ジョコビッチがジュネーブ優勝 テニス通算100タイトルの重み
男子テニスのノバク・ジョコビッチがジュネーブ・オープンで優勝し、シングルス通算100タイトルに到達しました。国際ニュースとしても注目されたこの節目の勝利を、日本語で整理して振り返ります。
ジュネーブ・オープン決勝でつかんだ記念すべき100勝目
ジョコビッチは、2025年のジュネーブ・オープン決勝でフベルト・フルカチ(ポーランド)と対戦し、5-7、7-6(2)、7-6(2)というフルセットの激戦を制しました。試合時間は3時間を超え、第2・第3セットはいずれもタイブレークにもつれ込むタフな内容でした。
第3セットでは4-3とリードされながらも、この日初めてリターンゲームでブレークに成功。相手のスライス気味のハーフボレーに対して前に出て、クロスへのフォアハンドウィナーでブレークポイントをものにしました。最後はセンターへのサービスエースで試合を締めくくり、節目のタイトルを自らのサーブでつかみ取りました。
この優勝は、38歳の誕生日からわずか2日後の出来事でした。スタンドには家族が多く駆けつけ、ジョコビッチは「ここで100勝目を挙げられたことに、ただ感謝している。簡単な道ではなかった」と語っています。表彰式ではコート上に「100」をかたどった金色のバルーンも並び、節目を象徴する演出となりました。
史上3人だけの「100タイトルクラブ」
今回の勝利により、ジョコビッチは男子シングルスでツアー通算100タイトルに到達しました。この数字に乗せている男子選手は、オープン化以降ではわずか3人です。
- ジミー・コナーズ:109タイトル(最多記録)
- ロジャー・フェデラー:103タイトル
- ノバク・ジョコビッチ:100タイトル
すでにグランドスラム(四大大会)通算24勝、全仏オープン優勝3回を誇るジョコビッチですが、100という節目の数字は「タイトルの量」という別軸でもレジェンドたちと肩を並べたことを意味します。また、オープン化以降では、20シーズン連続でタイトル獲得を続けている初の男子選手にもなりました。10代での初優勝から約20年にわたってトップレベルを維持し続けていることになります。
初タイトルから19年、つながる「縁」
ジョコビッチの100個目のトロフィーは、2006年7月にオランダのアメルスフォールトで挙げた初優勝から、ほぼ19年を経て到達したものです。興味深いのは、そのとき決勝で破った相手がニコラス・マスー(チリ)であり、現在はフルカチのコーチを務めているという事実です。
かつて決勝で対戦した選手の教え子と、19年後の決勝で相まみえる──。テニス界の世代交代と、それでもなお勝ち続けるジョコビッチのキャリアの長さが、一本の線でつながったような瞬間だと言えます。
家族の街ジュネーブで迎えた節目
今回のジュネーブ優勝には、数字以上の意味もありました。スイスのこの湖畔の街には、ジョコビッチの叔父・叔母やいとこなど、近しい親族が暮らしており、本人にとっても家族にとっても特別な場所だとされています。
ジョコビッチは、全仏オープン前最後のクレーコート大会となるジュネーブ・オープンに、ワイルドカード(主催者推薦)で遅れて出場を決めました。その理由の一つとして、最近子どもが生まれたといういとこに会いに行きたかったことを明かしています。妻と子どもたちも誕生日を祝うためにジュネーブに駆けつけ、学校を1日休んでまで一緒に過ごしたと冗談交じりに語りました。
こうした背景もあり、ジョコビッチは「ここで100を達成できたことが本当にうれしい」と繰り返しています。数字の区切りだけでなく、家族と過ごす特別な時間と場所が重なったことで、本人にとっても強く印象に残るタイトルとなったようです。
全仏オープンへの流れと、ライバルからの敬意
このジュネーブ・オープンは、全仏オープン(ローラン・ギャロス)直前の最後のクレーコート調整大会でした。当時ジョコビッチは、フランス・パリで行われる全仏オープンの初戦で、アメリカのマッケンジー・マクドナルドとの1回戦を控えていました。24度のグランドスラム制覇にさらに上積みできるかどうか、その前哨戦としても注目されていたのです。
決勝で敗れたフルカチも、表彰式でジョコビッチに対する敬意を率直に語りました。「コート内外でのあなたの振る舞い方は本当に刺激的で、成し遂げてきたことは信じられないほどだ」と述べ、偉大なチャンピオンとしての姿勢を称えています。
ジョコビッチ自身も「フベルトの方が試合を通して勝利に近かったと思う。どうやってブレークしたのか、自分でも分からない」と振り返っており、ギリギリの戦いをものにしたことがうかがえます。
2025年シーズン終盤に振り返る、100タイトルの意味
2025年もシーズン終盤に入りつつある今、あらためてこのジュネーブでの100タイトル目の勝利を振り返ると、「勝ち続けること」の難しさと、その裏にある積み重ねの重みが見えてきます。10代でツアー優勝を経験し、20シーズンにわたってタイトルを取り続ける選手は、男子テニスでも極めてまれです。
数字としての「100」は分かりやすい指標ですが、その背景には、ケガやスランプ、世代交代の波を乗り越えながらも、高いレベルの準備とモチベーションを維持し続けてきた時間があります。家族とゆかりのあるジュネーブという場所で、その節目を迎えたことは、競技としてのキャリアだけでなく、一人の人間としての歩みの象徴でもあるように映ります。
国際ニュースとしてこの出来事を追いかける私たちにとっても、「長く続けること」「結果を出し続けること」がどう成り立つのかを考えるきっかけになります。SNSでハイライトだけを追いがちな時代だからこそ、その裏にある長い時間軸にも、少し目を向けてみたくなるストーリーです。
Reference(s):
Novak Djokovic wins Geneva Open to clinch 100th career singles title
cgtn.com








