2028年ロサンゼルス五輪、ボクシングが正式復帰 IOCが全会一致で承認
2028年ロサンゼルス五輪、ボクシングが正式復帰 IOCが全会一致で承認
国際オリンピック委員会(IOC)は第144回総会で、2028年ロサンゼルス夏季オリンピックの実施競技としてボクシングを全会一致で承認しました。長く続いていた「ボクシングは五輪から外れるのではないか」という不安に、ひとまず区切りがついた形です。
何が決まったのか:ロサンゼルス大会での実施が確定
今回の決定により、ボクシングは2028年のロサンゼルス大会の公式競技として実施されることが明確になりました。IOCは、最近設立された新たな統括団体であるWorld Boxingを暫定的に承認しており、その流れの中でボクシングの五輪継続が保証されたかたちです。
IOCのトーマス・バッハ会長は、ボクシング競技の復帰が承認されたことに謝意を示し、素晴らしいボクシングトーナメントを楽しみにしていると期待感を語りました。
なぜ存続が疑問視されていたのか
ボクシングは当初、2028年大会のプログラムには含まれていませんでした。背景には、従来の競技統括団体である国際ボクシング協会(IBA)に対するIOCの強い懸念があります。
IOCは、IBAが求められたガバナンス(組織統治)や財務面の改革を十分に実行できなかったとして、2023年に同協会の承認を取り消しました。その結果、2024年パリ大会のボクシング競技は、例外的にIOC自身が運営を担う異例の体制となりました。
IOCは各国のボクシング連盟に対し、IBAに代わる新たな国際統括団体を立ち上げるよう働きかけてきました。今回の決定は、その要請に応じて設立されたWorld Boxingが重要な役割を担うことを前提にしたものです。
新団体「World Boxing」とは
World Boxingは2023年に発足した新しいボクシングの国際統括団体で、既に80を超える国の連盟が加盟しています。IOCはこの団体を暫定的に認める決定を行っており、それがロサンゼルス大会でのボクシング継続に向けた大きな一歩となりました。
World Boxingのボリス・ファン・デル・フォースト会長は、今回のIOC決定について「世界中のボクサーとボクシング関係者にとって素晴らしい一日だ」と評価し、多くの国内連盟や選手、コーチ、審判らの「チームとしての努力」がこの結果を生んだと強調しました。
同会長はまた、オリンピックの一部であることは「権利ではなく特権」だと述べ、World Boxingとしてオリンピック・ムーブメントの価値を守る信頼できるパートナーであり続ける決意を示しています。ボクシング界全体が、ガバナンスと財務の健全性を重視する姿勢を強く打ち出したと言えます。
誰がロサンゼルスで戦えるのか:参加条件がより明確に
IOCは、2028年ロサンゼルス大会のボクシング競技に出場できるのは、予選が始まる時点までにWorld Boxing加盟の国内連盟に所属している選手に限られるとしています。
この条件によって、各国の連盟は次のような選択を迫られることになります。
- 自国の選手に五輪出場の道を開くため、World Boxingへの加盟を進めるのかどうか
- 国内のボクシング界の意見をどのようにまとめるか
- ガバナンスや財務の透明性を高めるために、どのような改革を行うか
選手にとっては、どの団体に所属するかがこれまで以上に重要な意味を持つことになります。自分の努力だけでなく、自国の連盟がどの国際団体に属しているかが、オリンピックのリングに立てるかどうかを左右するためです。
オリンピックとボクシングの「関係再構築」の一歩
今回のIOC決定は、ボクシングがオリンピックの舞台にとどまるためのスタートラインに立ったことを意味します。ただし、それで全ての課題が解決したわけではありません。
今後、注目すべきポイントとしては、次のような点が挙げられます。
- World Boxingがガバナンスや財務の面で、どこまで透明性と説明責任を示せるか
- IOCとWorld Boxingの役割分担がどのように整理されていくか
- 選手やコーチの声を、競技運営やルール作りにどう反映していくか
オリンピックは、スポーツの公平性と信頼性を象徴する場でもあります。ロサンゼルス大会に向けて、ボクシング界がどのように信頼を積み重ねていくのか。今回の決定は、そのプロセスの第一歩として位置づけられそうです。
ボクシングが五輪の舞台に残ることは、世界中のファンにとっても朗報です。今後、各国連盟の動きや、World BoxingとIOCの関係づくりがどのように進むのかを追いかけていく必要があります。
Reference(s):
IOC: Boxing earns spot on program at 2028 Los Angeles Summer Games
cgtn.com








