男子カーリング世界選手権:中国、日本に7-6惜敗 予選5位で残り2戦
2025年の男子世界カーリング選手権で、中国代表は日本代表と予選リーグ第10戦を戦い、スコア7-6の僅差で敗れました。1点を争う展開のなかで、戦略とミスが勝負を分けた一戦となりました。
カナダ・ムースジョーでのアジア対決
試合はカナダ中部、サスカチュワン州ムースジョーで行われました。アジア勢同士の注目カードとなったこの一戦は、立ち上がりから互いに譲らない展開が続き、第3エンドを終えてスコアは1-1と拮抗していました。
しかし中盤以降、日本代表が要所で得点を重ね、中国代表は終盤に粘り強く追い上げたものの、あと一歩届きませんでした。この結果、中国代表は通算6勝4敗となり、予選順位は5位。残り2試合での巻き返しが求められます。
試合の流れ:エンドごとの主なポイント
中国と日本の男子カーリング代表がどのようにリードを奪い合ったのか、重要なエンドを中心に振り返ります。
- 第1〜3エンド:互いに1点ずつを奪い合い、スコアは1-1のまま拮抗。慎重なショット選択が続き、両チームとも大きなリスクは取らない展開でした。
- 第4エンド:ハンマー(最後の一投の権利)を持つ日本がチャンスを生かします。中国のスキップ、シュー・シャオミン(Xu Xiaoming)の最初のテイクアウトショットがわずかにずれ、ハウス中央から外れたことで、日本の有利な配置が崩れず、そのまま日本が2点を獲得。ここで日本がリードを奪いました。
- 第5エンド:ハンマーを握った中国は、確実な1点を取るよりも「ブランクエンド(無得点)」を狙い、次の第6エンドでもハンマーを維持して複数得点を狙う作戦を選びます。しかしショットミスが出て、逆に日本に1点をスティール(本来不利な側が得点すること)され、リードをさらに広げられました。
- 第7エンド:巻き返しを図る中国代表は、リスクを抑えつつ状況をシンプルに整理する方針を取ります。最後は公式のメジャー(計測)の結果、中国が2点を獲得し、点差を縮めました。
- 第8エンド:日本代表は落ち着いたショットで主導権を維持。スキップのラストストーンは、狙い通りのドローショット(ハウス内への置きにいくショット)となり、2点を加点。スコアは6-3となり、日本が再び大きくリードします。
- 第9エンド:追い込まれた中国代表は攻勢を強め、ハウス内に有利な配置を築き、日本を難しい状況に追い込みます。その結果、中国が一気に3点を奪い、スコアは6-6の同点に。試合は最終第10エンドにもつれ込みました。
- 第10エンド:勝負の最終エンド、中国はプレッシャーをかけ続けますが、ハンマーを持つ日本の最後の一投がしっかりと決まり、日本が1点を獲得。最終的に7-6で日本が接戦を制しました。
戦略の妙:ブランクエンドとスティール
第5エンドの判断は、この試合のターニングポイントの一つでした。中国のシュー・シャオミンは、あえて1点を取らずにブランクエンドにし、次のエンドでもハンマーを持ち続けることで、2点以上のビッグエンドを狙う戦略を取りました。これはカーリングではよく用いられる定石に近い考え方です。
しかし、この場面ではショットの精度がわずかに足りず、日本にスティールを許す結果となりました。本来なら「次のエンドで大きな得点を狙うための準備」のはずが、「相手のリードを広げてしまう」展開となり、試合全体の流れに影響を与えたと言えます。
中国代表にとっての惜敗と収穫
スコア上は惜しい1点差の敗戦でしたが、中国代表にとっては学びの多い試合でもありました。3点差で迎えた終盤から、第9エンドで3点を取り同点に追いついた場面は、チームの粘り強さと対応力を示しています。
特に、第7エンドと第9エンドでは、リスクを取りすぎずに石を積み上げ、最後に複数得点につなげるゲームプランが機能しました。終盤の勝負どころでの判断とショット精度は、残り2試合、そしてその先の大舞台に向けて大きな財産になるはずです。
日本代表の安定感と最終エンドの決め手
一方の日本代表は、序盤から中盤にかけてハンマーを生かしながら、相手のミスを確実に得点につなげたことが勝因となりました。第4エンドの2点獲得、第5エンドのスティール、第8エンドの2点追加と、チャンスを逃さない安定感が光りました。
さらに、第10エンドのラストショットを確実に決めて1点を取り切ったことは、国際大会で接戦を勝ち抜くうえでの「決定力」の高さを示しています。アジア勢同士の対戦としても、技術と戦略が高いレベルでぶつかり合う、見応えのある試合内容でした。
カーリングをもっと楽しむための視点
今回の試合は、カーリングの戦略的なおもしろさがよく表れた一局でもありました。国際ニュースとしてカーリングを見るとき、押さえておくと楽しみが増えるポイントを整理してみます。
- ハンマー(最後の一投):どちらのチームがハンマーを持っているかで、攻め方と守り方が大きく変わります。終盤でハンマーを持つかどうかは、試合全体のプランにも関わります。
- ブランクエンド:あえて無得点にして、次のエンドでもハンマーを維持する戦略です。今回の中国代表のように、リスクとリターンのバランスが問われる場面になります。
- スティール:本来有利なハンマー側から点を奪うことで、一気に流れを引き寄せるチャンスになります。第5エンドの日本のスティールは、試合の主導権を握る大きな一手でした。
- 終盤の複数得点:第9エンドで中国代表が見せた3点獲得のように、最後の数エンドで2点、3点をまとめて取れるかどうかが、接戦での逆転に直結します。
残り2試合、予選突破への鍵
予選ラウンドロビンも終盤に入り、中国代表にとっては一投一投の重みが増しています。ショットの精度のわずかな差が、スティールや大量得点につながることを、この日本戦は象徴的に示しました。
残り2試合でどれだけミスを抑え、自分たちのゲームプランを貫けるかが、予選突破への鍵になりそうです。中国代表の巻き返しと、日本代表を含む各国・地域のチームの戦いぶりから、男子世界カーリング選手権の行方に引き続き注目が集まります。
Reference(s):
China handed narrow 7-6 loss by Japan in World Curling Championship
cgtn.com








