46歳パッキャオのカムバックは本物か WBCウェルター級バリオス戦の意味
WBC世界ウェルター級タイトルを懸けたマニー・パッキャオ対マリオ・バリオス戦が今週土曜に迫り、46歳のレジェンドの「本当の復活」が試されます。国際ボクシングニュースとしても注目を集める一戦のポイントを、日本語で整理します。
「リングに戻った」だけでなく、どこまで戻れるか
フィリピンの英雄マニー・パッキャオは、「自分は戻ってきた」と繰り返し語っています。技術的にはその通りで、再びリングに立ち、ビッグマッチのメインを務める存在に戻りました。
しかし、多くのファンと専門家が本当に知りたいのは、「全盛期にどこまで近づけるのか」という一点です。つい先月には国際ボクシング殿堂入りを果たし、キャリアそのものはすでに歴史的評価が固まった存在です。
それでもパッキャオには、まだ証明したいことがあります。
- 現在46歳というベテランの域
- 最後の試合は約4年前、ヨルデニス・ウガスに判定で敗れて以来のブランク
- 最後の勝利は2019年のキース・サーマン戦(スプリットデシジョン=2-1の判定勝ち)
長い空白を経ても、本人はコンディションに自信を見せています。
パッキャオは「しばらくリングから離れていたけれど、ずっとアクティブにトレーニングを続けてきた。26歳のころと同じようにキャンプを楽しんでいる。規律も情熱も変わっていないところを証明したい」と語り、年齢への不安を打ち消そうとしています。
若き王者バリオス、レジェンド退ける本命視
対するWBC世界ウェルター級王者マリオ・バリオスは、テキサス州サンアントニオ出身の30歳。ブックメーカー各社の事前オッズでは、パッキャオの復帰戦に「水を差す」本命と見られています。
もっとも、バリオス自身も完璧な状態とは言えません。昨年11月にはアベル・ラモスと引き分け(スプリットデシジョン・ドロー)に終わり、戦績は29勝2敗1分(18KO)となりました。今回の防衛戦は、王者としての実力を改めて示す試練の場でもあります。
バリオスは、相手へのリスペクトを隠しません。
「マニーは唯一無二の存在だ。彼のスタイルをスパーリングで再現するのは本当に難しい」とした上で、「でも、いろいろなサウスポー(左構え)のパートナーと練習してきたから、今はとても心地よくリングに上がれる。子どものころからすべてをボクシングに注いできて、今は家族とラスベガスのストリップを歩くと自分の名前があちこちに見える。ずっと夢見てきた景色だ。あとは自分がなぜ王者であり続けるのかを証明するだけ」と自信をのぞかせました。
穏やかな前日会見、それでも試合は激戦必至
今回のタイトルマッチのビルドアップは、近年の大きな試合にありがちな「罵り合い」とは一線を画しています。水曜に行われた会見でのフェイスオフでは、パッキャオとバリオスが言葉を交わしながら笑みを浮かべる場面もありました。
激しい舌戦で話題をつくるジェルボンタ・デービスの記者会見では、なかなか想像しにくい光景です。
ただし、リング上での遠慮は一切なさそうです。バリオスは「お互いに大きなリスペクトがあるけれど、試合になれば全力を出し切るだけ」と語り、真っ向勝負を約束しました。
セミではフンドラ対ツィュー、因縁の再戦
この日の興行をさらに厚くしているのが、WBC世界スーパーウェルター級タイトルマッチのセミファイナルです。王者セバスチャン・フンドラ(21勝1敗1分、14KO)が、ティム・ツィュー(25勝2敗、18KO)を迎え撃ちます。
両者は2024年3月30日に対戦し、そのときはフンドラがスプリットデシジョンで僅差の勝利を収めました。今回はそのリマッチとなります。
興味深いのは、フンドラがこの再戦を選んだことで、別の王座を失った点です。WBO(世界ボクシング機構)は、指名挑戦者のザンダー・ザヤスとの対戦ではなくツィューとの再戦を選んだフンドラから、自らのタイトルを剝奪しました。
フンドラにとっては、より注目度の高い再戦を優先した「ハイリスク・ハイリターン」の決断とも言えます。勝てば評価は一段と高まり、敗れればWBC王座まで失う可能性があります。
世代交代か、レジェンドの底力か──見どころ整理
今回のイベントは、「レジェンドの復活」と「新世代王者の証明」、そして「再戦での修正力」という、ボクシングの今を象徴するテーマが詰まった一夜になりそうです。
注目したいポイントを整理すると、次のようになります。
- パッキャオのスピードと反応:長期ブランクと年齢を考えると、フットワークや連打のキレがどこまで戻っているかが最大の見どころです。
- バリオスの対応力:経験で勝るレジェンドを前に、自分の距離とペースをどこまで維持できるかが鍵になります。
- フンドラ対ツィューの修正点:前回の接戦から、どちらが戦術面で上積みを見せるのか。スーパーウェルター級戦線の勢力図にも影響しそうです。
「46歳のカムバック」と「30歳の王者の現在地」。その答えが、今週のリングで明らかになります。
Reference(s):
Saturday's fight with Barrios will reveal truth of Pacquiao's comeback
cgtn.com








