初のオリンピックeスポーツゲームズ、サウジでの開催を2027年に延期
国際オリンピック委員会(IOC)は、初開催となるオリンピックeスポーツゲームズの開催地をサウジアラビア・リヤドとし、当初予定していた2025年から2027年へと日程を変更すると発表しました。あわせて、2025年から大会に向けた予選や関連イベントのロードが始まる見通しです。
今回の発表のポイント
IOCが発表した内容を整理すると、次のようになります。
- 初のオリンピックeスポーツゲームズは、2027年にサウジアラビアの首都リヤドで開催される予定
- 大会はもともと2025年に実施される計画だったが、スケジュールが見直され2027年開催に
- IOCはサウジアラビアのオリンピック・パラリンピック委員会と協力して大会を運営
- Esports World Cup Foundation(EWCF)が創設パートナーとして参画し、ゲーム選定や競技形式で専門性を提供
- 大会に向けた予選やシリーズイベントなどのロードは、2025年からスタートする計画
オリンピックeスポーツゲームズとは
オリンピックeスポーツゲームズは、IOCが新たに立ち上げるeスポーツの国際大会です。IOCの理事会は、第142回IOC総会でこの大会の創設を全会一致で決定しました。
IOCは、従来のスポーツとデジタル競技であるeスポーツの「橋渡し」の場として、この大会を位置づけています。ゲームタイトルの選定や競技のフォーマット(大会の形式)については、EWCFの知見を活用しながら設計していくとされています。
なぜ延期して準備期間を取るのか
IOCとEWCFは、eスポーツの「健全性」「持続可能性」「成長」を重視する姿勢を示しています。両者は世界中の関係者と連携し、国や地域をまたいで通用する予選方式や出場資格の基準を整える方針です。
eスポーツはタイトルごとに文化やルールが異なり、プロシーンの成熟度も地域によってさまざまです。そうした多様性を踏まえたうえで、「オリンピック」の名を冠する大会としてどのような形にまとめるかは、大きな課題だと言えます。2025年からのロードと2027年開催というスケジュールは、その調整に時間をかける選択だと見ることもできます。
リヤド開催と共同委員会の役割
開催地はサウジアラビアの首都リヤドと発表されています。IOCは、サウジアラビアのオリンピック・パラリンピック委員会とパートナーシップを結び、会場整備や運営体制の構築を進めていきます。
大会準備のかじ取り役として、IOC委員のNg Ser Miang氏が議長、Abdulaziz bin Turki Al Faisal王子が共同議長を務める共同委員会も設置されました。この委員会が、大会の競技構成や運営の基本方針、どの種目を採用するかといった重要事項を検討していくことになります。
サウジアラビア側は、これまでに開催してきたサッカー、モータースポーツ、テニス、馬術、ゴルフなどの人気イベントに加え、eスポーツも国内外の注目を集める分野として位置づけたい考えを示しています。
IOCとeスポーツの距離はどう変わるか
今回の発表では、EWCFが創設パートナーとして参加し、ゲーム選定や大会の構造を担うことが明らかになりました。これは、既存のeスポーツシーンの知見を取り込みながら、オリンピックらしい大会運営を模索する試みと見ることができます。
一方で、eスポーツにはさまざまなタイトルがあり、ゲーム会社の権利やビジネスモデルもそれぞれ異なります。IOCが掲げる「オリンピック・ムーブメント」と、既存のeスポーツコミュニティの文化をどう調和させるかは、今後の大きな焦点となりそうです。
選手とファンにとってのロードマップ
IOCのトーマス・バッハ会長は、オリンピックeスポーツゲームズに向けて「歴史上初めてとなる明確なロードマップ」が示されたとし、2025年から始まるロードによって大会が現実のものになっていくと強調しました。
今後想定される注目ポイントとしては、次のようなものがあります。
- どのゲームタイトルや競技種目が大会の正式プログラムに選ばれるのか
- 世界各地域でどのような予選・選考プロセスが設けられるのか
- プロ選手だけでなく、広い層のプレーヤーをどう取り込むのか
- オンラインとオフライン(現地会場)のバランスをどう設計するのか
これらの設計次第で、大会が限られたトップレベル競技者だけの舞台になるのか、多くのプレーヤーやファンが関われる開かれた仕組みとなるのかが変わってきます。
2027年の初開催に向けて、私たちが注目したいこと
初のオリンピックeスポーツゲームズが2027年にリヤドで開かれるまでの約2年間は、オリンピックとeスポーツの関係が具体的な形になっていくプロセスそのものです。
その変化をニュースや公式発表を通じて追いかけることで、次のような問いを自分なりに考えるきっかけにもなりそうです。
- eスポーツはどのような条件を満たせば「オリンピック競技」と言えるのか
- デジタル時代のスポーツ観戦は、スタジアムだけでなくオンラインでどう体験されるのか
- プレーヤー、観客、運営の三者が納得できる大会のあり方とは何か
2027年に向けたロードマップは、ゲームが好きな人だけでなく、スポーツのこれからに関心のあるすべての人にとって、考える材料を提供してくれそうです。
Reference(s):
Inaugural Olympic Esports Games in Saudi Arabia postponed to 2027
cgtn.com








