フロリダ・パンサーズがスタンリーカップ連覇 NHLで今世紀3チーム目
フロリダ・パンサーズがNHL連覇、ホームで歓喜
NHLスタンリーカップ決勝第6戦で、フロリダ・パンサーズがエドモントン・オイラーズを5対1で下し、2年連続で王座に就きました。2020年と21年に連覇したタンパベイ・ライトニング以来、今世紀3チーム目となる連覇です。
この記事のポイント
- フロリダ・パンサーズがスタンリーカップ決勝第6戦でエドモントン・オイラーズに5対1で勝利し、2年連続優勝
- サム・ラインハートが4得点の大爆発。スタンリーカップ決勝での4得点は1957年以来
- サム・ベネットがプレーオフMVP(コン・スマイス賞)を受賞し、チームは「ダイナスティ」への手応え
第6戦は5対1、連覇を決めた一夜
現地火曜日に行われたスタンリーカップ決勝第6戦は、フロリダ・パンサーズが本拠地でエドモントン・オイラーズを5対1で下し、シリーズを制しました。NHLでの連覇は、2020年と2021年のタンパベイ・ライトニング以来で、今世紀では3チーム目の快挙です。
試合後、NHLコミッショナーのゲーリー・ベットマン氏は、キャプテンのアレクサンダー・バーコフに銀色のスタンリーカップを手渡す前に、「サウスフロリダのみなさん、こんばんは。まるでついこの前も同じことをしたように感じます」とあいさつしました。スタンドは歓声に包まれ、リンクの上では選手たちが抱き合いました。
ラインハート4得点と「ラット」が舞うリンク
この夜の主役のひとりが、フォワードのサム・ラインハートでした。ラインハートは4ゴールを決め、スタンリーカップ決勝の一試合で4得点を記録したのは、1957年のモーリス・リシャール以来となる、リーグ史上6人目の快挙となりました。
3点目が決まってハットトリックを達成すると、観客席からは帽子だけでなく、フロリダ名物のネズミの人形やプラスチック製の「ラット」も次々にリンクへ投げ込まれました。第3ピリオド終盤、勝利が決定的になった瞬間にも、再び大量のラットが氷上を埋め尽くし、連覇の歓喜を象徴する光景となりました。
ラインハートは試合後、「この2回目の優勝も、最初のときと同じくらい素晴らしいです。前回から学んだことを生かし、最後までアクセルを踏み続けた。その結果がすべてを物語っています」と語り、連覇の重みを噛みしめました。
トカチュクが締めくくり、ボブロフスキーがゴールを死守
フランチャイズの顔のひとりであるマシュー・トカチュクは、この試合でスタンリーカップを決定づけるゴールを挙げました。得点後には、観客席の熱気が一段と高まり、ホームリンクは完全にパンサーズの空気に包まれました。
ゴール前では、守護神セルゲイ・ボブロフスキーが冷静なセーブを積み重ねました。被シュート29本のうち28本を止め、オイラーズの反撃をほぼ完璧に封じました。オイラーズが1点を返したのは試合終盤で、得点者はロシア出身のフォワード、ヴァシリー・ポドコルジン。勝敗がすでにほぼ決していた時間帯のゴールでした。
試合終了が近づくと、観客は一斉に「We want the Cup!」とコール。実際には、パンサーズはすでに前年の王者であり、そのカップを守り抜いたかたちですが、ファンは改めてトロフィーの帰還を求めて声を張り上げました。
3年連続の決勝進出、「ダイナスティ」への自負
パンサーズは、ここ3年連続でスタンリーカップ決勝に進出しており、そのうち11のプレーオフシリーズで勝利してきました。マシュー・トカチュクがトレードで加入し、ポール・モーリス監督が就任した2022年夏以降、チームは安定して勝ち続けています。
トカチュクは「これで自分たちはダイナスティ(王朝)と呼ばれていいはずです。3年連続で決勝に進み、2度の優勝を達成した。特別なグループです」と胸を張ります。サラリーキャップ制の下で戦力が拮抗する現代NHLでは、短期間にこれほどの結果を出し続けるのは容易ではありません。
一方で、この3年間が常に順風満帆だったわけではありません。唯一、決勝で敗れたのは2023年のラスベガスでのシリーズでした。当時は主力にケガ人が続出し、重い傷を抱えたまま氷上に立つ選手も多かったとされます。
健康なロスターと補強が生んだ連覇
今季のパンサーズは、コアとなるトカチュク、ラインハート、バーコフ、サム・ベネットらを中心に、ロスター全体が比較的健康な状態でプレーオフに臨みました。さらにトレード期限前には、ブラッド・マーチャンドとセス・ジョーンズという重要な戦力を加え、層の厚さを手にしました。
プレーオフを通じて最もゴールを決めたのは、フォワードのベネットで、その数は15に達しました。マーチャンドも決勝シリーズだけで6ゴールを挙げる活躍を見せています。こうした貢献が評価され、ベネットはポストシーズン最優秀選手に贈られるコン・スマイス賞を受賞しました。
バーコフは、カップを受け取った後、まずは初優勝となるネイト・シュミットにトロフィーを手渡しました。続いて、これまでタイトルに縁のなかったチームメートたちが次々とスタンリーカップを掲げ、笑顔と涙が入り交じる輪が広がりました。シュミットは「この場所に立てているのが信じられない。笑うべきなのか、泣くべきなのか分からないくらいです」と感慨を語りました。
NHL勢力図の中でフロリダが示したもの
わずか数年前まで、フロリダ州のアイスホッケーといえば、タンパベイ・ライトニングの強さが際立っていました。そこにパンサーズが加わり、同じ州から2つの強豪が生まれたことで、NHLの地理的な勢力図にも静かな変化が見え始めています。
非伝統的なホッケー市場と見られてきた南部の地で、これだけ熱狂的なファンベースと強豪チームが育ったことは、リーグ全体にとっても象徴的です。ラットが舞うリンクの光景は、フロリダが「ホッケーの地」として確かな存在感を示した証と言えるでしょう。
今後、パンサーズがどこまで勝ち続け、真の意味での長期王朝と呼ばれる存在になれるのか。NHLの国際的な人気が高まり続ける中で、その歩みは日本のホッケーファンや北米スポーツに関心を持つ読者にとっても、注目すべきストーリーとなりそうです。
Reference(s):
Panthers repeat as Stanley Cup champions by beating Oilers in 6 games
cgtn.com








