中国がクロアチアに4-3勝利 男子アイスホッケー世界選手権で今大会初白星
エストニア・タリンで開催中の国際アイスホッケー連盟(IIHF)男子世界選手権ディビジョンIグループBで、中国代表がクロアチア代表を4-3で下し、今大会初勝利を挙げました。ともに開幕から勝ち点を得られず苦しんでいた両チームの一戦は、残り1分を切って決勝点が生まれる劇的な展開となりました。
両チームとも勝ち点ゼロで迎えた重要な一戦
この試合は、開幕から2試合連続で勝ち点を落としていた中国代表とクロアチア代表が対戦しました。敗れれば大会の流れを大きく悪くしかねない中で、どちらも「どうしても勝ちたい」重いプレッシャーを背負ってリンクに立った形です。
先制と追加点:中国のホウ・ユーヤンが攻撃をけん引
試合は序盤から中国代表が主導権を握りました。第1ピリオド、フォワードのホウ・ユーヤンがクロアチア守備陣の間を巧みにすり抜け、ゴール左側のショートサイドを突くシュートを決めて先制。中国が1-0とリードを奪います。
その後もワン・ジンやユー・ジーロンが積極的にゴールを狙いましたが、相手ゴールキーパーの好守に阻まれ追加点はならず。それでも第2ピリオドに入り、ゴール前のこぼれ球にホウが素早く反応。リバウンドを押し込み、スコアを2-0とします。
クロアチアの反撃で一気に同点に
追い込まれたクロアチアも、ここから反撃に転じます。第2ピリオド中盤、パトリク・ドブリッチとカルロ・マリンコビッチがパスをつなぎ、中国守備陣を崩すと、最後はボルナ・レンドゥリッチが正確なリストショット(手首を使った素早いシュート)を決め、1点を返しました。
勢いをつかんだクロアチアは、第3ピリオド開始直後にも畳みかけます。レンドゥリッチがボード際からのパスをゴール前に送り込むと、ビト・イジャドゥンがこれを方向づけるように触り、スコアは2-2の同点に。流れは一気に五分へと戻りました。
終盤のシーソーゲーム、最後に笑ったのは中国
同点に追いつかれた中国ですが、ここで再び勝ち越しに成功します。ヤン・ジュンチョンがゴール前でパスを受けると、落ち着いてシュートを決め、3-2とリードを奪いました。
しかしクロアチアも粘りを見せます。レンドゥリッチがゴール裏からバックハンドのパスを送り込むと、ニコラス・マレニカがゴール前でこれを押し込み再び同点。ゴールキーパーの位置が崩れ、ゴール前が空いた瞬間を逃さない形で、3-3に追いつきました。
それでも最後に試合を決めたのは中国でした。第3ピリオド残り1分を切った場面で、ヤン・ジュンチョンが再びチャンスをものにし決勝ゴール。スコアは4-3となり、そのまま試合終了。中国が今大会初の白星をつかみ取っています。
キープレーヤー:中国の攻撃陣とクロアチアの司令塔
- ホウ・ユーヤン(中国):序盤の2ゴールで試合の流れを中国に引き寄せました。個人技とゴール前での反応の速さが光り、攻撃の軸として存在感を示しました。
- ヤン・ジュンチョン(中国):終盤の勝ち越し弾と決勝点で2ゴール。スコアが目まぐるしく動く展開の中で、プレッシャーのかかる場面を決め切る勝負強さを見せました。
- ボルナ・レンドゥリッチ(クロアチア):自らのゴールに加え、同点弾を導くパスなど、クロアチアの攻撃の中心として存在感を発揮しました。スコアこそ届かなかったものの、チームを最後まで試合に引き戻した立役者と言えます。
今大会初勝利が意味するもの
開幕から2試合続けて勝ち点を得られなかった中国にとって、この4-3の勝利は単なる1勝以上の意味を持ちます。リードを追いつかれながらも最後に勝ち切ったことで、チームとしての粘り強さやメンタル面の成長を示す試合となりました。
また、国際舞台で経験を積み重ねている中国代表にとって、接戦をものにする感覚をつかめたことは今後の試合にもプラスに働きそうです。大会は依然として厳しい戦いが続きますが、この試合で得た自信と修正点をどう次戦につなげていくかが、今後の焦点となります。
国際スポーツとしてのアイスホッケーを見る視点
ディビジョンIグループBは、トップディビジョンに迫るレベルの代表チームが集う舞台です。そこに中国やクロアチアといった国々が名を連ね、互角の勝負を繰り広げていること自体、アイスホッケーの裾野が世界的に広がっていることの表れでもあります。
スコアだけを見ると「4-3の勝利」で終わってしまいますが、その裏側には、プレッシャーの中での意思決定、試合中の戦術修正、若い選手の経験値の積み上げなど、多くのドラマがあります。こうした一試合一試合の積み重ねが、各国代表のレベルアップだけでなく、競技全体の発展にもつながっていきます。
試合結果を追うだけでなく、「どのようにしてその1点が生まれたのか」「どのチームがどのようなスタイルをめざしているのか」といった視点で国際スポーツを眺めてみると、ニュースはより立体的に見えてきます。今回の中国対クロアチアの一戦も、その好例と言えるでしょう。
Reference(s):
China squeak past Croatia 4-3 at Men's Ice Hockey World Championship
cgtn.com







