タクラマカン・ラリー2025 20歳アリーヤ・コロックが語る砂漠と成長 video poster
2025年のタクラマカン・ラリーで、セーシェル出身の20歳ドライバー、アリーヤ・コロック選手が注目を集めました。中国北西部・新疆ウイグル自治区の砂漠を舞台にしたこの国際ラリーで、彼女は総合11位(第5ステージ終了時点)につけながら、結果以上に「人間らしさ」と成長の物語を見せています。
20歳の挑戦者、タクラマカン・ラリー初参戦
アリーヤ・コロック選手は、2025年のタクラマカン・ラリーにバギーラ・レーシングの一員として初参戦しました。大会が折り返し点を迎えた第5ステージ終了時点では、総合11位と健闘していました。
舞台は、中国北西部の広大な砂漠地帯。高速区間と砂丘区間が入り交じる過酷なコースで、彼女は機械トラブルや難しい路面状況と向き合いながら、一つひとつのステージを積み重ねてきました。
燃料トラブルの中でも「一番楽しかった」第5ステージ
第5ステージは、287キロメートルにおよぶ砂漠区間でした。燃料圧のトラブルに悩まされながらも、コロック選手はこのステージを「これまでで一番好き」と振り返ります。
彼女は「かなりスピードの速い区間で、一部には砂丘もあって、とても激しかった。でも本当に楽しかった」と語りました。マシンの不調があっても、それを上回る充実感があったことが伝わってきます。
このステージでは、彼女のスポーツマンシップが光る場面もありました。走行中、クラッシュした他の競技者を見つけたコロック選手は、一度クルマを止めて様子を確認しています。「止まって無事かどうかを確かめるのは、人として当然のことだと思いました。彼は無事でした」と振り返りました。
- 燃料圧のトラブルに見舞われながらも完走
- 287キロメートルの高速かつ砂丘を含むステージ
- クラッシュした他選手の無事を確認するために一時停止
新疆ウイグル自治区の雄大な風景と、地元ファンの熱気
今回のタクラマカン・ラリーは、新疆ウイグル自治区の雄大な景観の中で行われました。コロック選手は、その風景と人々の熱心な応援に強い印象を受けたと語ります。
「これほど大きな声援を受けたのは初めてです。ここでは、みんながラリーにとても情熱的で、本当に驚きました。中国に来て、現地の人たちと出会えることがうれしいです」と話し、地元ファンへの感謝を口にしました。
砂漠の過酷さと同時に、そこで暮らす人々の温かさを感じる経験は、若いドライバーにとって大きな財産になっていきます。モータースポーツが、単なる競争を超えて、人と地域を結びつける場になっていることがうかがえます。
テニスからモータースポーツへ――意外な転身
コロック選手のキャリアは、もともとテニスから始まっていました。将来を期待されるテニス選手でしたが、15歳のときにけがを負い、競技の継続が難しくなります。
そこで彼女が選んだ新しい道が、モータースポーツでした。元レーサーである父親のマルティン・コロックさんの影響もあり、ステアリングを握る世界に飛び込みます。18歳でダカール・ラリーにデビューし、一気に注目を集めました。
今回のタクラマカン・ラリーでは、チームのエンジニアが、極端な条件にさらされるマシンの細かなセッティングを詰めてくれているといいます。家族の支えとチームの技術があってこそ、過酷なラリーに挑めることも印象的です。
残り5ステージを前に語った「これから」
第5ステージを終えた時点で、大会は残り5ステージを残していました。コロック選手は、総合順位を少しでも上げることを目標にしながら、新疆の自然とラリーそのものを楽しみたいと語っていました。
若くして世界の舞台に立つ彼女にとって、一つひとつのステージは、結果だけでなく、自分を知り、成長する機会でもあります。砂漠の中で味わう恐怖や興奮、トラブルへの対処、そして周囲の人々との出会い。そのすべてが、これからのキャリアにつながる経験になっていきます。
「強さ」と「やさしさ」を両立する新世代ドライバー
アリーヤ・コロック選手の物語は、単に有望な若手ドライバーのサクセスストーリーではありません。そこには、トラブルに直面しても笑顔で語る強さと、コース上で困っている他の選手に迷わず手を差し伸べるやさしさが同時に存在しています。
厳しい環境で自分の限界に挑みつつ、人としての行動も大事にする姿勢は、スポーツの枠を超えて共感を呼びます。国際ニュースとしてのモータースポーツを日本語で追いかける私たちにとっても、彼女の姿は「結果だけではない価値」を考えさせてくれる存在と言えるでしょう。
タクラマカン・ラリー2025の砂漠で刻まれたこのエピソードは、これからも多くの人の記憶に残り続けそうです。
Reference(s):
Aliyyah Koloc reflects on grit, growth, and Xinjiang's majesty
cgtn.com








