ツール・ド・フランス第12ステージ:ポガチャルが初の本格山岳でヴィンゲゴーを圧倒
自転車ロードレースの最高峰、ツール・ド・フランスで、スロベニアのタデイ・ポガチャルが今大会最初の本格山岳ステージとなった第12ステージを制し、最大のライバルであるヨナス・ヴィンゲゴーを大きく突き放しました。本格的な山岳決戦で総合リードを広げたこの勝利は、今後の総合争いの流れを左右する重要な一日となりました。
灼熱のオートカムで見せた別次元の登坂
第12ステージは、ピレネー山脈に入った今大会最初の本格山岳でした。全長180.6キロのコースのフィニッシュに待ち受けていたのは、灼熱の中で選手たちの脚とメンタルを試す全長13.5キロのオートカムの上りです。
現世界チャンピオンであり、ツールのディフェンディングチャンピオンでもあるポガチャルは、この最後の上りで一切手加減を見せませんでした。ハイペースの登坂で集団を次々とふるい落とし、ついにヴィンゲゴーをも置き去りにすると、そのまま単独でゴールまで駆け上がりました。
ヴィンゲゴーは必死に食らいついたものの、フィニッシュでは2分10秒遅れ。ドイツのフロリアン・リポヴィッツがさらに13秒遅れて3位でゴールし、山岳決戦の厳しさを物語りました。
総合で3分31秒リード、主導権を握るポガチャル
このステージ勝利により、ポガチャルは総合成績でヴィンゲゴーに対して3分31秒のリードを築きました。初の本格的な山岳ステージでこれだけのタイム差をつけたことは、今大会の流れを大きく変える一撃と言えます。
ツール・ド・フランスの総合優勝争いでは、山岳ステージでのタイム差が最終結果を左右します。今回のように数分単位の差がつくと、その後の平坦ステージでは埋めにくく、ヴィンゲゴーにとっては重いビハインドとなりました。
3年前と同じ山で借りを返す
今回のオートカムでの勝利には、数字以上の意味があります。3年前、同じオートカムの上りでポガチャルはヴィンゲゴーに完敗を喫し、その走りがデンマーク出身のヴィンゲゴーにとってツール初制覇への大きな足がかりとなりました。
その苦い記憶の残る場所で、今度はポガチャルが圧倒的な登坂力を見せつけたことは、肉体的な強さだけでなく、メンタル面での成長を示す象徴的なワンシーンと言えます。ヴィンゲゴーにとっても、この敗北は単なるタイム差以上に重く感じられているはずです。
金曜日の山岳タイムトライアルへ、高まる緊張感
ポガチャルはこれで今大会3勝目となり、翌金曜日に控える山岳タイムトライアルで4勝目を狙います。一方のヴィンゲゴーに残された道は、残りの山岳ステージと個人タイムトライアルで少しでもタイムを取り戻すことです。
山岳タイムトライアルは、集団の駆け引きではなく、選手それぞれの登坂力とペース配分能力がストレートに問われる舞台です。総合リードを広げたいポガチャルと、逆転へのきっかけをつかみたいヴィンゲゴー。両者の力関係が、さらにはっきりと浮かび上がる一日となりそうです。
世界が注目する山岳バトルから見えるもの
ツール・ド・フランスは、単なる自転車レースではなく、3週間にわたる総合力と戦略、そしてメンタルの戦いです。今回の第12ステージは、その縮図のような一日でした。
今回のステージからは、次のようなポイントが見えてきます。
- 酷暑と長い上りで削られていく体力
- わずかなペース変化が数分のタイム差につながる駆け引き
- 過去の敗北を乗り越えようとするトップ選手のメンタル
国際スポーツとしてのツール・ド・フランスを日本語で追いかけることで、単なる勝ち負けだけでなく、選手たちの背景や戦略、そして人間ドラマにも目を向けるきっかけになります。残りの山岳ステージで、ポガチャルとヴィンゲゴーの攻防がどのような結末を迎えるのか、引き続き注目したいところです。
Reference(s):
Pogacar outlasts Vingegaard in first mountain test at Tour de France
cgtn.com








