ウィンブルドン初戦、ジョコビッチが奇跡の錠剤に感謝 25度目GSへ好発進
今年のウィンブルドン選手権男子シングルス1回戦で、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が体調不良を乗り越えて勝利し、試合後に医師が用意した「奇跡の錠剤」に感謝の言葉を述べました。男子シングルス通算25度目のグランドスラム優勝という前人未到の記録に向けた挑戦は、38歳となった今も続いています。
スコアと試合展開:一気に揺れた第2セット
国際ニュースとしても注目を集めるウィンブルドンのセンターコートで、ジョコビッチはフランスの世界ランキング41位、アレクサンドル・ミュラーと対戦しました。スコアは6-1、6-7(7)、6-2、6-2。ナイトマッチとなった一戦は、ベテランの底力とコンディション管理の難しさが同時に表れた内容でした。
第1セットはジョコビッチが3度のブレークに成功し、6-1と圧倒。ところが第2セットでは流れが一変します。ミュラーが粘りを見せてタイブレークにもつれ込み、ジョコビッチはタイブレーク9-7でこのセットを落としました。
それでも、第3セット以降は再びギアを上げ、要所でリターンゲームをものにしたジョコビッチが6-2、6-2と連取。危なげないスコアに見えますが、その裏側には本人いわく「絶好調から絶不調へ」の急変があったといいます。
「絶好調から絶不調へ」奇跡の錠剤でエネルギー回復
試合後、ジョコビッチは「最初のセットと、その途中までは自分でも驚くほどいい感覚だったが、その後の約45分間は今大会で最悪のフィーリングだった」と振り返りました。原因については「胃腸の不調だったのかどうか分からない」としながらも、明確な体調の変化があったとしています。
ベンチでメディカルチームの診察を受けた後、ジョコビッチは医師から渡された錠剤を口にし、その後は再びコート上でエネルギーを取り戻しました。本人はこれを半ば冗談めかして「医師の奇跡の錠剤のおかげで、最後は良い形で試合を終えられた」と表現しています。
トップアスリートの世界では、合法的な範囲でのサプリメントや医療サポートは今や当たり前になっています。今回の「奇跡の錠剤」という言葉は、コンディション調整が勝敗を左右する現代スポーツの現実を象徴しているとも言えます。
38歳、7度の優勝を誇る王者の現在地
ジョコビッチは、オールイングランド・クラブ(ウィンブルドン会場)でこれまで7度優勝してきた絶対的王者です。2018年以降は、出場したすべての大会で決勝に進出しているとされ、芝生コートでの安定感は群を抜いています。
一方で、本人も時間との戦いに直面していることを自覚しています。38歳という年齢はテニス選手としてはベテランの域であり、長時間の試合や連戦での負担は若い頃とは比べものになりません。それでもなお、グランドスラム(4大大会)の最多優勝記録を更新し続ける姿は、多くのファンにとって「今この瞬間を見届けたい」物語になっています。
今回の初戦で見せた、体調不良からの立て直しは、単なる1勝以上の意味を持つかもしれません。若い世代に主役の座を譲りつつも、簡単には舞台を降りないというメッセージにも読めます。
アルカラスとシナー、新世代の台頭
男子テニスの国際ニュースを追っている読者にとって、カルロス・アルカラス(スペイン)とヤニック・シナー(イタリア)の名前は、もはやおなじみになりつつあります。2人は20代前半ながら、すでに男子テニスのトップ争いを固めつつある存在です。
ジョコビッチは、こうした新世代がツアーの主導権を握り始めている現状をよく理解しています。芝、ハード、クレーとサーフェスを問わず結果を出す彼らに対し、ベテランは経験と戦術、そして体調管理で対抗しなければなりません。
今回のウィンブルドンでも、アルカラスやシナーがタイトル候補の一角と見られる中で、ジョコビッチがどこまで勝ち進めるかは、男子テニスの「世代交代」がどの段階にあるのかを測る一つの指標になりそうです。
ズベレフは早期敗退、ドローの力学も変化
一方で、男子テニスのトップ選手の一人とされるアレクサンダー・ズベレフは、今大会からすでに姿を消しました。詳細な試合内容は別途伝えられる見込みですが、早期敗退となったことは事実上、優勝争いの構図にも影響を与えます。
有力選手の一人がドロー(組み合わせ)からいなくなったことで、別の選手にとってはチャンスが広がり、観る側にとっては波乱含みの展開が続く可能性もあります。ジョコビッチにとっても、どの選手とどのラウンドで当たるかという巡り合わせは、タイトル獲得の難易度を左右する要素の一つです。
今回の試合から見える男子テニスの今
今回のウィンブルドン初戦で印象的だったポイントを、あらためて整理してみます。
- ジョコビッチは第2セットで体調不良に苦しみながらも、医師のサポートと自らの経験で試合を立て直した。
- 38歳となった王者は、男子シングルス25度目のグランドスラム優勝という歴史的記録に向けて、なおも挑戦を続けている。
- アルカラスやシナーといった新世代がトップ争いを強める一方で、ズベレフの早期敗退など、ドローは流動的で波乱の余地も大きい。
ベテランと新世代が同じ舞台でせめぎ合う現在の男子テニスでは、単に技術や体力だけでなく、コンディション管理やメンタル、そしてチームとしてのサポート体制がますます重要になっています。
ジョコビッチが語った「絶好調から絶不調へ」というジェットコースターのような感覚と、それを「奇跡の錠剤」で乗り越えたというエピソードは、トップレベルの試合がいかにギリギリの状態で戦われているかを物語っています。ファンとしては、こうした舞台裏を踏まえながら、今後の試合を追いかけていきたいところです。
Reference(s):
Djokovic thanks "miracle pills" after Wimbledon win, Zverev bows out
cgtn.com








