スヌーカー世界選手権:趙心童がオサリバン撃破、アジア勢2人目の決勝へ
スヌーカー世界選手権で、中国の趙心童がロニー・オサリバンを17-7で破り決勝進出しました。28歳の新鋭がアジア勢として2人目の決勝進出を果たし、初優勝にあと1勝と迫っています。
金曜日の準決勝で歴史的勝利
今回のスヌーカー世界選手権準決勝で、中国の趙心童はイングランドのロニー・オサリバンと対戦しました。オサリバンは大会7度の優勝を誇るスター選手ですが、そのオサリバンを相手に、趙は17-7という大差で勝利しました。
木曜日の第1セッション終了時点ではスコアは4-4と互角でしたが、金曜日の第2セッションで流れが一変します。趙はわずかなチャンスも逃さず、第2セッションを8-0で圧倒。49歳のオサリバンが本調子ではない中、その隙を突いて一気に主導権を握りました。
スコア推移で見る試合の展開
- 第1セッション終了時点:4-4
- 第2セッション:趙が8-0で連取
- 最終スコア:17-7で趙が勝利
数字だけを見るとワンサイドゲームにも見えますが、試合の鍵となったのは、第2セッション序盤でのわずかなミスを逃さなかった趙の精度と集中力でした。
アジア勢2人目の決勝進出、その意味
この勝利により、趙はスヌーカー世界選手権で決勝に進出した2人目のアジア出身選手となりました。最初の例としては、同じく中国の丁俊暉が2016年の決勝でマーク・セルビーと対戦しましたが、そのときは惜しくもタイトル獲得には届きませんでした。
つまり、趙は「アジア勢として初の世界選手権優勝」にあと1勝と迫っていることになります。中国やアジアのスヌーカーファンにとって、今回の決勝は競技の歴史の節目となり得る試合です。
なぜ今回の躍進が注目されるのか
- アジア勢2人目の決勝進出という歴史的な位置づけ
- 7度優勝のオサリバンを相手に圧勝したインパクト
- 後述するように、出場停止処分からの復帰ストーリーが背景にあること
結果だけでなく、その過程や背景が重なったことで、今回の勝利は単なる一試合の勝敗を超えた意味を持ち始めています。
20か月の出場停止からのカムバック
趙のストーリーを語るうえで欠かせないのが、賭博規定違反による出場停止と、その後の復帰です。趙はベッティング規定に違反したことで20か月の出場停止処分を受け、その間、公式戦から離れていました。
約1年8か月というブランクを経て、趙が競技に戻ったのは昨年9月(2024年9月)です。復帰当初はランクを失い、今大会の出場権を得るためにも厳しい道のりを歩む必要がありました。
アマチュアとして4つの予選を突破
今回の世界選手権出場にあたって、趙はプロとしてではなく、一度アマチュアの立場から再スタートを切りました。その中で、4つの予選ラウンドを勝ち抜き、本戦出場を勝ち取っています。
- 出場停止明けでランキング的な優位はなし
- アマチュア枠から予選4試合を突破
- 本戦では強豪を次々に撃破し準決勝へ
このプロセスを踏まえると、今回の決勝進出は「才能ある若手の台頭」という一言では片づけられません。挫折と復帰、リスク管理やメンタルの重要性など、競技を超えたテーマを考えさせる出来事でもあります。
もう一つの準決勝:ウィリアムズ対トランプ
今大会のもう一方の準決勝では、ウェールズのマーク・ウィリアムズと、世界ランキング1位のイングランドのジャド・トランプが対戦しています。
試合は一時7-3でトランプがリードしていましたが、ウィリアムズが粘りを見せて8-8の同点に追いつきました。この準決勝は土曜日に試合が再開される予定となっており、本稿執筆時点では最終結果についての情報はまだ伝えられていません。
いずれが勝ち上がっても、決勝は「復活をかけた趙」と「経験豊富なトッププレーヤー」という構図となり、見応えのあるカードになりそうです。
アジアの若いファンにとっての意味
今回のニュースは、スヌーカーを日常的に追いかけていない日本やアジアの読者にとっても、いくつかの示唆を与えてくれます。
- 欧州中心と見られがちなスポーツでも、アジア出身選手が世界の頂点を争っていること
- 一度キャリアでつまずいても、ルールに従って処分を受け、その後にやり直す道があること
- 長いスパンでキャリアを築く個人競技ならではの、メンタルと継続の重要性
スマートフォンでハイライトだけを追う時代だからこそ、その裏側にある選手の時間軸に目を向けると、国際スポーツニュースは少し違って見えてきます。
決勝に向けて注目したいポイント
最後に、決勝戦を見る際に押さえておきたいポイントを整理します。
- 趙が強みとしている、一度流れを掴んだときの連取力
- 長時間戦になる決勝で、メンタルと集中力をどこまで維持できるか
- 相手がウィリアムズかトランプかによって変わる、試合のペースと駆け引き
アジア勢初の世界選手権制覇が実現するのかどうか。その瞬間は、スヌーカーという競技の枠を越えて、国際スポーツの新しい物語として語り継がれていくかもしれません。
newstomo.com では、決勝の結果やその後の選手たちの動きについても、分かりやすくフォローしていきます。
Reference(s):
Zhao defeats O'Sullivan to reach final at World Snooker Championship
cgtn.com








