FAカップ決勝で歴史的番狂わせ クリスタル・パレスがシティ撃破、クラブ初優勝
リード
2025年のFAカップ決勝で、クリスタル・パレスが強豪マンチェスター・シティを1ー0で破り、クラブ史上初のFAカップ優勝を成し遂げました。世界屈指のクラブを相手にした歴史的番狂わせとして、国際サッカーニュースの中でも大きな話題となっています。
試合の概要
- 大会:FAカップ決勝
- 結果:クリスタル・パレス 1ー0 マンチェスター・シティ
- 会場:ウェンブリー・スタジアム
- 得点者:エベレチ・エゼ(パレス)
この勝利により、クリスタル・パレスはクラブ史上初の主要タイトルを獲得しました。一方のマンチェスター・シティは、約8シーズンぶりに無冠でシーズンを終えることになりました。
試合の3つのポイント
- 16分、エゼのゴールでパレスが先制
- マルムシュのPKをGKディーン・ハンダーソンがセーブ
- ポゼッションはシティが約77パーセントも、パレスが堅守で逃げ切り
前半 エゼの一撃でパレス先制
ウェンブリーで行われた決勝は、開始からマンチェスター・シティが主導権を握りました。しかし先にスコアを動かしたのはクリスタル・パレスでした。前半16分、ダニエル・ムニョスの右サイドからのクロスにエベレチ・エゼがエリア内で反応し、素早いカウンターから冷静にシュートを流し込んで先制点を奪います。
圧倒的なポゼッションを許しながらも、少ないチャンスを確実に生かすというパレスのゲームプランが、いきなり結果に結びついた場面でした。
PKを止めた守護神ハンダーソン
流れが大きく動きかねなかったのが、前半のマンチェスター・シティのPKシーンです。前半約36分、タイリック・ミッチェルがベルナルド・シウバを倒し、主審スチュアート・アットウェルがPKを宣告しました。
キッカーを務めたのはエーリング・ハーランドではなく、オマル・マルムシュ。マルムシュはゴール右隅を狙って低いシュートを放ちましたが、パレスGKディーン・ハンダーソンが見事にセーブ。スタジアムには、エゼのゴールに匹敵するほどの大歓声が響きました。
さらにこのハンダーソンを巡っては、ハーランドとの1対1の場面でペナルティーエリア外でボールに触れたかどうかが議論になりました。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が介入しましたが、退場に相当するレッドカードとまでは判断されず、プレー続行となっています。
後半 シティの猛攻とVAR判定
後半も試合の構図は変わらず、ポゼッションはシティが約77パーセント、シュート数も23本と圧倒的な数字を記録しました。それでもパレスは守備ブロックをコンパクトに保ち、カウンターを狙う戦い方を貫きます。
一方で、VARは後半にも影響を与えました。パレスのムニョスがネットを揺らしたシーンでは、ビデオ判定の結果オフサイドとされ、追加点とはなりませんでした。判定の揺れ動きも含め、緊張感の高い展開が最後まで続きました。
選手とサポーターが分かち合った瞬間
試合終了のホイッスルが鳴ると、パレスの選手たちは歓喜に包まれました。表彰式ではウィリアム皇太子からメダルとトロフィーを受け取り、スタンドを埋めた約8万4000人の観客と喜びを分かち合いました。
クラブ共同オーナー兼会長のスティーブ・パリッシュ氏は、長年クラブを支え続けてきた人々への思いを語り「支えてくれた人たちに捧げるトロフィーだ」と強調しました。FAカップという大会にとっても、こうした番狂わせが大会の魅力を示すものだと位置づけています。
グラスナー監督が語る「特別な日」
クリスタル・パレスを率いるオリバー・グラスナー監督は、この決勝を「クラブとファンのための特別な一日」と表現しました。シーズンを通して、チームが「信じられないことを成し遂げられる」という感覚を強めてきたと振り返り、その集大成がこの決勝だったと語っています。
ポゼッションやシュート数ではシティに大きく劣りながらも、自らのスタイルを貫き、試合運びと集中力で上回ったことが、監督の言葉からも伝わってきます。
歴史的番狂わせとしての位置づけ
今回の結果は、FAカップ史に名を刻む番狂わせとして語り継がれそうです。過去には、2013年にウィガンがマンチェスター・シティを破った決勝や、1988年にウィンブルドンがリバプールを下した決勝が、象徴的な例として挙げられてきました。
クリスタル・パレスは、こうした「ジャイアントキリング」の系譜に名を連ねたことになります。過去2度のFAカップ決勝(1990年と2016年)は、いずれもマンチェスター・ユナイテッドに敗れていますが、三度目の挑戦で悲願のタイトルをつかみました。
日本のサッカーファンにとっての意味
今回のFAカップ決勝は、日本のサッカーファンにとっても多くの示唆を与える試合でした。ボール支配率や個の能力で劣るチームが、戦い方の明確さと組織力、そしてメンタルの強さで勝利をつかむ姿は、代表チームやJリーグの戦い方を考えるうえでも参考になります。
また、ビデオ判定の使われ方や、PKキッカーの選択、控え選手の起用法など、細部の意思決定が勝敗に直結することもあらためて示されました。スマートフォンでハイライトだけを見るのではなく、90分を通して試合の流れを追うことで、サッカーというスポーツの奥行きがよりよく見えてくるはずです。
おわりに
数字の上では一方的でも、スコアは1ー0。FAカップ決勝で生まれたこの歴史的な番狂わせは、格差が語られがちな現代サッカーにおいても、なお予想不能なドラマが残されていることを教えてくれます。
クリスタル・パレスの初優勝は、クラブとサポーターにとって忘れられない一日となっただけでなく、世界中のサッカーファンに「なぜこの試合はこうなったのか」と考えさせる、象徴的な一戦になったと言えるでしょう。
Reference(s):
Crystal Palace stun Manchester City 1-0 to win club's first FA Cup
cgtn.com








