ジョコビッチがナダル超え マスターズ1000最多勝記録を更新
男子テニスのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、マイアミ・オープンでカミロ・ウーゴ・カラベリ(アルゼンチン)を下し、ATPマスターズ1000大会での通算勝利数でラファエル・ナダル(スペイン)を抜き、歴代単独1位に立ちました。女子では、イガ・シフィオンテク(ポーランド)がWTA1000大会で25大会連続ベスト16入りという新記録を打ち立て、テニス界のトップ選手たちの「長期安定」の強さが改めて浮き彫りになっています。
圧勝と接戦でつかんだ歴史的勝利
マイアミ・オープン6度の優勝経験を持つ第4シードのジョコビッチは、ラッキールーザーとして本戦入りしたカラベリを6-1、7-6(7-1)で破り、4回戦進出を決めました。第1セットは一方的な展開で取り切り、第2セットは終盤まで競りながらもタイブレークで圧倒し、試合をストレートで締めくくりました。
この勝利によって、ジョコビッチはATPマスターズ1000大会での通算勝利数を411勝とし、長年トップを分け合ってきたライバル、ナダルを上回りました。大会開幕時点では409勝でナダルに1勝差まで迫っていましたが、フロリダでの2連勝で並び、そして一気に抜き去ったかたちです。
ジョコビッチは試合後、「またひとつ節目を迎え、ひとつ記録を塗り替えられたことを誇りに思う。ほとんど毎試合、何かしらの『記録』や『かかっているもの』がある。それが大会で結果を出したいというモチベーションになっている」と語り、記録への意識と、それを原動力にするメンタルの強さをのぞかせました。
約20年かけて積み上げたマスターズ1000の411勝
今回の節目は、ジョコビッチがマスターズ1000の舞台で初勝利を挙げてから、ほぼ20年を経て達成されました。初勝利は2005年、パリ大会でのビクトル・ハネスク戦でした。それから現在までに、彼はグランドスラム通算24回のシングルスタイトルを積み上げながら、各地のマスターズ1000大会で勝利を重ねてきました。
マスターズ1000という同じシリーズの大会で411勝に到達したことは、ジョコビッチがどれほど長い間、男子ツアーの中心に立ち続けてきたかを物語っています。テニスのスタイルも世代も変化する中で、ライバルたちとしのぎを削りながら進化を続けてきた結果が、今回の最多勝更新という形で可視化されたと言えます。
マイアミで狙う二つ目の記録 7度目の優勝へ
ジョコビッチは今大会、個人として史上最多となる7度目のマイアミ優勝も視野に入れています。次の4回戦では、第15シードのロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)と対戦します。ムゼッティは前のラウンドでフェリックス・オジェ=アリアシム(カナダ)に4-6、6-2、6-3で逆転勝ちしており、勢いに乗る若手の一人です。
マイアミでの通算7度目のタイトル獲得となれば、大会の歴史においても前人未到の領域となります。マスターズ1000最多勝の新記録と合わせて、一つの大会で二つの節目を同時に追いかける形となり、今後の試合にも注目が集まりそうです。
女子ではシフィオンテクがWTA1000で25大会連続ベスト16
一方の女子では、過去にマイアミ・オープンを制しているイガ・シフィオンテク(ポーランド)が、WTA1000大会で25大会連続のベスト16入りという新記録を樹立しました。シフィオンテクは第27シードのエリース・メルテンス(ベルギー)を7-6(7-2)、6-1で下し、記録を達成しました。
第1セットでは5-2とリードしながらメルテンスに粘られ5-5に追いつかれる場面もありましたが、タイブレークでは一気に突き放し、第2セットは終始主導権を握って押し切りました。
シフィオンテクは試合後、「タイブレークでレベルをもう一段引き上げて、2セットで締めくくることができて良かった。第2セットでは自分のプレーに大きな自信を持って戦えていた。全体として、課題を抱えながらもしっかり対処できた内容だった」と振り返り、内容にも手応えを示しました。
次戦では、カロリナ・ムチョバ(チェコ)の第15シードを6-2、3-6、6-2で破ったエリナ・スビトリナ(ウクライナ)と対戦します。経験豊富な実力者との一戦となり、連続ベスト16記録をさらに伸ばせるかが注目されます。
記録が物語る「長く強い」時代
ジョコビッチのマスターズ1000最多勝更新と、シフィオンテクのWTA1000での25大会連続ベスト16入り。男女で同時に生まれたこの二つの記録は、現代のテニスが「一瞬の輝き」よりも「長く強くあり続けること」を重視する時代に入っていることを象徴しているように見えます。
- 長いシーズンを通してコンディションを管理し続ける力
- 大会ごとに異なる環境や相手に素早く適応する柔軟さ
- プレッシャーのかかる場面で、繰り返し結果を出すメンタルの強さ
テニスの結果は一試合ごとに変わりますが、こうした長期的な記録は、選手のキャリア全体を見渡したときの「強さ」を測るひとつの物差しになります。マイアミ・オープンで進行している戦いの先に、ジョコビッチやシフィオンテクがどこまで記録を伸ばしていくのか。今後の一戦一戦が、また新たな歴史の一ページになるかもしれません。
Reference(s):
Novak Djokovic surpasses Rafael Nadal in ATP Masters 1000 event wins
cgtn.com








