新疆ウイグルの14歳、サッカーで中国代表を目指す少年の物語 video poster
中国U14代表の一員としてプレーする新疆ウイグル自治区出身の14歳、Zulal Tursun。カシュガルの路上サッカーから始まった夢と、中国をピッチで誇りにしたいという決意が、国際ニュースとしても静かな注目を集めています。
この記事のポイント
- 新疆ウイグル自治区カシュガルの路上サッカーから、わずか4年で中国U14代表に選出
- 両親の当初の反対や、ゴールキーパーからディフェンダーへのポジション転向などの試練を経験
- 将来は、より高いレベルの代表チームでプレーし、中国を誇りにしたいと語る
- CGTN Sports Sceneのインタビューで、自身の夢と歩みを落ち着いた口調で共有
路地裏から中国U14代表へ
新疆ウイグル自治区のカシュガルの街角でボールを追いかけていた一人の少年が、今、中国のU14ナショナルチームの一員としてプレーしています。その少年がZulal Tursunです。
彼のサッカー人生は、整備されたグラウンドではなく、カシュガルの路上から始まりました。友人たちとボールを蹴り合う中で芽生えたサッカーへの情熱が、やがて本格的な挑戦へとつながっていきます。
カシュガルのストリートが原点
Zulalの原点は、日常の延長線上にある遊びのサッカーでした。学校の授業が終われば、仲間とともに路上へ。限られたスペースでボールを扱う経験は、足元の技術や判断の早さを自然と鍛えることにもつながります。
「特別な環境」ではなく、身近な場所からでも、大きな舞台への扉は開き得る。そのことを、彼の歩みは静かに示しています。
わずか4年で代表入り
カシュガルの路上から中国U14代表に選ばれるまでにかかった時間は、わずか4年です。短い期間で全国レベルの舞台に到達した背景には、日々の積み重ねと、困難を前にしても諦めなかった姿勢があります。
トレーニング環境の変化やレベルの高い選手たちとの競争の中で、自分のプレーを見つめ直しながら成長してきたことがうかがえます。
家族の迷いとポジション転向を乗り越えて
Zulalの道のりは、順風満帆だったわけではありません。サッカーに打ち込もうとする彼に対し、当初、両親は積極的には賛成していなかったとされています。学業との両立や将来への不安など、家族が悩む理由はどこにでもあるものです。
それでも彼はサッカーを続け、実力を伸ばしていきました。結果として、代表チームの一員となった現在の姿は、家族との対話と努力の積み重ねの先にあるものだと言えます。
さらに、彼には大きな転機もありました。ゴールキーパーからディフェンダーへのポジション転向です。
ゴールキーパーからディフェンダーへ
ゴールキーパーとディフェンダーでは、求められる役割も視野の使い方も大きく異なります。最後の砦としてシュートを止める立場から、守備ラインを統率し、ビルドアップにも関わるポジションへと変わることは、10代の選手にとって小さくない挑戦です。
ポジション転向には、新たな技術の習得だけでなく、自分のプレースタイルに対する考え方を柔軟に変えていく姿勢が求められます。それを乗り越えてU14代表までたどり着いた事実は、彼の適応力と粘り強さを物語っています。
CGTNが伝えた「中国を誇りにしたい」という思い
Zulalは、国際ニュースチャンネルCGTNのスポーツ番組CGTN Sports Sceneで、Shen Xiangと対談し、自身の夢を語りました。新疆ウイグル自治区出身のティーンエイジャーが、中国代表のユニフォームに袖を通して感じることを、自分の言葉で伝えています。
インタビューの中で彼は、次のような将来像を描いているとされています。
- 今より高いレベルのナショナルチームにステップアップしたい
- ピッチの上でのプレーを通じて、中国を誇りにしたい
その言葉からは、個人として成功したいという思いだけでなく、自分を育ててくれた環境やチーム、国に対する感謝と責任感も読み取れます。
次のステージを見据える14歳
まだ14歳でありながら、「次のレベル」を明確に意識していることは印象的です。年齢的には長いキャリアがこれから始まる段階であり、一つひとつの試合や練習が、将来の代表選出への布石となっていきます。
若い世代のアスリートが、自分の夢を言語化し、公の場で宣言することは、自身への約束であると同時に、同世代の子どもたちへのメッセージにもなります。
新疆発、中国サッカーの新しい可能性
Zulalの物語は、新疆ウイグル自治区のような多様な地域からも、中国サッカーを支える新しい才能が次々と生まれていることを示しています。地方の街から世界を目指す姿は、多くの子どもたちにとって身近なロールモデルとなり得ます。
また、当初はサッカーに慎重だった両親の存在は、家族とスポーツの関係について考えるきっかけも与えてくれます。時間をかけて理解を深め、成果を目にすることで、周囲の見方が変わっていくプロセスは、多くの家庭にも共通するテーマです。
スポーツは、個人の才能を磨くだけでなく、地域や社会全体の視野を広げる力を持っています。Zulalのような若い選手が国際的な舞台を目指すことは、中国サッカーの将来にとっても、心強い兆しと言えるでしょう。
「夢を追う」という普遍的なメッセージ
カシュガルの路上から中国U14代表へ。Zulal Tursunの歩みは、才能だけでなく、環境の制約や家族との向き合い方、ポジション転向という変化を受け止めてきた結果として形になったものです。
彼のストーリーが伝えているのは、「出発点がどこであっても、情熱と努力があれば道は開ける」という、ごくシンプルでありながら強いメッセージです。国や地域を超えて、多くの若い読者にとっても、自分の夢をどこまで信じ切れるかを静かに問いかけるニュースと言えるのではないでしょうか。
Reference(s):
Passion for sport drives Xinjiang teenager to chase his football dream
cgtn.com







