ビーナス・ウィリアムズ、テニス復帰 「セリーナも一緒ならもっと最高」
女子テニス界のレジェンド、ビーナス・ウィリアムズ(45)が、1年以上のブランクを経てツアー復帰に動き出しました。ワシントンで開かれるシティ・オープンを前に行われた会見では、復帰への喜びとともに、妹セリーナへの特別な思いも率直に語っています。
1年以上ぶりの公式戦へ:45歳が選んだ「もう一度コートへ」
ビーナスの前回の公式戦は、2024年3月のマイアミ・オープンでした。この大会では1回戦で敗れ、その後は長期の休養に入ります。休養期間が長くなった結果、女子テニスの公式サイトではビーナスのステータスは「非アクティブ」と表示されるまでになっていました。
そんななか、今年、ワシントンで行われるシティ・オープンからのワイルドカード(主催者推薦)が電撃的に発表されました。ビーナスのチームは4月に大会チェアマンのマーク・アイン氏にメッセージを送り、出場の可能性を打診。アイン氏は「もちろん」と即答したといいます。
アイン氏は、ビーナスについて「コートの内外で、スポーツを象徴する存在」と評価し、彼女が再び大会の舞台に立つことは「多くの人にとって非常にポジティブな出来事だ」と話しています。
本人も「テニスに戻ってプレーできることは、とても特別なこと」と語り、ファンにとってもサプライズとなった復帰の舞台が整いつつあります。
「彼女がいればもっと良い」 セリーナへの変わらない思い
会見で何度も笑顔を見せたビーナスですが、「これ以上に幸せになれるとしたら?」という問いに、真っ先に思い浮かぶのはやはり妹セリーナの存在でした。
ビーナスは、チームに対してふだんから「これをもっと良いものにできる唯一のことがあるとしたら、それはセリーナがここにいること」と話していると明かします。「私たちはいつも何でも一緒にやってきたから、もちろん寂しい」とも語り、長年ツアーを共に戦ってきた相棒の不在を静かににじませました。
一方で、セリーナが復帰するかどうかについては「彼女がどうするかは分からないし、そういう質問はしない」と距離を保つ姿勢も見せています。「でも、私たちはいつだってラケットを振っている。そういう人間なの」と話し、姉妹にとってテニスが生活の一部であり続けていることを強調しました。
15分だけの練習参加でも「相変わらず完璧」
ビーナスによると、最近の練習には短時間ながらセリーナも姿を見せたといいます。練習に加わったのはおよそ15〜20分ほど。それでも、ラケットを握った瞬間から、その感覚はまったく失われていなかったようです。
ビーナスは「彼女は6カ月ラケットを置いていても、戻ってきた瞬間にボールをクリーンに打てる。あの才能は教えられるものではない」と、そのセンスをあらためて称賛しました。
セリーナは2022年の全米オープンを最後にツアーから離れ、自身のキャリアについて「競技テニスから進化していく」と表現していました。以降は表舞台でラケットを振る姿はほとんど見られませんが、今回のエピソードは「テニスから完全に離れたわけではない」ことを静かに示しています。
ウィリアムズ姉妹がテニスにもたらしたもの
今回のビーナスの復帰がこれほど注目される背景には、姉妹がテニス史に残した足跡の大きさがあります。
- 姉妹そろって世界ランキング1位に到達
- セリーナは四大大会シングルスで23タイトルを獲得
- ダブルスではビーナスと組み、四大大会で14タイトル
- ビーナス自身も、四大大会シングルスで7タイトル(全米オープン2回、ウィンブルドン5回)を制覇
パワフルなプレーと存在感で女子テニスのイメージを塗り替えた2人は、単なる「スター選手」を超えて、スポーツ全体の象徴的な存在となってきました。
45歳の挑戦が示す「キャリアのかたち」の変化
45歳でのツアー復帰という決断は、トップアスリートのキャリアの描き方が多様化していることも物語っています。ピークを過ぎたらすぐに引退するのではなく、自分のペースで競技との距離を調整しながら続けていく選択肢も、少しずつ当たり前になりつつあります。
ビーナスは「自分のカードはぎりぎりまで見せないタイプ」と語り、今回の復帰も静かに準備を進めてきました。シティ・オープンでどこまで勝ち進むのかは分かりませんが、その一挙手一投足が若い世代の選手やファンにとって、大きなメッセージになるのは間違いありません。
ウィリアムズ姉妹と同じ時代をリアルタイムで見てきた人にとっても、彼女たちのプレーを動画やニュースで知った若い世代にとっても、「もう一度ビーナスがコートに立つ」という事実は、スポーツの魅力と時間の重なりをあらためて感じさせてくれる出来事と言えそうです。
セリーナは戻ってくるのか? 答えは「彼女次第」
ファンの間でどうしても気になるのが、セリーナが再び公式戦に戻ってくるのかどうかという点です。今回のビーナスの発言から分かるのは、姉として復帰を望む気持ちはありながらも、その決断はあくまで「セリーナ自身に委ねている」というスタンスでした。
ビーナスは「彼女が戻るときは、きっと自分でみんなに知らせる」とも話しており、姉妹ならではの距離感と尊重の仕方が見えてきます。いつか再び2人が同じ大会に名を連ねる日が来るのかどうか。その答えはまだ分かりません。
それでも、今年のシティ・オープンでコートに立つビーナスの姿は、セリーナを含め、多くの人の記憶と感情を呼び起こすきっかけになるはずです。ベテランが戻ってくるテニスコートは、単なる勝敗の場ではなく、時間と物語が交差する場所にもなっています。
Reference(s):
Venus Williams returns to tennis, wishes sister Serena would join her
cgtn.com








