モンテカルロ決勝へ アルカラスがムゼッティとの頂上決戦を前に語ったこと
男子テニスの国際大会、モンテカルロ・マスターズで、スペインのカルロス・アルカラスが初めて決勝進出を果たし、イタリアのロレンツォ・ムゼッティとのタイトルマッチに臨むことになりました。今季の行方だけでなく、世界ランキング争いや若手世代の勢力図という意味でも注目された一戦です。
モンテカルロで初の決勝進出
アルカラスは準決勝で、同じスペインのアレハンドロ・ダビドビッチ・フォキナを 7-6(2)、6-4 のストレートで下し、モンテカルロ・マスターズ初の決勝進出を決めました。
タイブレークを制した第1セットで主導権を握ると、第2セットも要所を締める安定した内容で勝ち切りました。過去の同大会では、2022年の初出場で唯一の試合に敗れていますが、今季はその苦い経験を上書きする結果となっています。
アルカラスは試合後、ダビドビッチ・フォキナへの警戒感と勝負への準備について次のように振り返りました。
「ダビドビッチ・フォキナがモンテカルロでどれだけ良いプレーをしてきたかは分かっていたので、激しい戦いになると覚悟してコートに入りました」と語り、勝利に必要な集中力と覚悟を強調しました。
決勝の相手はイタリアのムゼッティ
決勝でアルカラスが対戦するのは、イタリアのロレンツォ・ムゼッティです。第13シードのムゼッティは、準決勝でオーストラリアの第8シード、アレックス・デミノー相手に 1-6、6-4、7-6(4)と逆転勝ちを収めました。
第1セットを大差で落としながらも立て直し、最終セットのタイブレークをものにしたムゼッティ。赤土のクレーコートで組まれる若手同士の決勝は、テニスファンの注目を集めました。
アルカラスにとっては、クレーでのタイトルを長く逃してきた中で迎える決勝であり、ムゼッティにとってはビッグタイトルに手が届くかどうかの大一番という構図です。
久々のマスターズ制覇とクレーでのタイトルを狙う
アルカラスは四大大会(グランドスラム)で4度の優勝を誇る21歳ですが、マスターズ(男子テニスのATPツアーでグランドスラムに次ぐ格付けの大会)のタイトルからはしばらく遠ざかっていました。目標は、昨年インディアンウェルズで優勝して以来となるマスターズ制覇です。
本人も、クレーコートでのタイトルに対する思いを隠していません。
「クレーコートでタイトルを狙えるチャンスは、かなり久しぶりです。ここモンテカルロで、もう一度そのチャンスを得られて本当にうれしいです」と語り、赤土のコートで再び頂点に立ちたいという意欲を示しました。
今季ここまでの唯一の優勝は、2月のロッテルダムでのATP500大会です。タイトル数こそ限られているものの、クレーへの復帰とともに調子を上げている様子がうかがえます。
世界1位不在で高まる期待とプレッシャー
今回のモンテカルロ・マスターズでは、上位勢の状況もアルカラスにとって独特のプレッシャーとなっています。第1シードのアレクサンダー・ズベレフと第3シードのノバク・ジョコビッチが早々に敗退し、世界ランキング1位のヤニック・シナーはドーピング違反による出場停止処分中で大会を欠場しています。
こうした中で、アルカラスは事実上の「優勝候補筆頭」とみなされました。しかし、その期待は同時に重圧にもなっていると明かしています。
アルカラスは、シナー不在後の周囲の反応について次のように語りました。
「ヤニックが大会に出られなくなってから、最初の質問はいつも『今は世界1位を取り戻す絶好のチャンスではないか』『タイトルをもっと取らなければならないのではないか』といった話題になりました」と話し、ランキングやタイトルへの期待が日常的に向けられている現状を認めています。
若くしてツアーの中心的存在となったアルカラスにとって、モンテカルロでの決勝進出は、結果だけでなくプレッシャーとの向き合い方が問われる舞台でもありました。
パリ五輪から続くトップ争いの文脈
アルカラスは、2024年8月のパリ夏季オリンピック男子シングルス決勝でノバク・ジョコビッチに敗れており、大舞台での惜敗も経験しています。その一方で、昨年のインディアンウェルズ優勝など、若くして大きな成果を積み重ねてきました。
モンテカルロでの今回の走りは、そうした過去の経験を踏まえ、トップ争いにとどまり続けるための重要な一歩と見ることもできます。大会での成績が、その後のランキングやシーズン全体の流れにどう影響していくのかも、今後の注目点です。
モンテカルロで見えたアルカラスの現在地
かつては初戦敗退に終わったモンテカルロの地で、アルカラスは今季、決勝進出という形で明確なステップアップを示しました。クレーコートでの自信を取り戻しつつあること、そしてシナー不在の中で高まる期待と正面から向き合っていることが、この大会からは読み取れます。
イタリアのムゼッティとの決勝を前にした時点で、すでに一つの物語は形になり始めていました。若手世代が主役となる男子テニスの新しい時代の中で、アルカラスがどのような位置を占めていくのか。その問いに対するヒントが、モンテカルロでの戦いには詰まっていると言えそうです。
テニスファンにとって、この大会は単なる一つのマスターズではなく、次の数年を見据えるうえでの「現在地」を映し出したイベントとして記憶に残るかもしれません。
Reference(s):
Carlos Alcaraz to face Italy's Lorenzo Musetti in Monte-Carlo final
cgtn.com








