ジョコビッチが逆転でウィンブルドン8強入り 25度目GSへ前進
テニスの四大大会ウィンブルドンで、ノバク・ジョコビッチ選手が第11シードのアレックス・デミノール選手に逆転勝利し、男子シングルス準々決勝進出を決めました。7度の優勝を誇る芝の王者は、前人未到の25回目の四大大会制覇に向けて、今大会でも存在感を示し続けています。
- スコアは1−6、6−4、6−4、6−4の逆転勝ち
- 序盤は不安定な立ち上がりも、第2セット以降は修正
- 次戦では第22シードのフラビオ・コボッリ選手と対戦へ
1セット目を1−6で落とす波乱のスタート
センターコートで行われた男子シングルス4回戦。試合前には、ウィンブルドンを8度制したロジャー・フェデラーさんがロイヤルボックス最前列に座って見守るという、象徴的な舞台設定でした。
しかし、気温は華氏60度台(摂氏10度台)のそよ風まじりの午後、1週間前には記録的な暑さの中で試合が行われていたとは思えない涼しさの中で、38歳のジョコビッチ選手は立ち上がりから苦しみます。第1セットはリズムをつかめず、わずか1ゲームしか取れない1−6。もしこのまま敗れていれば、ウィンブルドンでは2016年以来となる早期敗退となるところでした。
第2セットで「リセット」 流れを引き寄せる
それでも第2セットに入ると、ジョコビッチ選手はいつもの粘りと精度を取り戻します。試合後、本人は「正直なところ多くの解決策があったわけではないが、第2セットで自分をリセットすることができた」と振り返りました。
第2セットを6−4で取り返すと、その後も同じスコアで第3、第4セットを連取。特に第4セットでは1−4とリードを許しながらも、そこから5ゲームを連取し、最後の15ポイント中14ポイントを奪う圧巻の巻き返しを見せました。
「自分にとって本当に多くのチャレンジングな瞬間があった」とジョコビッチ選手は語り、フルセットにもつれ込まずに勝ち切れたことを「本当に大きな安堵」だと表現しました。
デミノールも脱帽「大事な場面での強さ」
一方、敗れたデミノール選手も、相手の勝負強さを認めています。ジョコビッチ選手について「彼はレベルを大きく引き上げた」と話し、「彼は長い間、大事な場面で本当に強さを発揮してきた」と敬意を示しました。
試合の終盤には、デミノール選手自身も、勢いに乗るジョコビッチ選手の前に、自分がまた一人の「犠牲者」となることをどこかで受け入れているようにも見えました。それでも、世界トップとの対戦で得た経験は、今後のキャリアにとって大きな財産になりそうです。
次戦はコボッリ 若手との新たな対決へ
この勝利でジョコビッチ選手は準々決勝進出を決め、第22シードのフラビオ・コボッリ選手との対戦権を手にしました。コボッリ選手は、2014年全米オープン優勝者で四大大会準優勝2回を誇るマリン・チリッチ選手に6−4、6−4、6−7(4)、7−6(3)で勝利し、自身初の四大大会ベスト8入りを果たしています。
実績と経験のジョコビッチ選手か、勢いに乗る新鋭コボッリ選手か。世代の違う2人の対決は、今大会の見どころの一つになりそうです。
38歳で挑む「25度目」の偉業 変わるアスリートの寿命
大会開幕前、ジョコビッチ選手はウィンブルドンが「前人未到の25回目の四大大会シングルスタイトル」を手にする最も大きなチャンスだと語っていました。今回の勝利で、その言葉が決して大げさではないことをあらためて示した形です。
記事によれば、現在のジョコビッチ選手と同じ年齢で四大大会を制した男子選手はいません。それでも、彼のプレーを見ていると、その壁が破られても不思議ではないと感じさせます。フィジカルだけでなく、試合中に自らを「リセット」し、流れをつかみ直すメンタルの強さこそが、キャリア後半の武器になっているように見えます。
「ビッグポイントに強い人」はなぜ強いのか
デミノール選手が語った「大事なポイントでの強さ」は、単に才能だけでは説明しきれません。長年にわたって重要な場面を何度も経験し、成功と失敗の両方から学んできた結果として、プレッシャーの中でも自分のテニスを貫けるのかもしれません。
スポーツの世界では、結果だけが語られがちですが、その裏側には、うまくいかない第1セットから立て直す力や、1−4からでも諦めない姿勢といった、目に見えにくい要素があります。今回の試合は、そうした「見えない強さ」が、最終的なスコア以上に物語っている一戦だったと言えそうです。
ウィンブルドンの芝の上で、38歳のベテランがどこまで記録を塗り替えていくのか。ジョコビッチ選手の戦いは、テニスファンだけでなく、「年齢とキャリア」を考えたい多くの人にとっても、注目したくなる物語になりつつあります。
Reference(s):
Djokovic rallies to beat de Minaur and reach Wimbledon quarterfinals
cgtn.com







