NFL選手の五輪出場に道 2028年ロサンゼルスでフラッグフットボール
2028年ロサンゼルス夏季オリンピックで実施されるフラッグフットボールに、現役NFL選手が出場できる道が正式に開けました。本記事では、この決定の中身と意味をコンパクトに整理します。
NFLオーナーが五輪参加を全会一致で承認
2025年春に米ミネソタ州で開かれたNFLのオーナー会議で、リーグ所属選手が2028年ロサンゼルス五輪のフラッグフットボール競技に参加することが全会一致で承認されました。
この投票により、NFLは選手の安全対策やスケジュール調整について、NFL選手会や競技の国際統括団体、オリンピック関係機関と正式に交渉する権限を得ました。
NFLでフットボール運営を統括するトロイ・ビンセント副社長は、世界中の視線が集まる五輪の舞台について、世界が世界最高レベルのアスリートたちを見る貴重な機会になるとの見方を示しています。
五輪フラッグフットボールの基本ルール
今回承認されたのは、タックルの代わりに腰につけたフラッグを取ることでプレーを止める、非接触型のアメリカンフットボールであるフラッグフットボールです。五輪での実施に向けて、次のような枠組みが示されています。
- 各国代表は10人編成のロースター
- 男子と女子で別々の大会が行われ、それぞれ6チームが参加予定
- 各国代表が選べるNFL選手は、1クラブにつき1人まで
- 試合形式は5人対5人、フィールドの長さは約50ヤード
代表メンバーの選出は、各国のナショナル委員会が担うことになります。誰が選ばれるのかは今後の大きな注目点です。
2028年シーズンへの影響は限定的か
2028年ロサンゼルス五輪は、現地時間で7月14日から30日までの日程で開催される予定です。NFL側は、フラッグフットボールの決勝戦が、各チームのトレーニングキャンプ開始前に実施されるよう日程調整を進めているとされています。
NFLでクラブビジネスとリーグイベントを担当するピーター・オライリー副社長によると、こうしたスケジュール案はすでにリーグ内で非公式な支持を集めており、代表チームのトライアウトや合宿も、クラブ活動が比較的静かなオフシーズンに収まる見込みです。
NFL選手とオリンピックのこれまで
NFLと五輪を同じ年に経験した選手は、これまでも少なくとも7人います。例えば、ネイト・エブナーは2016年にニューイングランド・ペイトリオッツに所属しながらリオデジャネイロ五輪の7人制ラグビーに出場しました。ハーシェル・ウォーカーは1992年にフィラデルフィア・イーグルスに在籍しながら、ボブスレー競技に挑戦しています。その他の選手は主に陸上競技で五輪に出場しました。
ビンセント副社長は、今回のフラッグフットボールについて、現在活躍しているスター選手だけでなく、思い描いていたようなプロキャリアを歩めなかったベテラン選手などからも、代表入りを目指して名乗りを上げる動きが出てくるだろうと語っています。
なぜフラッグフットボールが五輪に選ばれたのか
フラッグフットボールが五輪競技として導入される背景には、安全性と普及のしやすさがあります。フルコンタクトのアメリカンフットボールと比べて、ヘルメットやショルダーパッドなど大掛かりな防具が不要で、タックルも行わないため、けがのリスクが低いとされています。
少人数でプレーでき、必要なスペースも比較的コンパクトなことから、世界各地の学校や地域クラブで導入しやすい競技です。2028年大会で注目を集めれば、アメリカンフットボール全体の国際的な認知度を高める入り口として機能する可能性があります。
NFLのグローバル戦略にとっての意味
NFLは近年、国際戦略を強化し、アメリカ国外での試合開催やデジタル配信を通じてファン層の拡大を図ってきました。自国開催となる2028年ロサンゼルス五輪でフラッグフットボールが実施され、そこにNFL選手が参加できるとなれば、リーグにとっては世界中の視聴者にアメリカンフットボール文化をアピールする絶好の機会となります。
ルールが複雑でとっつきにくいと見られがちなフルコンタクトのアメリカンフットボールに比べ、フラッグフットボールは構造がシンプルでスピード感もあり、初めて見る人でも比較的理解しやすい競技です。五輪という世界最大級の舞台でこの形式が紹介されることで、アメリカンフットボールへの入口としての役割も期待できます。
日本やアジアにとっての注目ポイント
日本やアジアでも、学校教育や地域クラブを中心にフラッグフットボールが徐々に広がりつつあります。2028年までの数年間で競技人口や代表争いがどう変化していくのかは、日本のスポーツファンにとっても関心の高いテーマになるかもしれません。
特に、もしNFLでプレーする選手が各国代表に加わるようになれば、五輪の試合をきっかけに新たなスターが生まれ、国際ニュースとしても大きく取り上げられる可能性があります。
これからの3年で何が変わるのか
2028年ロサンゼルス五輪までは、まだ約3年あります。その間に注目したいのは、次のような点です。
- 選手の安全基準や保険など、NFLと各国代表とのルール作りがどこまで整備されるか
- どの程度の数のNFLスター選手がフラッグフットボール代表として五輪に参加するのか
- 五輪をきっかけに、フラッグフットボールやアメリカンフットボールが世界各地でどれだけ普及するのか
- 日本代表を含む各国が、短期間でどこまで競技レベルを引き上げられるか
NFL選手の参加承認は、単なるルール変更にとどまらず、アメリカンフットボールという競技が国際スポーツの舞台でどのような位置を占めるのかを左右する一歩になりそうです。2028年に向けて進む調整の行方を、今後も丁寧に追っていきたいニュースです。
Reference(s):
NFL owners approve players participation in 2028 Olympic flag football
cgtn.com








