クラブワールドカップで波乱 欧州サッカーの支配は終わるのか video poster
クラブワールドカップで前評判の高かった欧州の強豪クラブが、アジアと南米のクラブに次々と敗れる波乱が起きています。サッカー界で長く続いてきた「欧州一強」は、本当に揺らぎ始めているのでしょうか。
アル・ヒラル、フルミネンセ、ボタフォゴが起こした「事件」
今大会の象徴的な出来事が、次の3試合です。
- サウジアラビアのアル・ヒラルが、イングランドのマンチェスター・シティを撃破
- ブラジルのフルミネンセが、イタリアのインテルを下し大会から排除
- 同じくブラジルのボタフォゴが、フランスのパリ・サンジェルマン(PSG)を相手に金星
いずれも、資金力と選手層で世界トップクラスとされてきた欧州のクラブが、アジアや南米のクラブに敗れた試合です。「番狂わせ」と片付けるには、あまりにも続きすぎているように見えます。
欧州サッカーの支配は本当に終わるのか
ここ十数年、クラブワールドカップでは欧州勢が優勝争いをほぼ独占してきました。欧州5大リーグのクラブは、豊富な放映権収入やスポンサー収入を背景に、世界最高峰の選手を集めてきたからです。
しかし、今大会ではその「常識」が崩れた形になっています。だからといって、すぐに欧州サッカーの時代が終わったと結論づけるのは早計です。ただし、次のような変化が進んでいることは確かでしょう。
- アジアや南米でも、資金力と育成を両立させたクラブが増えている
- 戦術面での情報格差が縮まり、欧州のスタイルが「標準化」されつつある
- 一発勝負のトーナメントでは、「個の力」だけでなく、組織力とメンタルがより重要になっている
南米の「粘り」とアジアの「台頭」
今回の波乱を象徴するキーワードとして、「南米の粘り強さ」と「アジア勢の台頭」が挙げられます。
ブラジルのフルミネンセとボタフォゴは、テクニックに加えて、90分を通じて集中を切らさない粘り強さを見せました。欧州の強豪を相手にボール支配率で劣っても、少ないチャンスを確実に生かし、守備では最後の一瞬まで身体を投げ出す。その姿勢が、結果として勝利につながったと言えます。
一方、アル・ヒラルの勝利は、アジアクラブの躍進を象徴しています。近年、アジアのクラブはインフラや指導者、分析部門への投資を進めており、フィジカル面だけでなく、戦術理解度や試合運びの巧みさでも欧州クラブと互角に渡り合う場面が増えています。
「一強」から「多極化」へ? これからのクラブ世界一争い
では、世界のクラブ勢力図はこれからどう変わっていくのでしょうか。
今回のように、欧州のビッグクラブが早い段階で姿を消す大会が続けば、「クラブ世界一」が必ずしも欧州王者とは限らない時代が訪れるかもしれません。南米やアジアのクラブが、継続的にベスト4や決勝に顔を出すようになれば、選手の移籍市場や放映権の価値、スポンサーの関心も、より「多極化」していく可能性があります。
一方で、欧州クラブにとっても、この結果は危機であると同時に、戦い方を見直すきっかけになりえます。コンディションの管理、対戦相手の分析、クラブの哲学を貫く采配――。資金力に頼るだけでなく、細部のクオリティを高めることが、今後ますます求められるでしょう。
今大会の結末は「新時代」の象徴になるか
南米のクラブか、アジアのクラブか。それとも別のクラブが頂点に立つのか。今大会でクラブ世界一の座に就くクラブは、単にトロフィーを掲げるだけでなく、「欧州一強時代の節目」を象徴する存在になるかもしれません。
クラブワールドカップは、各大陸のサッカー文化とスタイルがぶつかり合う、貴重な舞台です。今回の波乱は、サッカーが依然として予測不可能で、だからこそ世界中のファンを惹きつけ続けている競技であることを、あらためて思い出させてくれます。
Reference(s):
cgtn.com








