居文君がFIDE女子世界選手権5連覇 重慶で歴史的偉業
チェスの国際ニュースとして注目を集めるFIDE女子世界選手権で、中国の居文君(Ju Wenjun)選手が5大会連続で世界女王の座を守りました。会場となった重慶で、同じく中国の譚中怡(Tan Zhongyi)選手をマッチスコア6.5対2.5で退け、女子チェス史に残る偉業を打ち立てました。
歴史的5連覇、その意味
今回のFIDE女子世界選手権は、居文君選手が「絶対女王」としての地位を改めて示すシリーズとなりました。全9局にわたる戦いの末、最終的なスコアは居文君選手の6.5ポイント、譚中怡選手の2.5ポイント。数字だけを見ても、安定感のある勝ちっぷりがうかがえます。
また、居文君選手の優勝により、女子世界選手権で中国の棋士がタイトルを手にするのは通算16回目となりました。個人としての5連覇に加え、中国勢全体の層の厚さも象徴する結果だといえます。
- 大会会場:重慶
- 対戦カード:居文君 vs. 譚中怡(いずれも中国の棋士)
- マッチ結果:居文君 6.5 – 2.5 譚中怡
- 全対局数:9局
- 中国の棋士による女子世界王座獲得:通算16回目
最終局は慎重な戦いに
決着をつけた最終第9局で、居文君選手は白番(先手)を持ち、序盤から慎重な戦い方を選びました。4手目という早い段階でキャスリング(玉の安全を確保する基本的な手筋)を済ませ、譚中怡選手のシチリア防御に対して、ナイジェメトディノフ=ロッシリモ攻撃と呼ばれる形を採用しました。
この作戦は、鋭い攻め合いというよりも、駒の配置と構造を重視してじわじわと相手にプレッシャーをかける、よりポジション重視のアプローチです。両者は中央部でコマを次々と交換し合い、大きなリスクを避けながらも、わずかな優位を探る神経戦が続きました。
やがて局面はルーク(飛車に相当する駒)とポーン(歩兵)だけが残る終盤戦に突入します。しかしどちらも決定的な勝ち筋を見つけることができず、同じような手順を繰り返す展開に。チェスのルールに従い、同一の局面が繰り返されたことで引き分けが宣言されました。
9局を通じて見せた「負けない」強さ
スコアだけを見ると居文君選手の快勝にも見えますが、その裏には9局にわたる厳しい心理戦と体力勝負がありました。タイトル保持者として挑戦者を迎え撃つプレッシャーの中で、「勝ちに行くべき局」と「安全に引き分けを受け入れる局」の見極めが求められます。
最終局で居文君選手が選んだ慎重な戦い方は、すでにリードしている状況で無理をせず、確実にタイトルを守るための現実的な選択だったとも言えます。攻めて勝つだけでなく、「負けないチェス」をやり切ることもトップレベルの条件であることを示した一局でした。
中国勢の存在感と女子チェスのこれから
今回で女子世界選手権のタイトル獲得が中国の棋士として通算16回目となったことは、中国勢が女子チェスの世界で長く存在感を示してきたことをあらためて印象づける結果となりました。居文君選手と譚中怡選手による同国対決という構図自体が、その層の厚さを物語っています。
同時に、この5連覇は世界の若いチェスファン、とくに女子選手を目指す子どもたちにとって、大きな目標とインスピレーションになりそうです。安定して結果を出し続けるキャリアの築き方や、長期戦で集中力を保つメンタル面など、「盤の外」で学べることも多いシリーズだったと言えるでしょう。
今回のFIDE女子世界選手権と居文君選手の5連覇は、チェスが盤上だけでなく、世界のスポーツや文化の動きの一部としても注目されていることを感じさせる出来事でした。対局の詳細を追うことで、単なる勝ち負けを超えた戦略や思考の面白さが見えてきます。
Reference(s):
Ju clinches 5th consecutive title at FIDE Women's World Championship
cgtn.com








