ライルズが200mで復活V、アルフレッドは100m制覇 モナコDLで世界選手権へ警鐘
ライルズが200mで復活V、アルフレッドは100m制覇 モナコDLで世界選手権へ警鐘
世界陸上の前哨戦として注目されたダイヤモンドリーグ・モナコ大会で、男子200メートルのノア・ライルズが19秒88の快走で復活を印象付け、女子100メートルはジュリアン・アルフレッドが10秒79で貫禄の勝利を収めました。男子800メートルでは、エマニュエル・ワニョニが世界記録に迫る1分41秒44の走りを見せ、トラックシーズン終盤に向けて短距離・中距離の勢力図が一段と熱を帯びています。
男子200m:ライルズが19秒88、故障明けとは思えない完勝
男子200メートルでは、世界トップスプリンターのノア・ライルズ(Noah Lyles)が、ほぼ完璧なコーナーワークと加速でフィニッシュまで押し切り、19秒88で優勝しました。オリンピック王者のレツィレ・テボゴ(Letsile Tebogo)が19秒97で続きましたが、わずか0秒09差でライルズには届きませんでした。
今季のライルズは腱の故障からの復帰が注目されていましたが、この日の走りは不安を感じさせない内容でした。スタンドを埋めた観客の前で、彼はレース後に「こうして、自分の好きなことができる時間を神に感謝しています。ここに来たら、いつだってベストを尽くすだけです」と語り、競技に戻ってこられた喜びと、勝負への意欲をにじませました。
世界選手権200mへ、ライバルへの明確なメッセージ
この勝利は、世界選手権200メートルを見据えたライバルたちへの警告とも受け取れます。モナコ大会はダイヤモンドリーグ全15戦のうち第10戦にあたり、シーズンも佳境に入っています。その中で、ライルズが故障明けにもかかわらず19秒台前半に迫るタイムで勝ち切ったことは、依然として優勝候補の筆頭であることを改めて示したと言えます。
女子100m:アルフレッドが10秒79で貫禄のフィニッシュ
大会の最終種目となった女子100メートルでは、ジュリアン・アルフレッド(Julien Alfred)が10秒79の好タイムで圧勝しました。2位にはアメリカのジャイシャス・シアーズ(Jacious Sears)が11秒02で入りましたが、レース全体を通してアルフレッドの動きには余裕が感じられました。
スタートから中盤にかけて大きく崩れることなく、ラストも流すようにフィニッシュラインを駆け抜けたアルフレッド。今季複数回の勝利を積み重ねているスプリンターにとって、モナコでの一戦は、世界選手権100メートルに向けた自信をさらに強める内容となりました。
男子800m:ワニョニが1分41秒44、ルディシャの世界記録に肉薄
この日のモナコで、もう一つ大きな注目を集めたのが男子800メートルです。レース前、2周のペースを示すウェーブライト(トラック内側に設置されたLEDライトで、記録ペースを示す技術)の設定が直前に変更され、2012年ロンドン五輪でケニアのデイビッド・ルディシャが樹立した世界記録、1分40秒91を狙うペースが示されました。
現オリンピック王者のエマニュエル・ワニョニ(Emmanuel Wanyonyi)は、その世界記録ペースに食らいつく積極的な走りを見せ、最後の直線でわずかに失速したものの、1分41秒44の大会記録かつ今季世界最高をマーク。歴史的記録まであと0秒53に迫るハイレベルなレースとなりました。
2位にはアメリカの室内世界王者ジョシュ・ホーイ(Josh Hoey)が1分42秒01、3位にはアルジェリアのジャメル・セジャティ(Djamel Sedjati)が1分42秒20で続きました。
ウェーブライトが後押しした攻めのレース
ワニョニはレース後、「シーズンベストと大会記録を出すためにここに来ました。しっかり準備してきたので、今日の結果にはとても満足しています」とコメントしました。世界記録を意識したウェーブライトの設定変更が、トップ選手たちに積極的なレースを促し、結果的に高水準のタイムにつながった形です。
モナコ大会が示した今季トラック競技のポイント
今季のダイヤモンドリーグ第10戦となったモナコ大会は、世界選手権を前に、短距離と中距離の両方で勢力図を占う重要な一夜となりました。主なポイントを整理すると、次のようになります。
- ノア・ライルズ:腱の故障から復帰しながら19秒88で快勝。200メートルの本命としての存在感を改めて証明。
- ジュリアン・アルフレッド:10秒79で女子100メートルを制し、安定した強さを見せ継続的なタイトル争いを予感させる。
- エマニュエル・ワニョニ:1分41秒44でルディシャの世界記録に接近。800メートルで新たな歴史が生まれる可能性を印象付けた。
世界陸上や今後のビッグイベントに向けて、モナコで示されたタイムとレース内容は、選手本人だけでなく、ライバルたちやコーチ陣にとっても重要な物差しとなります。ダイヤモンドリーグ残りの大会、そして世界選手権本番で、今回のパフォーマンスがどのように生きてくるのか、今後のレースにも注目が集まりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








