シナーがデ・ヨング撃破 ドーピング処分明けでイタリア国際16強
テニスの国際ニュースとして注目される2025年のイタリア国際で、ドーピングによる3か月の出場停止を終えたヤニック・シナー(イタリア)が、オランダの予選勝者イェスパー・デ・ヨングを6-4、6-2で下し、男子シングルス16強に進出しました。
ドーピング処分明けでも存在感、地元でのカムバック
シナーは出場停止処分が明けてからツアー復帰2戦目となる試合でしたが、地元イタリアの観客の前で、存在感を示しました。処分明けの選手にとってはフィジカルだけでなく、ポイントの駆け引きや集中力の維持といった「試合勘」を取り戻すことが課題となりますが、この日もその難しさが垣間見えました。
試合序盤、第1セットでシナーは強烈なストロークと安定したサービスを武器に、あっという間に4-1とリードを広げます。しかしそこから、ドロップショットのミスやダブルフォールトなど、自身のエラーが重なり、サービスゲームを2度失って4-4に追いつかれました。
乱れからの立て直し、連勝は23に
それでもシナーは崩れませんでした。第1セット4-4の場面で再びデ・ヨングのサービスを破り、6-4でセットを先取。第2セットに入ると流れを完全につかみ、6-2で取りきってストレート勝ちを収めました。
これでシナーの連勝は10月から続く23に伸びました。ランキング93位のデ・ヨングは予選から勝ち上がってきた勢いのある相手でしたが、試合全体を通してみれば、シナーの総合力が一枚上回った形です。
シナーは試合後、「立ち上がりはとても良かったが、その後大きく落ちてしまった。何が起きているのか理解しようとしていた。4-4で再びブレークできたことで、自信を取り戻してプレーを続けることができた」と振り返りました。メンタル面での揺れを自覚しながらも、要所で修正できたことが、復帰途上にある今の大きな収穫と言えそうです。
今回のイタリア国際は、シナーにとって、今年1月の全豪オープン(オーストラリア・オープン)でキャリア3度目の四大大会タイトルを獲得して以来、初めてのツアー大会でもあります。大舞台での成功とドーピングによる3か月の出場停止という浮き沈みを経験した2025年シーズンの中で、その再スタートとなる一戦でした。
次戦はセルンドロと再戦、2年前の借りを返せるか
シナーはベスト16で、第17シードのフランシスコ・セルンドロ(アルゼンチン)と対戦します。セルンドロはオーストリアの予選勝者セバスチャン・オフナーを6-2、6-4で下して勝ち上がりました。
セルンドロは直前のマドリード・オープンで準決勝まで進出しているほか、今大会では昨年のローマ大会準優勝者であるニコラス・ジャリーを初戦でストレートで破るなど、クレーコートで好調を維持しています。
両者はローマの地で過去にも対戦しており、シナーは2年前の16強でセルンドロにフルセットの末に敗れています。今回も同じコートでの対戦となる見込みで、シナーは「前回ここで戦った時は、このコートで彼に負けている。タフな試合になるだろう。互角に戦うには、自分のレベルをさらに引き上げないといけない。今の自分のテニスがどこまで来ているのか確かめる良いチャレンジであり、良いテストになる」と話し、リベンジへの意欲をにじませました。
トップ選手の復帰プロセスとしての一戦
今回の試合は、単なるイタリア国際の3回戦進出ではなく、トップ選手が出場停止処分を経てどのように競技レベルを取り戻していくのか、その一端を示すものでもあります。
- 序盤の圧倒的なプレー
- 中盤の集中力の乱れとサービスゲームの崩れ
- 4-4からの立て直しと試合の締め方
この3つの流れは、長期のブランク明けに多くの選手が直面する典型的な課題とも重なります。シナーはそれを試合の中で自覚し、修正しながら勝ち切った点で、結果以上に意味のある内容だったと言えるでしょう。
一方で、本人も語るように、より強力な相手との対戦では、今回のような「大きな落ち込み」が命取りになりかねません。次戦のセルンドロ戦は、現在のシナーの完成度を測る、実戦的な指標となりそうです。
イタリア国際と今後のシーズンへの影響
クレーシーズンの重要な大会であるイタリア国際で、地元のエースが勝ち進むことは、ツアー全体の盛り上がりにもつながります。シナーがどこまで勝ち上がるかは、今後の四大大会を含む2025年シーズン全体の流れを占ううえでも、注目すべきポイントです。
復帰2戦目で見せた不安定さと、それを上回る修正力。次のセルンドロ戦は、そのどちらが前面に出るのかを見極める、ファンにとっても興味深い一戦となるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








