ショーン・マーフィー、10年ぶりトリプルクラウン制覇 マスターズ決勝でウィルソン撃破
ショーン・マーフィーが10年ぶりトリプルクラウン制覇
スヌーカーのジョンストーンズ・ペイント・マスターズ決勝がロンドンのアレクサンドラ・パレスで行われ、ショーン・マーフィーがカイレン・ウィルソンを10−7で下し、約10年ぶりとなるトリプルクラウンタイトルをつかみました。
6−2リードから一時1フレーム差まで迫られる展開
オールイングランド対決となったこのマスターズ決勝で、マーフィーは第1セッションを6−2とリードして折り返しました。しかし後半、ウィルソンが粘り強い追い上げを見せます。
第13フレームから第15フレームまでの3フレームで、マーフィーが獲得したのはわずか1点。ウィルソンは78点と65点のビッグブレイクを決め、スコアを8−7と1フレーム差にまで詰め寄りました。
勝負を分けた第16フレームと締めのセンチュリー
勝負の分かれ目となったのは第16フレームでした。ウィルソンは難しいロングのレッドを狙いますが、これを外してしまいます。このチャンスを逃さなかったマーフィーが55点のブレイクを組み立て、リードを9−7に広げました。
最大で残り3フレームという状況で迎えた次のフレームでも、マーフィーは圧巻のプレーを披露。100点のブレイクを決め、この試合4本目となるセンチュリー(100点以上のブレイク)で勝負を締めくくりました。
「トリプルクラウンはもう無理だと思っていた」42歳の本音
試合後、42歳のマーフィーは「本当に信じられない。今もショック状態だ」と振り返りました。「正直、トリプルクラウンのタイトルを争う日々はもう終わったと思っていた。悪い負け方が多すぎて、ポケットの中に悪魔が見え始めていた」と、ここ数年の苦境を率直に語っています。
特に、2015年の世界選手権決勝での敗戦、そして2021年の決勝での敗戦は大きな傷として残っていたといいます。「2015年の世界選手権決勝の負けは本当にこたえたし、2021年の負けも精神的に大きなダメージになった」と話し、今回の優勝が過去の痛みを乗り越える一歩になったことをにじませました。
ネガティブスパイラルからの脱出 鍵はメンタルの立て直し
マーフィーは復活の背景として、ピーター・エブドンとの取り組みを挙げています。「ピーター・エブドンと一緒にやってきたことが、自分を救ってくれた。自分はネガティブなスパイラルに陥っていたからだ」と語りました。
「彼が最初に取り組みたがったのは、『自分にはまだやれる力がある』という信念を取り戻させることだった。3大会を一緒に戦って、もう優勝できた」とも話し、メンタル面の再構築が結果につながったと強調しています。
マーフィーは今大会前に、練習と準備に多くの時間を費やし、「とても良いメンタルの状態でここに来ることができた」と述べています。決勝前日には、自身にとって長年の夢だった147点(15個すべてのレッドと全カラーを沈めるマキシマムブレイク)も達成しており、「トロフィーを手にしている今は、人生で最高の日の一つだ」と喜びを語りました。
4つ目のトリプルクラウンと、マスターズ複数回制覇の意義
今回のトロフィーは、マーフィーにとって4つ目のトリプルクラウンタイトルとなります。これまでにマーフィーは、2005年の世界選手権、2008年のUK選手権、2015年のマスターズで優勝しており、今大会のマスターズ制覇がそのコレクションに加わりました。
さらに、マーフィーはマスターズを複数回制した史上12人目の選手となりました。長いキャリアの中で再びトリプルクラウンの舞台に戻り、タイトルを手にした今回の優勝は、ベテランが自らの限界を更新する象徴的な出来事と言えそうです。
結果だけを見れば10−7のスコアですが、その裏にはメンタルの揺らぎ、過去の悔しさ、そして信念の再生という物語があります。スヌーカーの国際ニュースとしてだけでなく、「諦めないキャリアの築き方」という点でも、多くの読者にとって示唆に富む一戦だったのではないでしょうか。
Reference(s):
Murphy beats Wilson to claim his first Triple Crown title in a decade
cgtn.com








