イタリア代表、モルドバ撃破もスパレッティ退任へ W杯予選は不安な船出
2026年ワールドカップ予選でイタリア代表がモルドバに2-0で勝利しましたが、この試合はルチアーノ・スパレッティ監督にとって最後の一戦となりました。国際ニュースとしても注目の一戦は、結果以上にイタリア代表の行方と指揮官交代のインパクトを浮き彫りにしています。
モルドバに2-0勝利 W杯予選グループIは出遅れ
イタリア代表は、2026年ワールドカップ欧州予選の初勝利をモルドバ戦で挙げました。前半にジャコモ・ラスパドーリ、後半にアンドレア・カンビアーゾが得点し、2-0の勝利を収めています。
それでも、イタリアはグループIで3位に位置し、首位ノルウェーとは勝ち点9差があります。イタリアはノルウェーよりも消化試合が2試合少ないとはいえ、直接出場できるのは首位のみで、現実的には2位でのプレーオフ行きが最も可能性の高いシナリオと見られています。
ただし、イタリアは直近2大会のワールドカップ出場をいずれもプレーオフで逃しており、3大会連続で本大会を欠場するリスクもはっきりと見えています。
スパレッティ体制、静かな幕切れ
スパレッティ監督は、このモルドバ戦が事実上のラストゲームであることを知らされたうえで指揮を執っていました。金曜日のノルウェーとの初戦で0-3と完敗したあと、解任が決まったとされています。
監督はイタリアの公共放送Raiに対し、「代表監督である以上、言い訳はできない。選手を選ぶのは自分だ」と語り、「違いを生み出すのは監督でなければならないが、残念ながら私にはそれができなかった」と、自身の責任を認めるコメントを残しました。
試合が行われたレッジョ・エミリアのスタジアムでは、2-0の勝利にもかかわらず、スタンドの雰囲気はどこか平板で、歓喜というより安堵に近い空気が漂っていたと伝えられています。数字の上では「必要な勝ち点3」を得た一方で、チームの未来に対する明るい材料は多くありませんでした。
揺らぐ「イタリアらしさ」 アイデンティティークライシス
イタリア代表は、欧州選手権のタイトル防衛に失敗し、ベスト16での敗退という「失意の終幕」を経験しました。スパレッティ体制はその後始末と再建を託された形でしたが、結果的には短期間での退任となります。
攻守のバランス、ボール保持と堅守速攻のどちらに軸足を置くのか、ベテランと若手をどう組み合わせるのか。イタリア代表は、自分たちがどのようなサッカーを目指すのかという「アイデンティティ」を定めきれないまま、ワールドカップ予選という結果が最重要の局面に突入しているように見えます。
3大会連続不出場の危機とプレーオフの重圧
今回の予選方式では、グループ首位のみがアメリカ、カナダ、メキシコで行われる来年の本大会にストレートインできます。2位以下はプレーオフに回る可能性があり、イタリアの現状を考えると、プレーオフ進出が現実的なターゲットになりつつあります。
しかし、イタリアは過去2大会のワールドカップ予選で、いずれもプレーオフで敗退して本大会出場を逃しています。一発勝負のプレッシャーが高い舞台で、過去の記憶が重くのしかかる展開になれば、選手たちのメンタル面にも影響しかねません。
勝ち点9差を追いかけるうえで、イタリアに残されたのは「取りこぼしゼロ」に近い戦い方と、内容面の説得力を同時に取り戻すことだと言えます。
次期監督候補は73歳ラニエリ 「もう一度奇跡を」の声
イタリアサッカー連盟の次期監督候補として、有力視されているのがクラウディオ・ラニエリ氏です。イタリア国内メディアでは、連盟が最有力候補としてラニエリ氏をリストアップしていると広く報じられています。
ラニエリ氏は73歳。今季終了後に現場からの引退を表明しましたが、かつての愛するクラブであるローマを降格圏付近から5位まで押し上げるという「小さな奇跡」を演じたばかりです。現在は、ローマのアメリカ人オーナーの下でコンサルタントとして働いています。
それでも、イタリアメディアの一部では、愛称「サー」と呼ばれるラニエリ氏に対し、再びベンチに戻るよう「事実上の嘆願」に近いキャンペーンが続いています。代表チームが「どん底」に近い状態にある今こそ、豊富な経験と安定感のあるマネジメントが必要だという期待が背景にあります。
イタリア代表の「次の一手」 私たちが見るべきポイント
スパレッティ監督の退任によって、イタリア代表は新たなスタートラインに立たされました。誰が次期監督に就任するにせよ、問われるのは個々のスター選手ではなく、代表チームとしての方向性と一貫性です。
国際ニュースとしてサッカーを追いかける日本語読者にとって、今後注目したいポイントは次のような点です。
- イタリアサッカー連盟が次期監督として誰を選ぶのか(ラニエリ氏が応じるのか、それとも別の名前か)
- グループIでの巻き返しと、首位ノルウェーとの勝ち点差をどう詰めていくのか
- プレーオフに回った場合、過去2大会のトラウマをどう乗り越えるのか
- 欧州選手権の失敗を経て、イタリア代表がどのようなスタイルとアイデンティティを再構築していくのか
2026年ワールドカップ本大会まで残された時間は多くありません。モルドバ戦の2-0というスコアの裏側には、結果以上に重いテーマが横たわっています。イタリア代表の再出発が、今後の国際サッカーの勢力図にどのような影響を与えるのか、引き続きウォッチしていきたいところです。
Reference(s):
Italy beat Moldova as troubled Spalletti era comes to an end
cgtn.com








