ラミン・ヤマル17歳、フランス粉砕 ネーションズLでスペインが5-4勝利
UEFAネーションズリーグ準決勝で、スペイン代表の17歳FWラミン・ヤマルが2得点とチャンスメイクで大暴れし、フランス代表を5-4で下してポルトガルとの決勝進出を決めました。史上最多スコアの乱打戦となった一戦を、未来のバロンドール候補はどう支配したのでしょうか。
史上最多の5-4、スペインが乱打戦を制す
欧州の代表チームが競うUEFAネーションズリーグの準決勝、スペイン対フランスは9ゴールが生まれる激戦となりました。
試合は22分、ラミン・ヤマルがペナルティーエリア手前からスルーパスを通し、受けたミケル・オヤルサバルが二人のDFを背負いながらゴール前へ折り返すと、ニコ・ウィリアムズが豪快にネットを突き刺してスペインが先制します。
その3分後、前回シュトゥットガルトでスペインを救ったミケル・メリーノが、再びオヤルサバルとのワンツーから追加点。わずか数分で2-0とリードを広げました。
フランスもテオ・エルナンデスのシュートがクロスバーをたたき、デジレ・ドゥエ、キリアン・エムバペ、ウスマン・デンベレらがチャンスをつくりましたが、GKウナイ・シモンの好守に阻まれます。
前半のうちに、レアル・マドリードのDFディーン・フイェセンが、トリックプレー気味のFKから華麗なシュートを決めたかに見えましたが、これはオフサイド判定で取り消しに。それでもスペインの攻撃は止まりませんでした。
ヤマルがPKを沈め、ペドリとともに勝負を決定づける
後半、勝負をさらに決めたのはヤマル自身でした。アドリアン・ラビオにペナルティーエリア内で倒されると、自らキッカーを務め、54分に落ち着いてPKを決めて3-0とリードを広げます。
その1分後には、ウィリアムズのパスを受けたペドリがワンタッチでボールを収め、次の一歩でGKマイク・メニャンの頭上を越えるループ気味のシュートを沈め、スコアは4-0となりました。
フランスはペドロ・ポロのファウルで得たPKをエムバペが決め、1点を返しますが、勢いは止まりません。ヤマルが再びゴール前で素早く反応し、メニャンの脇を抜くシュートでこの日2点目。5-1とした時点で、スタジアムにはスペインの圧勝ムードが漂いました。
5-1から4失点 スペインが「気を抜いた」終盤
ところが、ここから試合は思わぬ展開を迎えます。伝えられるところでは、フランスの4ゴールのうち3ゴールは、スペインが5-1とした後に生まれました。大差をつけて余裕が生まれたスペインが、どこかで試合を終わったものと見てしまった場面でもありました。
まずエムバペが、4点ビハインドから得たPKを決めます。この時点では「慰めの1点」に見えましたが、ここからフランスの控え組が流れをつかみます。
フランス代表デビュー戦となった途中出場のライアン・シェルキが、ヤマルの5点目の直後にゴールを奪取。さらにスペインのDFダニエル・ビビアンのオウンゴールが生まれ、試合は一気に緊張感を取り戻しました。
後半アディショナルタイムには、シェルキのラストパスから同じく途中出場のランダル・コロ・ムアニがネットを揺らし、スコアは5-4。フランスがあと一歩で奇跡の逆転劇まで迫る形となりました。
それでもスペインは最後の数分を守り切り、乱打戦を制して決勝行きを決めています。
「勝つにふさわしい内容」ヤマルが示した3つのインパクト
試合後、ヤマルは「素晴らしい試合でした。終盤は少し危なくなりましたが、とても良いプレーができたし、勝つに値したと思います」と振り返りました。
17歳のウイングが、この大舞台で示したインパクトは少なくとも3つあります。
- 決定力と冷静さ:自ら獲得したPKを54分にきっちり沈め、終盤にも5点目を奪取。スコアや雰囲気に飲まれないメンタルの強さが光りました。
- チャンスメイク能力:先制点の場面では、オヤルサバルへ鋭いスルーパスを供給。ゴールだけでなく、攻撃全体のリズムをつくる役割も担いました。
- 「バロンドール候補」同士の直接対決を制覇:試合前は、将来のバロンドール候補とされるヤマル、ドゥエ、デンベレの「スター競演」として注目されましたが、この日はヤマルが抜きん出る形となりました。
PSG勢に疲労の色 フランスは追い上げ届かず
この準決勝は「若きスター対決」としても報じられましたが、パリ・サンジェルマン(PSG)のドゥエとデンベレにとっては、厳しいコンディションでの一戦でした。ミュンヘンで行われたUEFAチャンピオンズリーグでPSGが優勝した直後とあって、その数日後の代表戦となったフランスの選手には疲労の影響もあったとみられます。
ドゥエとデンベレが期待されたほどの輝きを見せられなかった一方で、途中から投入されたシェルキやコロ・ムアニといったフレッシュなメンバーが終盤の猛攻をけん引しました。とはいえ、5-1というスコアからの追い上げは最後一歩届かず、フランスにとっては悔やまれる90分となりました。
ポルトガルとの決勝へ スペイン新世代の象徴に
この勝利でスペインは、前日に開催国ドイツを2-1で破ったポルトガルとの決勝進出を決めました。ネーションズリーグという公式国際大会の決勝は、若きスペイン代表にとって、国際舞台での存在感をさらに強めるチャンスとなります。
ニコ・ウィリアムズ、ペドリ、ヤマルといった10代〜20代前半の選手たちが、大一番で堂々と結果を残した今回の準決勝は、スペイン代表の「新時代の幕開け」を象徴する試合として記憶されるかもしれません。
一方で、5-1から5-4まで迫られた終盤の不安定さは、今後の課題として残りました。ゲームを完全に締め切るマネジメントや、リードしている時間帯での集中力維持など、経験値がものを言う部分もあります。
それでも、17歳のヤマルが世界トップレベルの舞台で見せたパフォーマンスは、今後のクラブと代表でのキャリア、そして将来のバロンドール争いを占う上でも大きな意味を持ちそうです。
Reference(s):
Yamal shines in Spain's win over France in Nations League semifinal
cgtn.com








