アーセナル痛恨ドロー クリスタル・パレスがリバプールの優勝決定を先送り
イングランド・プレミアリーグの上位対決で、アーセナルがホームでクリスタル・パレスと2対2のドロー。リバプールのリーグ優勝決定は持ち越しとなりましたが、優勝争いの主導権は依然としてリバプールが握っています。
- アーセナルは2度リードしながら追いつかれ、痛恨のドロー
- リバプールは日曜日のトッテナム戦で勝ち点1以上なら優勝決定の状況に
- 両クラブとも来週のカップ戦セミファイナルを控える難しいスケジュール
リバプール優勝はお預けも、タイトルレースはほぼ決着
水曜日に行われたアーセナル対クリスタル・パレスの一戦は、2対2の引き分けに終わりました。勝てばプレミアリーグのタイトル争いにわずかな望みをつなげたアーセナルでしたが、勝ち点3を取り切れませんでした。
この結果、2位アーセナルの勝ち点は67で残り4試合。最大でも79までしか伸ばせません。一方、首位リバプールはすでに勝ち点79で、まだ5試合を残しています。数字の上では逆転の可能性が残るものの、現実的にはリバプールが優勝に大きく近づいた形です。
もしアーセナルがこの試合で敗れていれば、その時点でリバプールの優勝が決まっていました。ドローによって決定は先送りになったものの、リバプールは日曜日にアンフィールドで行われるトッテナム・ホットスパー戦で勝ち点1を挙げれば、プレミアリーグ史上20度目となる優勝が決まる状況です。
試合展開:アーセナルは2度のリードを守れず
試合は、ホームのアーセナルが先行する展開でした。前半、ヤクブ・キヴィオルがゴールを決めて先制すると、続いてレアンドロ・トロサールもネットを揺らし、スコア以上に落ち着いた勝利ペースに入るかに見えました。
しかし、クリスタル・パレスは粘り強さを見せます。エベレチ・エゼがボレーシュートを叩き込み、まずは1点を返します。躍動感のあるパレスの攻撃に対し、アーセナルは全体的に精彩を欠き、試合を完全には掌握できませんでした。
そして終盤、劇的な場面が訪れます。途中出場のジャン・フィリップ・マテタが前線でボールを奪うと、前に出ていたアーセナル守護神ダビド・ラヤの位置を冷静に見極め、ゴール方向へ大胆なループシュート。これが見事に決まり、スコアは2対2に。アーセナルは2度リードしながらも勝ち切れない、痛いドローとなりました。
マテタの「芸術チップ」と読みの鋭さ
この試合の象徴となったのが、クリスタル・パレスのマテタです。彼は80分からの途中出場にもかかわらず、スカイスポーツのマン・オブ・ザ・マッチに選出されました。
マテタは試合後、ベンチからの観察がゴールにつながったと明かしています。ラヤが高い位置を取っていることに気づいていたといい、ボールを奪えた瞬間にループシュートを狙う決断を下しました。
マテタは「ベンチにいるときから、ラヤがかなり高い位置を取っているのが見えていた。だからボールを奪えれば狙えると思っていたし、実際にやってみたら入った。自分のキャリアの中でも最高のゴールの一つだと思う。一瞬クロスバーに当たったかと思ったけれど、入っていて本当に良かった」と振り返っています。
限られた出場時間の中で試合の流れを変えたマテタの一撃は、個人の技術だけでなく、相手の守備位置を見逃さない観察力と決断力の結晶と言えます。
両クラブはカップ戦セミファイナルへ
この試合の難しさには、リーグ戦だけでなくカップ戦を含めたハードスケジュールも影響していると見られます。アーセナルは来週、UEFAチャンピオンズリーグの準決勝でパリ・サンジェルマンをホームに迎えます。今季最大級の山場とも言える大一番が、すぐ目の前に迫っています。
一方、クリスタル・パレスも同様に大舞台を控えています。土曜日にはウェンブリー・スタジアムで行われるFAカップ準決勝で、アストン・ビラと対戦予定です。クラブにとって今季最大の試合と言えるゲームであり、選手たちの意識がそちらに向いていてもおかしくありませんでした。
それでも、集中力を欠いていたのはむしろアーセナルの側だったように見えます。12位のパレスは最後まで運動量と戦う姿勢を落とさず、勝ち点1をもぎ取りました。
アーセナルの課題:引き分け13試合目が示すもの
このドローで、アーセナルの今季リーグ戦における引き分けは13試合目となりました。さらに、そのうち5試合は直近8試合の中で生まれたものです。負けが少ない一方で、勝ち切れない試合の多さが、リバプールとの勝ち点差を広げる要因となっています。
試合後、ミケル・アルテタ監督は率直に不満を口にしました。
「結果にもパフォーマンスにも失望している。試合を支配するためのプレーに、十分な一貫性がなかった。それが勝ち点2を失うことにつながった。多くの局面で、今日はもっと良くできたはずだ。6日後には今季で最も重要な試合が控えている。エネルギーを取り戻さなければならない」と振り返っています。
タイトル争いと欧州カップの両立は、どのビッグクラブにとっても難題です。アーセナルにとっては、この引き分けが単なる「痛い取りこぼし」で終わるのか、あるいは来週のチャンピオンズリーグ準決勝に向けた重要な警鐘となるのかが問われることになります。
これから何を見るべきか:日本のファンへの視点
日本からプレミアリーグや国際サッカーを追いかけるファンにとって、今回の試合は次の三つのポイントで注目に値します。
- リバプールはトッテナム戦での勝ち点1以上で優勝決定という、ほぼ「王手」の状況にあること
- アーセナルが大一番を前に、メンタル面と試合運びの両方で修正を迫られていること
- クリスタル・パレスが中位クラブでありながら、戦術と集中力でビッグクラブと渡り合っていること
日曜日のリバプール対トッテナム戦、そしてアーセナルとクリスタル・パレスそれぞれのカップ戦準決勝は、プレミアリーグと欧州サッカーの今季の流れを象徴する試合になりそうです。リーグタイトルの行方だけでなく、各クラブがどのようにシーズン終盤を乗り切ろうとするのか。日本語で国際ニュースを追う読者にとっても、議論したくなるポイントが多い一週間になりそうです。
Reference(s):
Crystal Palace deny Arsenal win to leave Liverpool on brink of title
cgtn.com








