孫楊が400m自由形で銀 中国・全国春季水泳選手権で存在感
孫楊が400m自由形で銀メダル 中国・全国春季水泳選手権で健在ぶり
中国のベテラン競泳選手、孫楊(Sun Yang)が、今週行われた全国春季水泳選手権(National Spring Swimming Championships)の男子400メートル自由形で銀メダルを獲得しました。33歳という最年長での挑戦は、中国水泳界における「長く続けるキャリア」の可能性を改めて示しています。
33歳、最年長で臨んだ400m自由形
男子400メートル自由形決勝で、孫楊は3分47秒94を記録し、2位に入りました。優勝した劉沛欣(Liu Peixin)は3分46秒80で、僅差で金メダルを手にしています。
レース前半の200メートルを終えた時点で、孫楊は3位でしたが、後半で追い上げて2位に浮上しました。本人によると、このタイムは「昨年の自分のタイムより1秒速い」といい、「この進歩は、昨年の自分よりも今の自分の方が良いという証明であり、目標を達成できました」とレース後に語りました。
「昨年の自分より強い」 厳しい冬季トレーニングの成果
孫楊は、今季に向けた冬のトレーニングが非常に厳しい内容だったと振り返っています。特に、約5年ぶりに高地トレーニングを再開したことが大きなチャレンジだったといいます。
「とても大変で苦しかったです。調整や休む時間もほとんどなく、大会そのものをトレーニングの一部として活用しました。だからこそ、今日のパフォーマンスにはとても満足しています」と語り、シーズン序盤からレースを通じて仕上げていくスタイルを明かしました。
膝への注射とベテランの覚悟
一方で、33歳という年齢ならではの難しさもあります。孫楊は大会前に膝の痛みに対応するため、2日間にわたって膝への注射を受けていたとしています。
「レースを完泳するために、膝の5カ所に注射を打たなければなりませんでした。この年齢になると、ケガは避けられません。それでも、続けなければならないのです」と話し、ベテランならではの覚悟をにじませました。
さらに、「長く競技を続けてきた者として、若い選手たちに、自分の年齢まで続けることは十分に可能だという姿を見せたい。中国の水泳には、長く競技を続けられる選手がもっと必要です」と述べ、若手へのメッセージも送りました。
他種目でも新旧の力が光る
同じ大会では、他の種目でも選手たちが存在感を示しました。主な結果は次の通りです。
- 男子50メートル平泳ぎ:Sun Jiajun が26秒85で優勝
- 女子50メートルバタフライ:Yu Yiting が25秒73で優勝
- 男子100メートル背泳ぎ:Jiang Chenglin が優勝
- 女子200メートル平泳ぎ:Zhu Leiju が優勝
スプリント種目から中距離まで、新鋭と実績ある選手がそろって結果を残しており、中国の競泳陣の層の厚さをうかがわせます。
なぜ孫楊の銀メダルが注目されるのか
世界の競泳界では、選手のピークが20代前半に来ることも多く、30代半ばまで第一線で戦い続けるのは簡単ではありません。そうした中で、33歳で400メートル自由形の表彰台に立った孫楊の姿は、「結果以上の意味」を持つと言えます。
ひとつは、アスリートのキャリアの描き方が変わりつつあることです。実績のあるベテランが、ケガや年齢と向き合いながらも競技レベルを維持することで、チーム全体の経験値やメンタル面の支えになります。
もうひとつは、若い選手たちにとっての「現役でいるロールモデル」の存在です。孫楊が語った「中国の水泳には、長く競技を続けられる選手がもっと必要」という言葉は、中国に限らず、多くの競技国に共通する課題とも重なります。
ベテランの粘りと新世代の台頭が同時に見える今回の全国春季水泳選手権は、中国競泳が今後どのような世代交代と共存を進めていくのかを考える上で、象徴的な大会になったと言えそうです。
Reference(s):
Sun Yang wins silver at National Spring Swimming Championships
cgtn.com








