全豪オープン2025:ジョコビッチが10代新星に逆転勝ち、アルカラスは快勝発進
テニスの四大大会・全豪オープン2025で、24回のグランドスラム優勝を誇るノバク・ジョコビッチが、10代の新星に先にセットを奪われながらも逆転勝ち。新コーチとしてアンディ・マレーを迎えた初戦から、ベテランの底力と新体制の手応えを示しました。同じ日に、カルロス・アルカラスもストレート勝ちで生涯グランドスラムへ向けて好スタートを切っています。
ジョコビッチ、新コーチ・マレーと苦しみながら白星発進
男子シングルス1回戦で、ジョコビッチはアメリカのニシェシュ・バサバレッディと対戦しました。相手は19歳で、先月スタンフォード大学を離れてプロ転向したばかり。グランドスラム本戦は今回が初めてというフレッシュな存在です。
試合はジョコビッチが第1セットを4-6で落とす波乱の立ち上がり。しかし、そこから6-3、6-4、6-2と立て直し、最終的には4-6、6-3、6-4、6-2で逆転勝利を収めました。11度目の全豪タイトルと、男子単独最多となる25回目のグランドスラム優勝を目指す挑戦が、危なげなくとは言えない形で幕を開けました。
19歳新星バサバレッディに主導権を握られる序盤
ランキング107位のバサバレッディは、序盤から積極的なフォアハンドでジョコビッチを押し込み、第1セットを奪取。ジョコビッチはリターンゲームでもなかなかブレークチャンスをものにできず、スタジアムには「もしかすると番狂わせも」という空気が広がりました。
流れが変わったのは、試合開始から約1時間半が経過したあたりの重要なブレークポイントの場面です。バサバレッディのフォアハンドがわずかにワイドに外れると、ジョコビッチは雄叫びを上げ、拳を握りしめ、耳に手を当てるおなじみのジェスチャーで観客の反応を促しました。ここから一気にギアが上がり、試合の主導権を取り戻していきます。
一方のバサバレッディは、ポイント間で足を気にする素振りを見せ始め、第3セット前にはメディカルタイムアウトも取得。10代らしい勢いとともに、グランドスラムのフィジカルとメンタルの厳しさも突きつけられる形となりました。
「21シーズン連続」で示したレジェンドの継続力
この勝利により、ジョコビッチは男子シングルスで少なくとも1勝を挙げたシーズンが通算21シーズンに到達しました。オープン化以降でこれを上回るのは、22シーズンで記録しているロジャー・フェデラーだけです。
10代から活躍を続け、30代後半になってなお四大大会の優勝候補として大会に臨み続けること自体が異例です。年齢を重ねる中で、どのように身体とメンタルをマネジメントし、プレースタイルを微調整し続けているのか。国際ニュースとしての結果だけでなく、「長くトップであり続けるとはどういうことか」という視点でも注目を集めています。
ジョコビッチは次戦、ポルトガルの予選勝者、ジャイメ・ファリアと対戦します。情報の少ない相手だけに、初戦以上に準備力と対応力が問われそうです。
20年来のライバルが同じ側へ マレーとの新コンビ
今大会でもう一つ注目を集めているのが、ジョコビッチとアンディ・マレーの新コンビです。2人は12歳の頃からのライバルで、プロになってからも何度もグランドスラム決勝で激突してきた同世代。そんなマレーが、今年夏のパリ五輪で引退した後、コーチとしてジョコビッチのサイドに座ることになりました。
試合中、両者のやりとりは必要最小限でしたが、第4セット前には少し長めの会話を交わす場面もありました。ジョコビッチは試合後、「彼が自分のコーナーにいるのは少し不思議な感覚だった」「20年以上、最高レベルで戦ってきた相手と同じ側に立てるのは素晴らしい」と語り、試合中にも有益なアドバイスがあったことを明かしています。
トップレベルで戦ってきた視点を共有することで、試合の「読み」や大事なポイントの組み立てがどう変わるのか。世代を代表するライバル同士がタッグを組む構図は、今後もテニスファンの関心を集めそうです。
アルカラスはストレート勝ち 生涯グランドスラムへ一歩
同じく男子シングルス1回戦では、スペインのカルロス・アルカラスがカザフスタンのアレクサンダー・シェフチェンコに6-1、7-5、6-1でストレート勝ち。全豪オープン初優勝と、生涯グランドスラム(四大大会すべてで優勝すること)の達成に向けて、危なげないスタートを切りました。
21歳にしてすでに四大大会で4度の優勝を経験しているアルカラスですが、メルボルンでのタイトルだけはまだ手にしていません。初戦ではやや緊張した立ち上がりも見られたものの、第1セット中盤からは鋭いフォアハンドとコート全体をカバーするフットワークが戻り、試合を完全にコントロールしました。
新世代を象徴するプレースタイル
アルカラスのテニスは、攻撃的なショットと柔らかいタッチ、そして前後左右に揺さぶる配球を組み合わせた、いわば「ハイブリッド型」です。これまでのビッグ4とは異なる形で、パワーと多様性を両立させている点が、新世代の象徴として語られます。
今大会で全豪オープンのタイトルを手にすれば、男子史上最年少で四大大会すべてを制した選手となる可能性もあり、その一挙手一投足が注目されています。
第10シード・ディミトロフが途中棄権、上位勢に波乱
一方で、上位シードに早くもアクシデントが発生しました。第10シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)が、イタリアのラッキールーザー、フランチェスコ・パッサロとの試合中に負傷し、7-5、2-1とリードされた場面で途中棄権。今大会で最初に姿を消すトップ10選手となりました。
男子テニス界ではここ数年、世代交代が語られ続ける一方で、ベテラン勢の粘りも健在です。ディミトロフの離脱がドロー全体にどのような影響を与えるのか、今後のカードの組み合わせにも注目が集まりそうです。
注目ポイント:ベテランと新世代が交差する全豪オープン
ジョコビッチ、アルカラス、そして19歳のバサバレッディ。今回の全豪オープン2025の1回戦だけを見ても、男子テニスの「世代の重なり」がはっきりと現れています。
- 30代後半でも優勝候補であり続けるジョコビッチの継続力
- 20代前半で四大大会を複数制し、新しいスタイルを提示するアルカラス
- 大学を経てプロ転向し、いきなりグランドスラムでトップ選手を追い詰める10代の新星
スポーツとしてのテニスを見るだけでなく、「長く第一線に立ち続けるキャリア」と「新しい世代が台頭するダイナミズム」が同じコート上で交差していることも、国際ニュースとしての面白さの一つです。
全豪オープン2025はまだ序盤ですが、ジョコビッチとアルカラスという二人の軸を中心に、どのようなストーリーが生まれていくのか。大会が進むにつれ、さらに多くのドラマが生まれることになりそうです。
Reference(s):
Djokovic survives Australian Open scare, Alcaraz reaches second round
cgtn.com








