IOC総会が古代オリンピアで開幕 次期会長選挙で世界スポーツはどう変わる?
国際オリンピック委員会(IOC)の第144回総会が、古代オリンピック発祥の地ギリシャ・オリンピアで開幕しました。会議は、木曜日に予定されている次期IOC会長の選挙でクライマックスを迎えます。世界スポーツの「最も影響力のあるポスト」を誰が握るのか、注目が集まっています。
古代オリンピアで開幕した第144回IOC総会
今回のIOC総会は、古代競技場近くのオリンピック・アカデミーで行われています。開幕にあたり、退任を控えたトーマス・バッハIOC会長は、IOC委員やギリシャのコンスタティノス・タソウラス大統領らを前にスピーチを行いました。
バッハ会長は、「この総会そのものが、私たちを古代の過去へといざなう神聖な巡礼です」と語り、さらに、「近代オリンピックの創設者ピエール・ド・クーベルタンへの敬意であり、そして新会長を選ぶことで未来への信頼を示す場でもあります」と強調しました。古代と現代、そして未来を意識したメッセージで、総会の幕開けを印象づけました。
世界スポーツの「最も影響力ある職」をめぐる争い
IOC会長の座は、世界のスポーツ界で最も強い権限と影響力を持つポストとされています。IOCは世界で最も裕福な複数競技のスポーツ組織であり、4年間で約70億ドルの収入を得ています。そのトップを誰が務めるかは、競技のあり方や大会の方向性に長期的な影響を与えることになります。
立候補する7人の候補者
今回の会長選挙には、次の7人が名乗りを上げています。
- デヴィッド・ラパルティアン氏:国際自転車競技連合の会長
- フアン・アントニオ・サマランチ・ジュニア氏:IOC副会長
- セバスチャン・コー氏:世界陸上競技連盟の会長
- カースティ・コヴェントリー氏:ジンバブエのスポーツ相で、元オリンピック水泳チャンピオン
- ファイサル・アル・フセイン王子:ヨルダン王室メンバー
- 渡辺守成氏:国際体操連盟の会長
- ヨハン・イリアシュ氏:国際スキー・スノーボード連盟の会長
明確な本命はいないとされますが、セバスチャン・コー氏、サマランチ・ジュニア氏、コヴェントリー氏の3人は、バッハ会長に近い存在として長く目されてきたことから、やや優位に立っているとの見方もあります。
投票するのは約100人のIOC委員
新会長を選ぶ投票には、各競技連盟のトップや各国オリンピック委員会の会長、王族、富豪らを含む約100人のIOC委員が参加します。彼らが木曜日に投票を行い、次のIOC会長が決まります。
新会長の任期は8年で、その後一度だけ4年の再選が可能です。最長12年にわたって世界スポーツ界の方向性を左右することになるため、一票の重みは非常に大きいといえます。
バッハ体制の12年と「次の12年」
トーマス・バッハ会長は、12年間にわたってIOCを率いてきました。バッハ会長は総会の演説で、過去の伝統と現代オリンピックの原点、そして未来への信頼を繰り返し強調し、自身が6月に退任することにも触れました。
バッハ体制の下で構築された収入構造や大会運営の枠組みを引き継ぐのか、それとも新しい方向性を打ち出すのか。今回選ばれる新会長は、「次の12年」をどうデザインするのかが問われることになります。
私たちは何に注目すべきか
日本を含む世界のスポーツファンやビジネス関係者にとっても、IOC会長選挙は見逃せない国際ニュースです。今回の総会と選挙では、少なくとも次の点に注目が集まります。
- 有力候補とみられるコー氏、サマランチ・ジュニア氏、コヴェントリー氏がどこまで支持を広げるか
- IOCの約70億ドル規模の収入を、新会長がどのような優先順位で配分していくのか
- オリンピックと国際スポーツが、伝統、商業性、社会的な役割のどこに重心を置いていくのか
日本語で国際ニュースを追う読者にとっても、古代オリンピアで行われる今回の総会は、過去への敬意と未来への選択が交差する場になっています。木曜日の投票結果は、これから10年以上続くオリンピックと世界スポーツの姿を大きく形づくることになりそうです。
Reference(s):
IOC Session opens in ancient Olympia as Presidential election looms
cgtn.com








