10人のレアル・マドリード、アラベスに辛勝 ムバッペ退場の一戦を読む
ラ・リーガのディフェンディングチャンピオン、レアル・マドリードが日曜日に行われたデポルティボ・アラベス戦で、キリアン・ムバッペの退場により10人となりながらも1-0で勝利しました。残留争い中の相手に辛くも勝ち切り、首位バルセロナを追走しています。
この試合の3つのポイント
- カマヴィンガが鮮やかなミドルシュートで決勝点
- ムバッペが前半38分に危険なタックルで一発退場
- 後半にはアラベス側にも退場者が出て10人対10人に
ムバッペ一発退場、それでも1点を守り切ったレアル
この日、レアル・マドリードはアウェーでデポルティボ・アラベスと対戦しました。相手は残留争いの渦中にいるクラブで、本来であれば王者としては確実に勝ち点3を取りたい相手です。しかし試合は、想定以上に神経をすり減らす展開となりました。
前半38分、キリアン・ムバッペがアラベスのMFアントニオ・ブランコに対して危険なタックルを見舞い、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)のチェックを経てイエローカードから一発レッドに変更。レアルは前半のうちに10人となり、1点リードを守り抜く苦しい戦いを強いられました。
VARに揺れた前半と、カマヴィンガの決勝ゴール
試合の流れを大きく左右したのは、前半から何度も介入したVARでした。19分にはDFラウル・アセンシオがコーナーキックから頭で押し込み、先制かに見えましたが、VARレビューで取り消しに。アセンシオがマークについていたアラベスのDFをつかんで体を支えていたこと、さらにその直前の場面でアントニオ・ルーディガーがGKヘスス・オウォノに接触していたことが確認されました。
嫌な流れを断ち切ったのが、エドゥアルド・カマヴィンガです。34分、フェデリコ・バルベルデとのワンツーからペナルティーエリア外でボールを受けると、左足でゴール左隅へと巻くようなシュートを放ちます。これがポストの内側をかすめるように決まり、レアルが先制しました。カマヴィンガにとっては、リーグ戦では2022年3月以来となる久々のゴールです。
ただ、その勢いは長く続きませんでした。前述の通り、38分のムバッペ退場により、レアルは一転して耐える展開に追い込まれます。
後半はアラベスが押し込むも、10人対10人へ
後半に入ると、数的優位となったアラベスがボールを握り始めます。ホームの声援を受けながらラインを押し上げ、レアル陣内でのプレー時間を増やしました。フォワードのカルロス・マルティンはエリア外から低いシュートを放ち、GKティボー・クルトワにセーブを強いるなど、同点ゴールに迫る場面も生まれます。
しかし試合は再びバランスを変えます。70分、アラベスのDFマヌ・サンチェスがヴィニシウス・ジュニオールに対して激しいファウルを犯し、こちらもVARのチェックを経てレッドカードに。今度はアラベスが10人となり、ピッチ上は10人対10人の構図に戻りました。
終盤には、ジュード・ベリンガムがゴール前で決定機を迎えますが、GKオウォノが間一髪でセーブ。結局スコアは動かず、カマヴィンガの1点を守りきったレアルが1-0で勝利しました。
勝ち点66で首位追走も、内容面には課題
この勝利で、レアル・マドリードは31試合を終えて勝ち点66とし、首位バルセロナとの差を4のまま維持しました。ラ・リーガの優勝争いという観点では、最低限の結果は手にしたと言えます。
一方で、内容面には不安もにじみます。レアルは今月、公式戦で苦戦が続いており、火曜日にはUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝の第1戦でアーセナルに0-3と完敗したばかりです。そのショックから立ち直りたい一戦でしたが、残留争い中のアラベス相手に数的不利となり、終盤まで守勢に回る展開は、王者としては物足りなさも残します。
それでも、厳しいスケジュールとメンタル面の難しさの中で勝ち点3を取りきったことは、チームにとって小さくない意味を持ちます。今後のリーグ戦とチャンピオンズリーグで、この粘り強さがポジティブに働くかどうかが注目されます。
ベンチから見守ったカルロ・アンチェロッティと、その息子ダビデ
この試合では、カルロ・アンチェロッティ監督がベンチに不在だったことも特徴的でした。前節のバレンシア戦で今季5枚目のイエローカードを受け、出場停止となっていたためです。代わりにタッチラインで指揮を執ったのは、アシスタントコーチであり息子でもあるダビデ・アンチェロッティでした。
スタンドから試合を見守ったカルロと、ピッチサイドで選手たちに指示を出すダビデ。父子による遠隔タッグは、この難しい試合を何とか勝ち切るという結果につながりました。戦術面の細かな評価は分かれるかもしれませんが、10人での戦いを含め、チーム全体が集中力を切らさずに戦い抜いたことは評価できるポイントです。
代表監督の視線も集めた守備陣のパフォーマンス
この試合には、スペイン代表監督のルイス・デ・ラ・フエンテも観戦に訪れていました。前半19分にゴールを取り消されたラウル・アセンシオをはじめ、守備的なセットプレーでの存在感は、代表指揮官にとってもチェック対象だったはずです。
また、ゴールを守りきった守備陣の粘りも見逃せません。数的不利の時間帯においても、集中した守備ブロックとクルトワのセーブが、勝ち点3を支える土台となりました。代表戦や国際舞台を見据えると、こうした試合でのパフォーマンスが、選手たちの評価に少なからず影響を与えていくでしょう。
タイトルレースとメンタルの攻防
レアルにとって、今節のアラベス戦は単なる1勝以上の意味を持つ試合でした。首位バルセロナが前日にレガネスに1-0で勝利していたため、取りこぼせば勝ち点差はさらに広がるところでした。プレッシャーがかかる状況の中で、10人になりながらも勝利を手にしたことは、タイトルレースの行方だけでなく、チームのメンタル面にも良い影響をもたらす可能性があります。
とはいえ、ムバッペの退場や、試合運びの不安定さなど、課題が消えたわけではありません。今後は、攻撃の破壊力と試合のコントロール力をどう両立させていくのかが大きなテーマになりそうです。
残り試合が少なくなる中で、レアル・マドリードがこの苦しい勝利を転機にできるのか。それとも、内容の不安定さが尾を引くのか。ラ・リーガとチャンピオンズリーグ、二つの舞台での戦いぶりから目が離せません。
Reference(s):
Ten-man Real Madrid overcome lowly Alaves 1-0 after Mbappe sees red
cgtn.com








