アルカラス、クイーンズ初戦で冷や汗勝利 ウォルトンの猛追を退ける
今季の全仏オープンでタイトル防衛に成功した世界ランク2位のカルロス・アルカラス(スペイン)が、ロンドンのクイーンズ・クラブで行われた芝コートシーズン初戦でアダム・ウォルトン(オーストラリア)を6-4、7-6(4)で下しました。スコア以上に苦しんだ一戦は、アルカラスの現在地と芝への適応をうかがわせる内容となりました。
全仏連覇直後、芝初戦はストレート勝利も内容は接戦
全仏オープンでのタイトル防衛を終えたばかりのアルカラスは、クイーンズ・クラブの初戦で「ラッキールーザー」のアダム・ウォルトンと対戦しました。ラッキールーザーとは、予選で敗退しながら本戦選手の欠場により繰り上げ出場する選手のことです。
当初、アルカラスは同じスペインのアレハンドロ・ダビドビッチ・フォキナと対戦する予定でしたが、ダビドビッチ・フォキナが体調不良で欠場。その穴を埋める形でウォルトンが出場しました。
試合はストレートでの勝利となったものの、一方的な展開とは言えませんでした。特に芝コート特有の速い展開の中で、アルカラスは随所で対応を迫られる場面がありました。
第1セット:第10ゲームでのピンチをしのぐ
第1セットは互いにサービスキープが続く展開となりましたが、5-4とリードしたアルカラスのサービスゲームで、ウォルトンが勝機をつかみかけます。
- ウォルトンが2本のブレークポイント(相手のサービスゲームを破るチャンス)を獲得
- しかし、重要な場面でワイドへのサーブと、やや力の入ったショットがアウトに
- アルカラスがこのピンチをしのいでキープし、6-4でセットを先取
スコア上はアルカラスがリードを保った形ですが、内容としてはウォルトンが積極的にプレッシャーをかけ、世界2位相手にひるまないプレーを見せたセットでした。
第2セット:タイブレークまでもつれた緊張の攻防
第2セットはさらに拮抗した展開となり、両者ともに決定的なブレークを許さず、タイブレークにもつれ込みました。
タイブレークでも互いにサービスキープが続き、4-4と緊張感の高いスコアに。ここでアルカラスが、タイブレーク唯一となるミニブレーク(相手のサービスを破ること)に成功します。
- 4-4からアルカラスが貴重な1ポイントをリターンで奪取
- その後は自らのサービスをしっかりキープ
- 最後は得意のフォアハンドのウィナー(決定打)で試合を締めくくる
結果として7-6(4)で第2セットもものにし、ストレートで2回戦進出を決めましたが、内容としては紙一重の勝負でした。
アルカラス「芝に戻れてすごく幸せ」 9日間の調整を語る
試合後、アルカラスは芝コート復帰の心境についてこう振り返りました。
「調子はとても良いですし、芝に戻ってこられて本当にハッピーです。芝は自分にとって特別なサーフェスで、この会場も特別な場所です。この9日間で、休養も取りましたし、練習もして、また試合もできました。本当に良い9日間で、ここに戻ってこられてうれしいです」とコメントしました。
全仏オープンという長くタフな大会を戦い抜いた直後だけに、「休む」「練習する」「試合に入る」というリズムを短期間で整える必要がありました。その中での接戦勝利は、今後の芝シーズンに向けて、調整が順調に進んでいることを示すものと言えます。
次戦はムナルと「スペイン対決」に
アルカラスは、クイーンズ・クラブでの2回戦で再びスペインの選手と対戦します。次の相手はハウメ・ムナル(Jaume Munar)。
ダビドビッチ・フォキナとのスペイン対決は直前の欠場で実現しませんでしたが、2回戦であらためて同胞対決が組まれることになりました。クイーンズ・クラブという伝統ある大会の中で、スペイン勢同士がどのようなテニスを見せるのか注目が集まります。
ウォルトンの健闘が物語る「層の厚さ」
今回、ラッキールーザーとして本戦入りしたウォルトンが、世界2位のアルカラスをここまで追い詰めたことは、男子ツアー全体の競争の激しさを象徴しています。
- 予選敗退からの繰り上がり出場という立場
- それでも第1セットでブレークポイントを握るなど、積極的なプレーを展開
- 第2セットでも最後まで集中力を切らさず、タイブレークに持ち込む粘り
最終的には経験と勝負どころの強さでアルカラスが上回りましたが、ウォルトンにとっても価値のある一戦となりました。こうした「番狂わせ寸前」の試合が増えることは、ツアー全体の見どころを一段と増やしていきます。
芝シーズン序盤で見えたアルカラスの現在地
スコアだけを見ればストレート勝利ですが、内容を見ると、アルカラスにとっては「簡単ではなかった初戦」です。とはいえ、
- 要所でサービスゲームを守り切る集中力
- タイブレーク4-4からギアを一段上げる勝負強さ
- 全仏後わずか9日で芝に対応してきた順応力
といった強みが改めて示された試合でもありました。芝シーズン序盤の一戦としては、課題と収穫がバランスよく詰まった内容だったと言えるでしょう。
今後、芝コートで試合を重ねる中で、アルカラスのプレーがどこまで洗練されていくのか。クイーンズ・クラブでの戦いは、そのプロセスを間近で確認できる舞台となっています。
Reference(s):
Alcaraz survives late scare against Walton in opener at Queen's Club
cgtn.com








