴァルのような新星が、今後どこまで飛躍していくのか。今回の準決勝は、その第一章となるかもしれません。
Reference(s):
Tottenham Hotspur defeat Liverpool in first leg of EFL Cup semifinals
cgtn.com








